ミスの確認をする方法について | ある在宅ワーカーのつぶやき

ある在宅ワーカーのつぶやき

みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

以前「断トツ 」の記事で触れましたけれども、私は現在、間違いやすいと個人的に思っている単語400余りについて、納品前に必ず検索をかけて間違いがないかどうか確認することにしております。
その記事で、その作業には30分はかかるとも述べたかと思いますが、「400の単語を検索して30分で済むわけがあるか」と思われた方もいらっしゃるかと思いますので、どのようにして30分でおさめているかをご紹介しようかと思います。


(1)エクセルで間違いリストをつくり、検索画面にキーワードをコピーする

まず、間違いやすい単語については、エクセルで、ルールにのっとった表記と、間違った表記を並べたリストをつくっております。
この間違った表記を用いて、ワードの検索画面にコピペして検索を行います。例えば「交代(正しい表記)」のときは「交替(誤った表記)」と入れております。
なぜコピペかというと、検索画面で誤った表記を入力すると、時間がかかる上に、日本語入力システムが誤った学習をして、次のときに変換の候補としてその誤りの表記が上位に来てしまうおそれがあるからです。
そして、なぜエクセルかというと、セル選択⇒コピーの2ステップで単語のコピーができるからです。ワードだと、必要な範囲を選択するのにドラッグする、3回連続クリックするなどする必要がありますので、エクセルだとそのステップが若干短縮できるということです。


(2)入力作業や聞き直しをしながら、確認した単語はフォントを赤にする

(1)の作業で検索を簡単にしても、検索のヒット数が多いと時間がかかります。
そのため、作業中に表記を確認した単語はフォントを赤に変換して、最後の検索の際に、フォント色が自動のものというのみ検索するという条件づけをして、確認済みのものがヒットしないようにします。
ちなみに、このフォントを赤にしているのは、聞き直しなどの際に正しい表記であることを簡単に認識できるので、「あれ、これはどうだったかな」と再確認する手間がなくなるので、二重の意味で時間短縮に寄与します。
ちなみにこのフォントを赤にする作業は、マウスだけでやっていると時間がかかるので、私はショートカットキーを自分で設定して、左手で三つのキーを押下するだけでフォントを赤にできるようにしております。


(3)聞き直し前に、検索でヒットするけれども間違いはあり得ない単語は、フォントを赤にしておく。

順番が前後しますが、例えば「確かに」「たしか」の間違いを確認するときは、「確か」「たしか」で検索します。しかし、「確かに」だと必ず漢字となるので、これはあらかじめフォントを赤にしておきます。
これは、該当する単語のリストをつくって、プログラムを組んでワードのボタン1発押下でできるようにしています。


(4)聞き直し前に、表記の間違いをしやすそうな頻出の単語は、フォントをピンクにしておく。

これも(2)と順番が前後しますが、例えば「いく」「行く」や「来る」「くる」などは、余りに頻出する単語なので、(2)の手順を踏んでも見落としが多数発生して、結局検索で山ほどヒットすることになります。それを避けるために、あらかじめそういう確認が必要なところは色を変えておきます。
そして、これは聞き直し時に確認が済んだら、フォント色を赤にして確認済みということが次回見てわかるようにします。
なお、このフォント色ピンク変換も、(3)同様にリストをつくってプログラムを組んでいます。というか、(3)のプログラムに組み込んでボタン1発押下でできるようにしております。


大体こういう感じですると、検索でヒットする数がほとんどなくなるため、最後のチェックを30分程度でおさめることができます。

ところで、これを読まれた方の中には、(3)(4)で「プログラムを組んで」云々とありましたので、(1)の工程もプログラムを組んでやればすぐ済むんじゃないかと思われた方もいらっしゃると思います。それはそのとおりです。
しかしなぜ私がそれをしないかというと、(1)のリストから検索画面にコピペするという作業は、間違いやすい単語を再確認するという意味も含んでいるからです。
確かにプログラム1発でやると早いですが、毎回毎回リストを見直すことによって、どちらの表記が正しいかとまでは覚えなくとも、この単語の表記は気をつけないといけないという認識が頭の中に埋め込まれて、間違った表記のままスルーしてしまうことが減るのです。
一度見れば忘れないという方もいらっしゃるでしょうけれども、私は何度も繰り返すことでしか覚えられない残念な脳の持ち主なので、手間はかかるけれどもこういう方法をとっております。

以上が4年かけてたどり着いた私なりのやり方ですが、多少なりとも皆様のご参考になれば幸いでございます。