「歌」と「唄」については、用字用例辞典には例が幾つか挙げられているだけです。
「歌」は「歌がるた」「歌詠み」、「唄」は「長唄」「小唄」「端唄」「里唄」です。
これだけではよくわからないので、いつもどおり辞書(デジタル大辞泉)で調べてみました。
「歌」と「唄」は同じ項目で記載されておりましたが、その意味は以下の四つです。
1.拍子と節をつけて歌う言葉の総称。また、それを歌うこと。神楽歌・催馬楽 (さいばら) ・今様 (いまよう) から、現今の唱歌・民謡・歌謡曲などまで種類が多い。
2.一定の音節数によって語の調子を整えた感情の表現。長歌・短歌・旋頭歌 (せどうか) や近代詩などの総称。
3.(歌)和歌。特に、短歌をさしていう。
4.(唄)三味線を伴奏とする「うたいもの」の称。長唄・端唄 (はうた) ・小唄・地唄など。
明らかに辞書の意味の4番目が、用字用例辞典の例と一致していますし、辞書でも意味の冒頭に「(唄)」とあり、間違いなくこれが用字用例辞典でも「唄」と記載する場合でしょう。
さて、これで「歌」or「唄」問題は解決と思いきや、上記例に載っていないものが一つあります。
それは「鼻唄」です。
上記辞書の4番目の意味とは違うような気がしますが、これは用字用例辞典に項目として別に記載がありいますので、「唄」の表記で間違いありません。
私はきょう、ついさっきまで完全に「歌」と書くものと勘違いしていました。「まさかね」と思いながら念のため調べてみたら違ったわけで、思い込みはいけないとまた強く感じさせられました。