以前読んだ、同作者の「墨龍賦」からの流れで、読んでみました。
有名な武将とかが題材ではない、ちょっとマイナーな人物が題材の歴史小説が読みたいとの流れから購入、運よくBOOKOFFでゲット出来ました。
紹介分は
天才絵師の名をほしいままにした兄・光琳が没して以来、尾形乾山は陶工としての限界に悩んでいた。追い討ちをかけるように、二条家から与えられた窯を廃止するとの沙汰が下る。光琳の思いがけない過去が、浮かび上がろうとしていた…。在りし日の兄を思い、乾山が晩年の傑作に苦悩を昇華させるまでを描く歴史文学賞受賞の表題作をはじめ、戦国から江戸の絵師たちを綴った全5篇を収録。
こちらは短編集で尾形乾山、狩野永徳、長谷川等伯、雪信、英一蝶の5人を扱っております。
狩野永徳位しかちゃんと名前を知らず、他の4人は全然分からねぇマイナーさんだwといった、個人的にはうってつけの作品
※個人的に絵画・美術に馴染みがなく知らないだけの無知野郎ですので、このような言い回しはご了承ください
補足ですが、こういったテーマの作品に興味を持った理由に「有名すぎる武将は今はいいや」っていうのに加えてもう一つ、息子が「びじゅチューン」という作品にハマってまして、NHKの子供向け番組なのかな?
有名な絵画や美術作品とその作者をモチーフにしたオリジナルの歌とアニメーションで紹介する番組なんですが、この中にこれらの安土桃山・江戸の作品も登場していて割と身近になったというか、休みの日なんかは一日に何度も一緒に見させられますので、実際の人物像や作品の制作背景はどんなだったんだろうかと・・・
wikiで既成事実だけを見るだけじゃつまんないんで、そんな題材の作品はないかと・・・そんな次第です
前置きが長くなってしまいましたが、短編集としてはそれぞれ好みがあるかと思いますが、普通に最後まで読めました
単調な短編集ではなく、芸術家としての力量はもちろんですが、この時代に後世に名前と作品が残るかという事は時の権力者との結びつきなんかが非常に大事だったのでしょうねと思わせる作品もあれば、絵画や焼き物を通した人生を描いている作品、家柄や性別でなかなか芸術家として成就しない葛藤なんかもあり、それぞれ短いながらも楽しめる一冊でした。
個人的には「雪信」のお話が一番好きで、「清原雪信」狩野探幽を大叔父とする狩野派の女性絵師のお話。
またしても無知ですみませんが、この時代の、しかも狩野派に女性の絵師なんていたんだなと・・・
ネットで彼女の残した作品を見ることが出来ますが、本作を読んでから見てみると「へぇ~すごいなぁ」とw
まぁ何にせよ、先の「びじゅチューン」もそうですが、こういった事をきっかけに、個人的にはあまり縁のなかった絵画などに興味が沸いたり、今まで触れてこなかった物に触れてみたりと
そんなきっかけになるのなら、こういった本の読み方も意外といいもんかも知れないっすね