ある小さな村に、その腕前があまりに卓越した画家が住んでいた。遠く離れた地方からも、彼女の筆さばきを見ようと人々が訪ねてきた。彼女の筆は水のように、風のように、躊躇することを知らぬかの如く滑らかに動いた。
ある日、自らの芸術に悩む若者が見物に訪れた。彼は真実を絵に描こうと何年も試みてきたが、一筆一筆が無理に感じられ、どの絵も死んだように思えた。
「どうやっているのですか?」彼が数分で竹の絵を完成させるのを見て尋ねた。「あなたの筆は自由自在に動く。私の筆は手の中で鉛のように重く感じられる」
画家は筆を置き、優しく彼を見つめた。「明日また来て」と言った。「筆を持ってきて。一緒に描こう」
翌日、彼は最高の筆、最良の墨、最も高価な紙を持って現れた。彼女は道具を見て微笑んだ。「それらは置いておきなさい」と言った。「今日はこれだけを使うのよ」彼女は一本の使い古した筆と小さな墨壺を手渡した。
何時間も、彼女は彼に墨の準備だけをさせた――墨を石で擦り、一滴ずつ水を加え、黒が完璧な闇へと広がるのを眺める。「感じなさい」と彼女は言った。「墨になりきって。準備ができたと墨が教えてくれるのを待って」
墨がようやく整うと、彼女は彼を白紙の前に座らせた。「さあ」と彼女は言った。「待つのです」彼は待った。筆は手に握られたまま。墨は壺の中に。紙は空っぽのまま。
長い沈黙の後、彼は焦りを感じた。「何を待つんだ?」彼女は微笑んだ。「絵が描かれたいと願う瞬間を待つのです。あなたは創造者ではありません。墨と紙が出会う場なのです」
彼は苛立ちながら目を閉じた。しかしゆっくりと、何かが変化した。手にした筆を道具ではなく、より大きな何かの延長として感じるようになった。墨を単なる材料ではなく、意志そのものとして感じるようになった。
目を開けると、彼の手は自ずと動いた。筆は紙の上で踊るように動き、無理に描くことも計画することもせず、ただ応えるように動いた。描き終えた時、彼は自らの描いたものを見つめ――涙を流した。
それは完璧ではなかった。想像していたものとも違った。だが、それは生きていた。息づいていた。彼が初めて生み出した、真実のものだった。
老いた画家はうなずいた。「今、お前は理解した。墨は自ら描く。筆はただその道筋に過ぎない。お前は画家ではない。お前は絵が生まれる空間なのだ。そしてその空間は、常に十分だったのだ」