「シリョウ」いろいろ | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

前の記事で「思料 」について触れましたので、ついでに同じ音の幾つかの単語について触れておこうと思います。
「シリョウ」というと、一般的に最もよく使うのは「資料」ではないかと思います。
しかしながら、前の記事で触れた「思料」のほかにもいろいろありまして、それらがまた結構書き間違いしそうな感じなのです。
用字用例辞典の順に、一つ一つ挙げていきましょう。

1 「史料」 主に歴史研究用の材料
2 「資料」 もとになる材料、データ
3 「試料」 試験、検査等に使うための材料
4 「飼料」 (畜産)餌

2の「資料」と4の「飼料」は説明不要と思いますが、問題は残り二つです。

まず、1の「史料」の場合は、「資料」と書いても全く違和感がなくて非常に危険です。
例えば「シリョウをもとにして研究を行った」という発言があった場合、歴史的なものを扱っている場合は「史料」です。

3の「試料」も結構な問題です。理系の学校を出られた方はご存じでしょうが、そうでなければそもそもあまり触れることのない言葉ではないかと思われますし、「試料」という言葉を用いるのは実験や分析の結果を説明する場合が多いため、当然その結果が記載された「資料」を提示して説明することになりますから、文中に「資料」と「試料」が混在して出てくることもしばしばで、「試料」と表記すべきところが「資料」と表記されていることもよく見かけます。
例えば、「採取したシリョウを分析した」という場合は、「試料」となりますし、上記2で記載した「シリョウをもとにして研究を行った」というときも、文脈から判断して「採取したサンプルを分析して研究した」という感じの意味のときは「試料をもとにして研究を行った」となるでしょう。

いやー、日本語って、ほんとうに難しいですね。