「管理」 or 「監理」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

ここ数日は、日本語として明らかに意味が違うけれども、うっかり見落としてしまうものについて触れてきましたが、打って変わって、きょうは個人的に本当に難しいと感じているものです。

何しろ用字用例辞典の意味にも、「監理」の項目には「監督管理」とあります。つまり、「管理」の中に「監理」も含まれているということでしょうかね。非常に厄介です。

 

よく出てくる例を挙げますと、

 

例)二級河川の河川管理者は県だ。

  県と工事監理業務委託契約を結んだ。

 

これが、「河川管理者である県と工事監理業務委託契約を結んだ」みたいな両方が入りまじった文になることも結構あります。

「河川管理者」のほうはいいとして、これまで何度「工事監理」と書くべきところを「工事管理」と書いてしまったことか……。

 

しかも「工事カンリ」のときは全て「工事監理」でよいかというと、そうでもないです。

ヤフーで「工事管理」を検索しますと、ヒット数は37万件程度、そして「工事監理」を検索しますと、ヒット数は42万件程度です。

何が違うかといいますと、まず「工事監理」は法律的用語で、建築士法に規定されていますが、建築士が工事を設計図書と照合、確認することですが、対して「工事管理」とは、そのまま「工事を管理すること」で、Weblio辞書によりますと、「工事が設計図・仕様図通りに契約工期内で完成できるように 、施工者により行われる作業の進捗、資材、予算、工程、安全などの面からの監督指導」と記載されております。

 

……こう書いてみても、わかったようなわからないような感じがいたしますね。

私は「工事カンリ」という言葉が出てくると、必ずと言っていいほどしばらく考え込んでしまいます。