昔、一羽の鳥がずっとかごの中で暮らしていた。生まれも育ちもそこで、他の家を知らなかった。かごは小さかったけれど、安全だった。

ある日、子供がかごの扉を開け放っておいた。鳥は開いた扉を見たが、飛び立たなかった。飛べることを忘れてしまっていたのだ。

「どうして出て行かないの?」と子供が尋ねた。鳥は首を傾げた。「出て行かない?ここが僕の家だよ。外には何もないんだ。」

子供は鳥を追い出そうとした。鳥は怖がってかごの奥へとひらひらと舞い戻った。子供は悲しそうにその場を去った。

数日が経った。鳥は何度も開いた扉のところへ戻り、外を覗き込んでは、また戻って来た。外の世界は広大で、明るく、そして恐ろしいものだったのだ。

ある朝、野鳥が窓辺に止まった。「どうして中にいるの?」と野鳥は尋ねた。かごの中の鳥は、ずっとそこにいたのだと説明した。他に方法を知らなかった。

野鳥は笑った。「あなたは鳥だ」と野鳥は言った。「あなたは飛ぶために生まれてきた。檻は家じゃない。牢獄だ。」

「でも、飛べない」と檻の中の鳥は言った。「一度も飛んだことがない。」野鳥は首を傾げた。「なら、やってごらん」と野鳥は言った。「さもなければ、永遠にここにいて、生きることもせずに死んでいくことになるよ。」

檻の中の鳥は開いた扉に歩み寄った。空を見上げた――果てしなく広がる、青く、恐ろしい空。今まで知らなかったことを思い出した。翼の下に感じる風の感触。

一歩踏み出した。落ちた。羽ばたいた。そして、信じられないことに、飛んだ。完璧ではなかった。優雅でもなかった――しかし、自由に。

野鳥は鳥のそばを飛んだ。「どんな気分だい?」と野鳥は尋ねた。檻の中の鳥は笑った――今まで一度も出したことのない声で。「もっとずっと前にこうするべきだったような気がする。」

数年後、他の檻の中の鳥たちが脱出方法を尋ねると、この鳥はこう答えた。「扉はいつも開いていた。中に閉じ込めていたのは私だけだった。飛ぶんだ。ただ飛べばいい。そうすれば、やり方を思い出すよ。」