今回の表題の「疑似」を辞書で調べますと、「本物とよく似ていてまぎらわしいこと」(デジタル大辞泉)とあり、「擬似」という表記もされると書かれてあります。
さて、ここでさらに「疑」という漢字の意味を調べてみますと、「ぐずぐずしてためらう」「疑わしく思う」とあり、「擬」という漢字は、「どうしようかとはかり考える。思案する」「ほかのものと引き比べてみる。本物らしく似せる。なぞらえる」とあります。
漢字自体の意味を見てみると、「擬」のほうがこの言葉の意味をよくあらわしているようにも思えますが、なぜか用字用例辞典の表記は「疑似」のほうが正解です。
これも私は、ほかの多くの例と同じく、仕事を始めてしばらくの間は気づかずに間違った表記をしていました。
あるときふと変換候補を見たら「疑似」というのが入っていまして、「もしかして」と思って調べてみたらそちらが正解だったわけです。
今まで多分書いていなかったかと思いますが、この「変換候補を見てほかの表記に気づく」というのは、私はよくあります。なじみのない言葉なんかは特にその傾向が強いです。
自分の脳内の引き出しより、やはり機械のほうが引き出しが多いです。もちろん用字用例辞典で確認することが最も大事ですが、漢字に変換するときは変換候補をごらんになられたらいろいろ発見があるかもしれません。