これもつい最近気づいた使い分けです。つまりは今まで何年も……。
辞書では完全に一つの項目として書かれていますが、用字用例辞典では別項目となっています。
その記載をそのまま引用しますと、以下のようになっています。
羽 ⇒ 鳥・虫-の羽、羽が生える、羽を伸ばす
羽根 ⇒ 赤い羽根、タービンの羽根、羽根つき、羽根布団
えっ、鳥の羽と羽根布団はどう使い分ければ……?
ちょっと意味がわからないので、辞書の意味と上記例を突き合わせてみます。
以下、デジタル大辞泉からの引用です。
1 鳥の全身を覆う羽毛。
2 ア)鳥が空を飛ぶための器官。翼。
イ)昆虫の飛ぶための器官。
ウ)翼状のもの。特に、器具・機械に取り付けた翼状のもの。
3 矢につけた羽毛。やばね。
4 ムクロジの実に穴をあけ、数本の羽をさしたもの。羽子板でこれをついて遊ぶ。はご。
5 バドミントンで用いるシャトルコック。
6 水車・タービンなどで回転体の周囲に取り付けた金属片。
7 紋所の名。1の形を組み合わせて図案化したもの。
これと用字用例辞典の例とを見比べると、
1は「羽根布団」が該当するので「羽根」
2のア、イは「鳥・虫-の羽」が該当するので「羽」
3、4、5、6は「羽根」
7は、1を組み合わせたものなので「羽根」
で間違いないでしょう。
ですがここで1個抜けています。2のウ、飛行機の「ハネ」は……?
国会議事録で調べてみましたところ、平成に入ってからの全てのデータのうちで1件だけ飛行機の「ハネ」という発言がありまして、それは「羽」になっていました。
なので2全体が羽でよいのではないのかと思います。
つまりは、「空を飛ぶための器官あるいは部位が羽、それ以外が羽根」ということでよいのではないかと。
そういうことで、読み解いてみれば使い分け方は意外とシンプルですが、これはまた出てきたら間違える自信があります。よって納品前のチェックリストに追加決定です。
こうしてチェックリストがまた一つ……。