用字用例辞典には別の項目として挙がっている言葉です。
しかし用字用例辞典では「日程が込み合う」「店内が混み合う」とそれぞれ例が一つずつ示されているだけで、例を見ると何となく物理的なほうが「混」なのかという気がするのですが、これだけでははっきりとはよくわかりません。
そこで辞書を調べてみますと、「込み合う」「混み合う」は一つの項目として記載され、意味も「大勢の人や多くの物事が1カ所に入りまじる。雑踏する」(デジタル大辞泉より)と一つだけしか書かれておりませんでした。
これだけではわからないのでさらに同じくデジタル大辞泉で「こむ」の意味を調べてみますと、「込む」「混む」両方の意味で書ける意味として、「一つ所に多くの人や物が集まっていっぱいになる。混雑する。また、物事が一度に重なる」とあり、注記として「混雑する意では「混む」と書くことが多い」とありました。
これと用字用例辞典の例とを組み合わせると、「一つ所に多くの人や物が集まっていっぱいになる。混雑する」場合が「混む」で、「物事が一度に重なる」ほうが「込む」であると考えてよさそうです。
つまり、最初に記載した「物理的なものが「混」である」という解釈でおおむね間違っていないでしょう。