「今年度」 or 「本年度」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

自治体関係の仕事における超頻出語です。しかも意味は全く一緒です。

 

漢字で表記すると間違えようのないようにも見えるんですが、アルファベット表記するとこれを聞き間違う理由がわかると思います。

 

・honnendo

・connendo


ごらんのとおり、「h」と「c」が違うだけですね。

 

録音状態によってはまず聞き分けできないですし、録音状態がよい場合でも、人間の脳は聞こえているものから思っているものに勝手に変換してしまうことがありますから、間違いが起こりがちですので、注意が必要です。

 

また、聞き間違いとは無関係ですが、この言葉は年度末の特定の場合に非常に気をつけなければいけない言葉です。

それは「次年度に行うことの話し合いをしているとき」です。

例えば自治体では、次年度、4月からの予算などは、2月から3月にかけて審議をすることが多いです。

その際、次年度に行うことであるにもかかわらず、会話の中でついぞ「今年度予算」と発言してしまう例が結構多く見られます。

 

以前少し触れたことがあるかと思いますが、テープ起こしの仕事においては、間違いをこのまま記載するのではなく、正しく直すか、間違った発言だとわかるような印づけをすることが必要になります。

そのやり方は顧客の要望によるのですが、間違いの印として下線を引くことや●印で囲むことが多いです。また、顧客によっては明らかな間違いは直すだけで間違いの印をつけなくていいことがあります。

つまりは、次年度予算の話をしている場合に「今年度予算」という発言があった場合は、例えば「次年度」と記載する、「次年度」と記載して下線を引く、「●今年度●」と記載するなどすることとなります。

 

何しろ人間ですから、ついうっかり間違った発言をしてしまうことが誰にでもあります。テープ起こしでは発言を正確に記述するだけでなく、それを聞き流すことなくしっかりチェックしていくことが非常に大事です。