前の記事はその前の記事の「目いっぱい」からの「目」にまつわるものでしたが、きょうは「いっぱい」にまつわるものについて書いてみます。
「目いっぱい」でも少し触れました、「精いっぱい」の表記で衝撃を受けたときに、ではほかの「いっぱい」と発音する言葉はどうなんだろうと思い調べましたところ、用字用例辞典には例だけが挙げられていました。
引用しますと、
【いっぱい】
・時間いっぱい
・精いっぱい
・目いっぱい
・場内いっぱいの人
【一杯】
・一杯機嫌 ※「酒に酔って、気持ちよさそうにしていること。また、そのさま」(デジタル大辞泉より)
・一杯食わす
【1杯】
・船1杯
・イカ1杯
最後の「1杯」は数えるときの単位のようですから置いておいて、問題は平仮名表記と漢字表記の別です。
上記の例だけではわかりづらいので、また辞書で意味を調べてみましょう。(以下、デジタル大辞泉よりの引用です)
まず、「いっぱい」を調べますと、漢字表記の「一杯」で一つの項目として記載されております。
その意味を列記しますと、
(名詞)
1 一つの杯、茶碗などに入る分量
2 ちょっと酒を飲むこと
3 イカ、タコや船一つ
4 金1両
5 名詞の下につき、接尾語的に用いて、限度ぎりぎりまでの意をあらわす
(副詞)
1 一定の容器や場所などに物があふれんばかりに満ちているさま
2 できる限り。ありったけ
これを用字用例辞典の例と照らし合わせますと、
まず、名詞の3は用字用例辞典で【1杯】と記載されているものであります。
そして、副詞のときと名詞の5は用字用例辞典で【いっぱい】と記載されているものであります。
これら二つはまず間違いないと思います。
そして、残りの三つのうち、名詞の4の「金1両」は現代ではまず使わないでしょうから置いておいて、名詞の1と2です。用字用例辞典の例があれなので「これだ」と断言できないんですが、【一杯】でいいのではないかなと思います。
……不確定情報で申しわけないです。
いつもなら国会議事録で検索して確認するところなんですが、あいにく国会議事録は縦書きなので数字は基本漢字表記なため、こういうときは参考になりません。
まあ「いっぱい」が出てきたときは大多数は平仮名表記ということでお願いいたします。