2月17日…小さいおうちの世界の中で。 | 土屋太鳳オフィシャルブログ「たおのSparkling day」Powered by Ameba

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こんばんは!たおです(^-^)

今日も東京は晴れていましたが、まだまだ寒くて、

本当は春に向かっているのかもしれないけど、

それはまだ感じることが出来ませんでした。

でも夕日を見ると、冬らしく空気は澄んでるけど

ちょっとずつちょっとずつ春の色の夕日になってる気がします。

皆さんが住んでいらっしゃる地域は、

今日はどんな空だったでしょうか?


でも心配なのは、この間の大雪の影響で

孤立してしまっている地域があるということです。

やっぱり極端なお天気というものは、

とても怖い力を持っているのだと思い知りました。

ニュースでは、山梨県の富士川口湖町や

東京の奥多摩など、私が小さい頃合宿などで行ったことがあったり

ロケでお世話になったりした方面の地域が映されていて、

お年寄りのおうちも多いとのことで、とても心配です。

少しでも早く、安全と日常が戻ってきますように、

どうかお大事にしてほしいと願っていますm(_ _)m


今日は、昨日観た映画「小さいおうち」のことを

書きたいなと思います。

ちなみに今日私は、仕事の準備などもしたんですけど

午前中に、「鑑定士と顔のない依頼人」という映画を観てきました。

これがまた・・・言い表せない衝撃で…

でも悔しいことに、私は今、自分がすごく、

成長したかったり勉強したい気持ちと、自分の頭の中にある言葉の数が、

全然追いつかないことに悲しいくらい気がついていて、

今のこの気持ちを伝えきることが出来ません。

もしかしたら、あと5年してもう一度同じ映画を観たら、

感想が言葉になるのかもしれないけど…

前に大学の進路を考えてた時、実技系の大学にしようか、

文系の大学にしようかって迷った理由を、思い出しました。

私は言葉を、知りたかったんです。

でも今、「ああわかんないなあ、上手く言えないな…」と思ってる気持ちも

大切な気持ちなのかもしれないから、

今は自分のペースで、言葉を探していたいと思います。


「小さいおうち」も、観た直後は言葉が出なかったけど、

昨日の夜から今日、時間がたつことで、言葉に少し書いてみれたから

今日は、それを伝えようと思います(^-^)


「小さいおうち」は、私にとっては、初めて観るタイプの作品でした。

ふんわりとしたノスタルジックな空気だけど、

映画そのものの全てが、私はすごく「新しい!」と感じたんです。

「るろうに剣心」を観た時も、観終わった時あまりに衝撃的で

席を立てなかったけど、

「小さいおうち」も私にとって、見えない重さをすごく感じて

席を立てなくなった映画でした。

人が持つ、コントロールができない「業」のようなものって、

いくつかあると思うけど、

表情と感情が矛盾してしまうことも、そういうものの1つだと思うんです。

その苦しさとか切なさを、でも、とても温かく優しく、

そしてやっぱり切ないままに、描いていた映画でした。

ネタバレになってしまうので、

思っていることを全て書けないことがつらいけど、

報道や宣伝などで出ている部分は書いていいのかなと思うから

その範囲で、観た気持ちを書こうと思います。


黒木華さんが演じている女中のタキちゃんは、

「小さいおうち」のことをとても愛していて、でもその大好きな人達が

戦争という時代の変化や、その人達自身の内面の変化の両方で

変わっていってしまう、

その「大好きなものを守りたいけど・・・」という届かない切なさが、

周りの人達のコントロールできない感情と混ざり合っていくストーリーでした。

こう書くと、すごく激しくて苦しい空気の映画を想像されると思うんですが、

それが、すばらしく美しいんです。まるでおとぎばなしのようで…

今日の写真の1枚目が「小さいおうち」のパンフレットの裏表紙なんですけど

昭和の最初の頃につくられた可愛い絵本のような雰囲気の本だってことが

伝わるかなと思います。

そして映画は、このパンフレットの空気がそのまま流れてるんですよ。

切ないんだけど、ただ「切ない物語」という単純なものでもなくて、

人の愛情にしても、時代の流れにしても、

逆らえない何かが世の中にはあって、

それを隠し切れなくなったり止められなくなったりした時の悲しさに

心が揺すぶられて掴まれていっぱいになって、

最後に私は、心に穴があきました…

その「穴」の正体はわからないけど、今の時代にはもしかしたら、

本当に大事なものが、知らないうちに抜けているんじゃないか、と思ったんです。

それが何かが、今の私では分からないのが悔しいけど、でも、

抜けているものを心に呼び戻そうとしてくれるような映画で、

呼び戻そうとしている心の動きが痛くて、穴のように感じたんだと思います。


私は山田洋次監督の映画を、初めて真正面から観たんですけど、

山田洋次監督は、自分が知っている時代の全てを、

この世になんとかして、映像として残しておきたい、記憶させたいと決意して、

撮られたんじゃないかと感じました。

現代にはない規制の多い時代の中で、

はみださざるを得ない感情はやっぱりあって、

その激しさとか繊細さは、もしかしたら自由な今の時代より、

ものすごく深くてあざやかなんじゃないかと思います。

言葉も、今はどんどん簡単になっていって、

たとえば奥様の感情にしても、「不倫」と言ってしまえば一言だけど、

一言にはおさまりきらない感情が何重にもあるわけで、

その影や動きや美しさも含めて、

人を好きになるってことなのかもしれないということを、

こんなに優しい空気の中でこんなにリアルに表現するなんて、

山田洋次監督の凄さに打ちのめされました。

今の時代って、リアルに何かを描こうとすると、

どうしてもきつい映像とか、極端な表現とか多くて、

それはそれですごくいいと思うけど、

こんなに優しい映像で、こんなにつらい真実を描くって、

ものすごいことだと思って…

キャストの方々の演技も、ものすごかったです。

松たか子さんの表情の変化、目の動きのひとつひとつが

「女の人」の全てを表しているんじゃないかと

こんな何も分かってない私にさえ伝わってきたし、

華ちゃんの演技も…

華ちゃんの演技は、今までテレビなどで観てきたはずなのに、

私は初めて華ちゃんの演技を観たような気持ちになりました。

感動させられたのでもなく、感動したのでもなく、

華ちゃん演じるタキと私の心が一緒に動いてしまって、

タキちゃんに自分が吸収されていくような、そんな感覚に陥りました。

一心同体になってしまったというか…今までにない感覚でした。

さっきも少し書いたけど、松たか子さんがすごく素敵で、

でも守ってあげたくなるような危うさがあって、

自分もこんな女性になりたいと思うような人であったからこそ、

タキちゃんの切なさや素朴さ、愛らしさ、苦しさが、

観ている人達にすごいスピードで伝わったのだと思います。

最近私が「ネタ帳」にメモした言葉に、

「秘するが花」という言葉があるんですけど、

もしかしたら使い方が違うかもしれないけど、

この映画を観て私は、その言葉をなぜか思い出してました。


悔しいのは、今日、私はまたまたいろいろ書いたけど、

私の言葉がいきとどかないのもあるし、

観なければ伝わらないということもあるので、

もしお時間がある人は、ぜひ観てみていただきたいなと感じました。

写真のパンフレットも、本当は表紙がとても素敵なのと、

私が感じたことを全部、倍賞千恵子さんが言葉にしていらっしゃるので

映画を観られたかたは、読んでみてください!!!!!

誤解を恐れずに書くと、私もこのタキちゃん役のオーディションを受けたんです。

そして届かなくて、その話は華ちゃんにもしたんですけど、

でも凄く嬉しかったのは、このオーディションでなぜ届かなかったかを、

山田洋次監督はスタッフのかたを通して、私に伝えて下さったんです。

その言葉を今はここには書かないけど、

心で思い出しながら、大切にしながら、

私は「花子とアン」の世界に向かおうと思ってます。


今日の写真の2枚目は、昨日の夕日です。

柔らかい色の空と、「小さいおうち」の空気がどこか似ていて、

素敵でした(*^-^*)

今日も夜は空気が冷たいので、

あたたかくして明日に備えて下さいね。

わかりにくい文章なのに、読んで下さってありがとうございました!



たお