昔々、ある庭師が、起きている時間のすべてを自分の庭の手入れに費やしていた。雑草を抜き、枝を剪定し、花を植え、村中の羨望の的だった。完璧で、整然としていて、非の打ちどころのない庭だった。
ある年、彼は病に倒れ、一シーズンの間、庭の手入れができなくなった。ベッドに横たわり、不安に駆られ、雑草が庭を覆い尽くし、花々を窒息させ、秩序が崩壊して混沌に陥るのを想像していた。
ようやく回復した彼は、恐れながら庭へと向かった。荒廃を覚悟していたのだ。しかし、そこで目にしたのは、全く違う光景だった。
庭は荒廃していなかった。以前とは違っていたのだ。彼が植えたことのない場所に野花が咲き乱れ、ミツバチや蝶が飛び交い、鳥たちが低木に巣を作っていた。野菜の数は減ってはいたが、生命力は増していた。
「一体何が起こったんだ?」と彼はつぶやいた。近所に住む老婦人が、彼がじっと見つめているのに気づいた。「あなたの庭は寂しそうだったわ」と彼女は言った。 「あなたは庭をとてもきれいにしていたから、他の植物は何も生えなかったのよ。でも、あなたが草むしりをやめた途端、他の生き物たちが入り込んできたのね。」
「でも、もう私の庭じゃないんです」と彼は言った。老婆は静かに笑った。「そもそもあなたの庭じゃなかったわ。あなたはただ借りていただけ。今は庭があなたを借りているのよ。」
彼は荒れ果てた庭を歩きながら、今まで気づかなかったものに目を向けた。倒れた丸太がキノコの住処になっている様子、雑草と花が絡み合っている様子、混沌の中に独自の秩序があること――より野性的で、より自由で、より生き生きとしていること。
彼は以前のやり方には戻らなかった。庭の手入れは続けたが、やり方が変わった。雑草を抜くものもあれば、そのままにしておくものもある。枝を剪定するものもあれば、伸び放題にさせるものもある。彼はコントロールしようとするのをやめ、庭と共存することを学び始めた。
庭は変化し続けた。ある年は花が多く、ある年は雑草が多かった。ある年は野菜が豊かに育ち、ある年は鳥に食べられてしまった。彼はそれを良いとか悪いとかは言わなかった。彼はただ観察し、学び、適応していった。
ある日、若い庭師が彼の元を訪れた。「あなたの庭は以前ほど美しくありませんね」と若い庭師は言った。「いや」と老庭師は同意した。「以前よりずっと美しい。ただ、その美しさに気づくのに時間がかかっただけだ」
「秘訣は何ですか?」と若い庭師は尋ねた。老人は微笑んだ。「秘訣などないということだ。秘訣は、庭が何を望んでいるかを知っているということだ。私の仕事は、庭を何か別のものに作り変えることではない。私の仕事は、庭が本来持っている姿になるのを助けることだ」
若い庭師は戸惑いながら去っていった。老庭師は仕事に戻った。草むしりをしたり、管理したりするのではなく、ただ庭に寄り添うだけだった。そして庭は、彼が想像もできなかったような形で、いつものように成長していった。