危険な補助動詞いろいろ | ある在宅ワーカーのつぶやき

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みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

※2020年5月18日に「ください」について一部修正、追記しました。

「置く」or「おく」 の記事で少し触れたんですけど、動詞の場合は漢字表記の言葉でも、補助動詞は基本的に平仮名表記となります。
補助動詞とは、辞書によれば、「動詞が、本来の意味と独立性を失って、附属的な意味を添えるものとして用いられるもの」(デジタル大辞泉)とされていて、例を挙げると、「知っている」の「いる」や「変わってしまう」の「しまう」などです。

こういう言葉の場合危険だと私が思っているのは、動詞で用いると本来漢字だけど、主に補助動詞として使われることが多く、ほとんどの場合平仮名表記である言葉です。
その理由は、通常は平仮名表記が多いため、日本語入力システムの変換候補の最上位に平仮名表記があり、その後の見直しでもつい見逃してしまいがちになってしまうからです。
個人的に特に危険だと思っているのは、補助動詞としての使用頻度が非常に高い「欲しい」「下さい」「参る」です。
具体的に例を挙げてみましょう。

(例)早目に納品してほしいんですが、大丈夫ですか。
   あの商品が欲しいんですが、在庫はありますか。

   次のページをごらんください
   後で資料を下さい
   ※ただし、「下さい」は手に持てるもののみだそうです。(詳しくはこちら

   次のページに参ります。
   これまで、精いっぱい努力してまいりました。

いかがでしょうか。平仮名にしてしまいそうになりませんでしょうか。
あと、それほど使用頻度が高くないけれども危険な気がするものに、「差し上げる」があります。

(例)働きやすい職場にしてさしあげた。
   結婚祝を差し上げた。

これらは、聞き直し前にフォント色を一括置換して目立つようにして、全部見直すようにしております。
すごい数になりますが、実際間違っていることも多々あるので、私の中では必須の作業となっております。