一羽の鳥がかごで生まれ、かごで育ち、かごの中で暮らしていました。翼に風を感じたこともなく、木を見たことも、檻の柵より高く飛んだこともありませんでした。
ある日、野鳥が窓辺に止まりました。「出ておいで」と野鳥は言いました。「空は広いよ。世界は美しいよ。」
かごの中の鳥は開いた扉を見ました。かごから出たことがなかったため、外で生きられるかどうかわかりませんでした。
「かごの中は安全だよ」とかごの中の鳥は言いました。「世界は危険だ。私はここにいるよ。」
野鳥は去っていきました。かごの中の鳥は残りました。年月が過ぎ、かごは古び、鳥も年老いていきました。
ある日、かごの扉がうっかり開いてしまいました。鳥は縁に歩み寄り、外を見つめ、ためらいました。
野鳥の言葉を思い出しました。見たこともない空のことを思いました。鳥は、これまで感じたことのない風を思い浮かべました。
鳥は、一歩踏み出しました。落ちました。羽ばたきました。そして、生まれて初めて、飛びました。
完璧ではありませんでした。優雅でもありませんでした。しかし、自由に飛びました。風が翼を捉え、太陽が背中を温めました。空はあらゆる方向に果てしなく広がっていました。
鳥は木に降りました。葉や枝、そして他の鳥たちがいる、本物の木でした。「今までどこにいたんだい?」見知らぬ鳥が尋ねました。
「檻の中にいたんです」と鳥は言いました。「外に世界があるなんて知りませんでした」見知らぬ鳥は笑いました。
「外の世界はいつだってあるんだよ」と鳥は言いました。「檻は終わりじゃない。ただ、君が始まった場所なんだ」