一つの言葉にすると「表面」ですが、この場合、両方とも読みは「オモテ」です。
辞書を見ますと、別の項目として記載されており、「表」のほうは「物の二つの面のうち、主だったほう。表面。また、外側」「他のものより前に位置すること。前面」「衣服の表地」「うわべ。外見」「正面。家の入り口」などなど、全部列記するとえらいことになりますから略しますが多数あり、「面」のほうは、「顔面。顔」「仮面。めん。主として能・狂言に用いるものにいう」「物の表面。外面」などがあります。(全て意味はデジタル大辞泉より)
語源が同じのため、「表」の「うわべ。外見」と「面」の「物の表面。外面」など似たような部分もありますが、基本的によく出てくるのは「表」のほうであると思って間違いないかと思います。
ただ、その中でもちょっと間違えやすいかなと私が思うのは、「矢面」です。
辞書を見ますと、「表」と「面」のどちらの表記でも日本語としては誤りではないように書かれており、もともとの意味は「敵の矢の飛んでくる正面」(デジタル大辞泉より)ですから、「正面。家の入り口」という意味を持つ「表」で表記しそうになりますが、用字用例辞典では「矢面」と表記するルールです。
一般的には「矢面」で表記されていることが多いような気がしますが、用字用例辞典になれてくると逆に間違えてしまう、そんな言葉であるように思います。