「ケンチョウ」いろいろ | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

「ケンチョウ」というと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。

公務員の方なんかだと「県庁」でしょうし、株をやっていらっしゃる方だと「堅調」でしょう。

ちなみに私は仕事柄「県庁」を思い浮かべますが、仕事の内容によっては別の意味の言葉も出てきます。

それが、「検潮」ですね。

これはどういう意味かといいますと、デジタル大辞泉では「潮の干満による海面の高低の変化を調べること」となっています。

 

ところで、デジタル大辞泉にはこの潮位を調べるという意味での表記は「検潮」一択しか載っていないんですが、実は別の言い方もあります。それは「験潮」です。辞書によっては、「検潮」「験潮」両方併記してあることもあるようです。

そして、用字用例辞典にはこの言葉についての記載はありません。

頼みの綱の国会議事録を調べてみますと、平成20年から平成28年12月までで「検潮」9件、「験潮」0件となっております。

 

では「検潮」でいいのかなという気がするのですが、注意しなければならないことがあります。それは名称になっている場合です。

潮位というのはいろいろな面で大事なものなので、幾つかの公の機関がそれぞれに潮位を測定するための施設を設置しております。

メジャーなところは気象庁、海上保安庁、国土地理院があって、そのほかに港湾関係の出先機関なんかが設置しています。

それで、何とこのメジャーどころ三つは全て名称が異なるんですよ。

 

気象庁 → 検潮所

海上保安庁 → 験潮所

国土地理院 → 験潮場

 

名前を見ればどこが設置した施設かわかるというメリットはあるんですが、むしろきっちり調べて書き分けなければいけないという煩雑さしか感じません。

何となくですが、「縦割り行政」という言葉が頭をよぎりました。