「住む」 or 「すむ」 | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

「すむ」と発音する動詞はほかにも「済む」や「澄む」などありますが、意味が明らかに違って間違わないと思われますので、今回は表題の「住む」「すむ」にスポットを当ててみたいと思います。

「住む」は、特に解説しなくても皆さんおわかりでしょう。
では「すむ」はどういうときに使うのかといいますと、漢字で書くとすると「棲む」の場合のときです。具体的に言うと、動物の場合は「すむ」になります。

例)昔住んでいた田舎の家には、タヌキがすみついていた。

意味の違いは明確なんですが、これが意外と見落としてしまいがちです。特に「すむ」と平仮名表記する動物の場合なんですが、ついつい「住む」と漢字で書いてしまうので注意が必要です。

また、この表記に関連して「すみ分け」という言葉があります。
これはもともと動物が競争により生存の場を分け合う現象という意味ですから「すみ分け」と「すみ」が平仮名なんですが、これが転じて「複数の人や組織などが役割や活動範囲を明確にする」みたいな意味で使われたりすることがあります。この場合、動物ではなく人が主語になりますが、「すみ分け」と平仮名表記しますのでちょっと注意が必要です。