Life is beautiful. | 土屋太鳳オフィシャルブログ「たおのSparkling day」Powered by Ameba

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こんばんは!

昨日から今日にかけて

成人式を迎えた方々も

たくさんいらっしゃることと思います。

私の弟も成人式でした!

前にブログに書いたように

成人式用のスーツを揃えたようなのですが

でも弟って不思議なもので

何歳になっても

自分の背より大きくなってても

ずっと弟というか

成人式のスーツ姿を見ると

逆に子ども時代を思い出すというか

小学校の入学式とか卒業式とかの姿と

あんまり変わんないなと思ってみたり

その頃が懐かしくなったりして

抱きつきにいって避けられてみたり

相変わらず好きすぎて困ります。

弟は今日無事に

そのスーツを着て式に出て

大切な同級生達と再会して

区の成人式では

素敵なライブを拝見することが出来るんですけど

そのライブで盛り上がったあとは

同窓会に行ったみたいで

話を聞いていると

なぜか私まで懐かしくなってきます。

 

私の成人式は

「まれ」に出演していた頃でした。

そう考えたら、なんかすごい。

とても不思議な気持ちがします。

今あの頃の自分を思い出してみると

思い出深いようでいて

必死すぎて意外に記憶がないというか

記憶の中の自分が

自分でないような気持ちさえするけれど

でも成人の日は

午後からが「まれ」だったので

朝から晴れ着を着て家族と写真を撮って

成人式にも一瞬行って同級生と会えたという

とても濃い時間を過ごせた記憶があって

今も心をあたためてくれてます。

 

演技の仕事は

自分ではない人の人生を

撮影の期間、必死で生きます。

役の人の時間の中には

共感出来ることもあれば

共感するまでが難しいこともあるし

とうとう共感出来ないこともあって

全部を含めて役の時間を生きることを

覚悟して演じるのだけれど

演じたあと

ドラマならオンエア

映画なら公開までの間は

いろいろなことに怯えることも多いし

心配することも多いし

観ていただく人の心に届いた後の時間も

反省をすることが本当に多いです。

でも、後悔をしたことはありません。

それは自分が役としても

自分としても

正直に生きたことだけは事実だし

その時間を

支えてくださった方々への感謝と

その方々に出会えた誇りがあるからです。

 

「まれ」でも

たくさんの方々が支えて

見守ってくださいました。

日本が誇る輪島塗の技術や

揚げ浜式の塩田の塩づくり

美味しい菓子づくりの技術など

本当にたくさんの方々が

技術指導や監修をしてくださって

初めて

「まれ」の世界として

観てくださる方々の心に

届けることが出来ていました。

 

いま思い返すと

とても前向きの要素が強かった「まれ」。

長い月日を描く朝ドラでは

登場人物がこの世を旅立つことが

描かれることも多いけど

「まれ」は登場人物全員が

最終話までそれぞれの命を

全力で生きたお話でした。

それは私にとって

とても心強いことでもあったんです。

あの時、登場人物の誰が

世を去るという形でクランクアップしても

私はきっと耐えられなかった気がする。

それくらいあの作品の世界は私にとって

リアルだったし

もしかしたらリアル以上の力を

持っていた時間だったと思います。

そこまでリアルな感覚を

撮影なのに持つことが出来たのは

方言とか技術といった

役の人生を支える大切なことを

本当に丁寧に教えてくださる方々が

いらっしゃったからです。

 

輪島塗の技術を教えてくださったのは

漆の職人という

素晴らしい人生を生きてこられた

稲木正伸さんでした。

能登の海のような

大きな樹木のような

ゆったりとした雰囲気のかたで

漆の光そのもののような目をなさっていて

お話すると

輪島塗を触った時のような

柔らかい優しさで

包んでくださるかたでした。

本来だと修行が必要な技術を

撮影のために短期間で身につけることは

どんなに器用な方々でも大変です。

時間的にタイトな撮影が

ずっと続くこともあって

焦りや不安が現場を包むこともありました。

私は塗師屋にお嫁に行くという

設定の役だったので

稲木さんが技術を監修なさる場面に

参加することも多かったのですが

「ほんでいいげぞ」と

励ましながら教えて下さる

稲木さんのおだやかな声に

キャストの人達はもちろん

スタッフさんがたも、皆が

本当に救われていたと思います。

 

伝統工芸の職人の方々の作品の

素晴らしいところは

本当にたくさんありますが

そのひとつに

「作品に魂が込められている」

ということがあると思います。

 

去年の年末、観光大使のお仕事で

能登に伺った時、

私は稲木さんとお会いすることが出来ました。

その時に

「こういう道具を使う女性になりなさい」と

大切な作品を譲っていただきました。

その中には稲木さん御自身が

大変だったとおっしゃる時期に

創られた作品もあったのですが

私はその作品を観た瞬間

圧倒されました。

美しいを通り越して

すさまじい迫力なんです。

漆は中からの光を感じるのですが

その漆は本当に

もし命に光があるなら

こういう光なんじゃないかって

感じるような光を放っていて

でも、とてもあたたかくて優しいんです。

稲木さんの心が

漆と一緒に丁寧に

込められているような光。

人生は美しいんだよ、と

教えてくれるような光です。

一生の御守りとして、大切にします。

そして会えない時も

恩返しを続けていきたいと思います。

 

写真は、西日本の空。

 

 

 

 

 

 

 

明日からも

この空の下で踏んばろうと思うので

時々どうしてるかなぁと

思い出していただけたら嬉しいです!

負けないように。

 

天気予報では

これから寒くなるようです。

受験生の方々は

勉強で座っていることも多いと思うけど

足下をあたためて

コンディションを整えてくださいね。

いよいよ真冬。

でもその先には春があります。

梅はそろそろ咲く準備をしてるかな?

真冬だからこそ

あたたかい気持ちを

感じる時間でありますように。

ごきげんよう…!

 

 

*… tao …*