化学物質過敏症というものがあります。

日常の匂い(香水、合成洗剤、柔軟剤)や化学物質(石油製品、農薬等)に身体が過剰に反応し、様々な症状が現れます。

私は病院で正式に診断されたことはないのですが、体質的にそうだと感じています。

パニックの症状が酷かったとき、特にそうでした。

家族が使っていた合成洗剤・柔軟剤の匂いに身体が勝手に反応し、動悸や息苦しさが起き、パニック発作のきっかけにもなりました。

最初家族に止めてもらうように頼んでも長年使ってきたものを今更止める気はない、と言われ口論になりました。なんともない人からすれば、何をそんなことで神経質になっているのか、という感じです。

 

香りは「大脳新皮質」を経由せず、本能的な行動や直感などを司る「大脳辺縁系」に直接届きます。おそらく生存するためそのようになっていると思います。動物のほとんどは臭いで周囲の存在を感知し危険から身を守ります。それだけに身体が理屈抜きで反応する感じがします。

柔軟剤の匂いはマイクロカプセル化という技術が使われ香りが減退しないようにされています。

 

最近、整体に通ってましたが、施術師の衣類に柔軟剤が使われていてそれが自分の衣類に付くので、家に帰るとすべて洗っていました。Yシャツを着て施術を受けていても中の下着にまで臭いがしっかり付いており、洗剤で一度洗っただけでは完全に取れません。

 

病院の待合室などの公共の椅子や図書館の本・古本、最近ではコンビニの商品からも匂う時があります。
近所では柔軟剤を使われている家が多く風向きにより匂ってきます。10m離れてもはっきり臭います。

今は体調が安定しているので、ある程度我慢ができるようになりましたが、マンションのような集合住宅や気密性の高い昨今の住宅ではより暴露の頻度、量も多いと思います。

 

農薬にもマイクロカプセル化の技術は使われており、農薬の成分が散布後も持続するようになってきています。

周りのぶどう畑では農薬散布が春から秋にかけて頻繁に行われ、朝気持ちがよいと思って風を通していると突然轟音とともに農薬の散布が始まります。だいたい雨が降ってから数日以内に行われ、今朝もそうでした。

 

この時期はいつも身体の調子がおかしくなります。具体的な症状としては脱力感が出て、トイレで尿のきれが悪くなります。冬場は散布がないためわりと普通でいられます。引っ越してきて数年はなんともなかったのですが、パニックを患った頃から自覚症状が現れるようになりました。

反応が出ると横になって安静にして落ち着くのを待つ以外ありません。

なお農薬は基本的に臭いがしないため、知らずに吸って体調が悪くなって気づくというパターンになります。臭いがするのも辛いのですが、庭や家のどの辺りまで飛散してきて付着しているのかまったく判断できませんのでやっかいです。

最初気づかず、鍼灸院に通っていた時に眼振が出ていると指摘され、まわりで農薬散布がないかと問われて初めて気づきました。

 

畑以外でも街路樹のアメリカシロヒトリ対策、山の松枯れ対策でヘリコプターによる散布等、田舎は化学物質過敏症の方にとって都会より安全かと言えば決してそうと言えません。

ちなみに奇跡のりんごの木村秋則さんが無農薬栽培を始めるきっかけは奥様が農薬で体調が悪くなることでした。

 

花粉症なども平気だった人が突然なったりしますが、化学物質過敏症もおそらくある閾値を超えると身体の防衛反応が働くようになるのではないかと思います。

 

以下は上記のフルバージョンです。

 

なお香害はあくまで個人の問題との位置づけですが、EUではマイクロプラスチックの公害問題として認識されており、段階的に規制の方向に向かっているようです。