「羽」 or 「羽根」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

これもつい最近気づいた使い分けです。つまりは今まで何年も……。

辞書では完全に一つの項目として書かれていますが、用字用例辞典では別項目となっています。

 

その記載をそのまま引用しますと、以下のようになっています。

 

羽 ⇒ 鳥・虫-の羽、羽が生える、羽を伸ばす

羽根 ⇒ 赤い羽根、タービンの羽根、羽根つき、羽根布団

 

えっ、鳥の羽と羽根布団はどう使い分ければ……?

 

ちょっと意味がわからないので、辞書の意味と上記例を突き合わせてみます。

 

以下、デジタル大辞泉からの引用です。

1 鳥の全身を覆う羽毛。

2 ア)鳥が空を飛ぶための器官。翼。

  イ)昆虫の飛ぶための器官。

  ウ)翼状のもの。特に、器具・機械に取り付けた翼状のもの。

3 矢につけた羽毛。やばね。

4 ムクロジの実に穴をあけ、数本の羽をさしたもの。羽子板でこれをついて遊ぶ。はご。

5 バドミントンで用いるシャトルコック。

6 水車・タービンなどで回転体の周囲に取り付けた金属片。

7 紋所の名。1の形を組み合わせて図案化したもの。

 

これと用字用例辞典の例とを見比べると、

 

1は「羽根布団」が該当するので「羽根」

2のア、イは「鳥・虫-の羽」が該当するので「羽」

3、4、5、6は「羽根」

7は、1を組み合わせたものなので「羽根」

 

で間違いないでしょう。

 

ですがここで1個抜けています。2のウ、飛行機の「ハネ」は……?

 

国会議事録で調べてみましたところ、平成に入ってからの全てのデータのうちで1件だけ飛行機の「ハネ」という発言がありまして、それは「羽」になっていました。

なので2全体が羽でよいのではないのかと思います。

 

つまりは、「空を飛ぶための器官あるいは部位が羽、それ以外が羽根」ということでよいのではないかと。

 

そういうことで、読み解いてみれば使い分け方は意外とシンプルですが、これはまた出てきたら間違える自信があります。よって納品前のチェックリストに追加決定です。
こうしてチェックリストがまた一つ……。