樹里の未来②(*^-^*) | 土屋太鳳オフィシャルブログ「たおのSparkling day」Powered by Ameba

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こんばんは!たおです(*^-^*)
寒い日が続いているなあ…と思っていたんですけど、
今日は「大寒」の日だったんですね!
昔からある「暦」の、こういう名前の日って、
本当にすごくピッタリな名前と言うか、上手に名前をつけてるなあと思います。
「大寒」…いかにも寒そうですよね…!
でも、こういう昔からある季節の日を聞くと、
季節を耳で楽しめる感じがして、私はとても好きです(^-^)
季節の節目といえば…
私の誕生日の「節分」まで、なんとあと2週間もありません…!!!
うっかりしてましたが、「18歳」という時間が、あと少しで終わります。
うわー…なんだかすごく不思議です!
19になるとか、全然ピンときてません。
18歳って、子どもの頃は、ものすごく大人だと思ってたんですよね…
でも、全然子どもじゃん!!!と、最近本当に思います。
なぜかというと仕事以外の生活は、服装も、生活のペースも、
小学校の頃とあまり変わってないんですよ。
小学校からのジャージをまだ着てるし…(^0^;)
だけど、何を「大人」っていうのかと考えたら、結構難しいと思うんですよね。
だから自分のペースで歩いていけばいいかなと思ってます(^-^)

さて今日は、映画「赤々煉恋」の最終上映イベントのことを、
やっとまとめて書くことが出来たので、載せようと思います!(^-^)
ただ、映画をまだ観ていらっしゃらないかたにとっては、
ネタバレになってしまうかもしれません。
それはとても心配なので、
出来るだけネタバレしないようには書くと思うんですけど、
念のため、もしまだ観ていないかたや、ネタバレを絶対読みたくないかたは、
ここから先、少し飛ばして読んでいただけたら嬉しいです。

☆ ☆ ☆ ここから先は、ネタバレかもしれません… ☆ ☆ ☆

映画やドラマで出会う「役」は、どの役も私にとって、
かけがえのない人になるんですけど、
映画「赤々煉恋」で出会った樹里は、どの役とも全く違う重力がありました。
重力が、ものすごく重いようで、でも、ものすごく軽いんです。
軽いというのは、ふわふわした優しい軽さではなくて、
自分がどこかに行ってしまうような、不安のある、気体みたいな軽さでした。
それはやっぱり樹里が、「生きている」状態ではなかったからだと思います。
そういった状態の役をどう演じたらいいのか、
イベントでも少しお話したんですけど、脚本を最初に読んだ時は、
正直申し上げて、これは大変だと思いました。
悩みに押しつぶされて命を手放す人が増えてることは、報道で知ってました。
そして樹里と同じ方法で命を絶つ人が多いことも、
この作品に出会う前から、知ってました。
そういった報道を知るたびに、私はすごく胸をギュッと掴まれて、
絶対にやめてほしいと、願う一方で、
それは正論だけど、その人達の悩みをむやみに否定するというより、
何が社会に必要で、どうすればいいんだろう、と考えていました。
だからこの役を演じると決まった時、
この辛い話を通して私が何を伝えられるか、すごく慎重に、
覚悟して考えなきゃいけないと思いましたし、
のこされた方々の気持ちも大切にしたいと思いました。

実はこの作品の前に、私は2つの作品で高い所から飛んでるんです。
一回目は鈴木先生という作品で、この時は生きるために飛ぶんですけど、
それでも屋上から飛ぶって命に関わることなので、
「生きるために飛ぶ」ということを、観る人に誤解なく伝えるには、
一体どう飛べばいいんだろう?とすごく悩んだことがありました。
原作者の武富先生にアドバイスをいただいたり、
共演をしていただいた風間俊介さんや、
鈴木先生であった長谷川博己さん、足子先生の富田靖子さん、
そして、2年A組のクラスメートの力を借りる形で、
前向きな気持ちで表現することが出来たんですけど、
でも、やはり「飛ぶ」ということは、人は鳥ではないので、
何を意味するのかということは、たとえ前向きな気持ちでも、
強く意識して、ワイヤーでの演技に挑戦しました。
その次は「アルカナ」という作品で、
この作品では自分を否定した結果飛ぶんですけど、
アルカナの場合はホラー要素があったので、
その表現の一環として解釈して、演じることが出来たんです。

でも「赤々煉恋」は、ある意味ものすごくリアルな描写だったので、
どう演じたらいいのか本当に悩んだんですけど、
監督から「四月怪談」のDVDを観せて頂いた時に、
監督の命に対する愛情をすごく感じて、
監督が描く世界の中で、樹里の魂として、
ただただ必死に生きようっていう覚悟が出来ました。
もしあの作品を観ていなかったら、迷いから抜け出せなかったと思います。
あとは周りのキャストの方々が本当に素晴らしかったのと、
オールロケだったので、土地の空気が臨場感を与えてくれたと思います。

「四月怪談」を観た後は、自分の中では、
樹里は「魂を持ったまま迷い続ける役」だと思って演じていて、
生きているかどうかはあまり意識しなかったんですけど、
私の中で「樹里が命を手放すほど絶望した瞬間は
ここなんじゃないか」とはっきり感じた場面はあって、
でもそれは、きっと観るかたによって違うと思うんです。
だからこれからご覧になるかたは、つらいお話ですけど、
ぜひ樹里の心にそれぞれに寄り添って、観ていただけたら嬉しいですし、
すでに観て下さったかたは、樹里の心に寄り添いながら、
ストーリーを思い出していただけたら嬉しいです。
それが、樹里や、樹里に似た誰かを救うことに繋がるような気がしてます。

実は、この映画は原作とは少し違う部分があって、
原作は心をさらにえぐられる感じで驚いたんですけど
原作と映像化した作品の設定が違うことってよくあるので、今までは、
「原作との違いを、映像の中のどこかで埋めたいな」と思って演じることが
多かったんです。
でも赤々煉恋に関しては、違いを違いのまま受けとめて、
多世界解釈みたいな感覚で演じたんです。
この感覚も、理由はわからないんですけど今までとは違う初めての感覚で
面白かったです。

さっきも書いたんですけど、私はこの作品で、
何を伝えることが出来るんだろう?もしかしたら伝えられないかもしれない、
と思いながら演じてました。
そして、今、この間のイベントで観て下さるかたと接したり、
そのあと、観て下さる方々と一緒にスクリーンを観て思ったことは、
命を手放すことは絶対して欲しくないけど、
追い込まれるほど悩んだ人の辛さや、
のこされた人の苦しさを否定するのではなくて、
周りが寄り添えるような社会を、
出来るだけ早く作ることが大切だと、すごく強く思うんです。
これから大人になった時、
私自身も意識して、この気持ちを社会に還元したいと思ってます。

イベントでは、会場があまり広くないということもあったけど、
入った瞬間、「えっ!知っている人がいっぱいいる!」と
すごくあたたかいものを感じた瞬間でもありました。
皆さん笑顔で…でも、もしかしたら、私がこの仕事をしてなかったら、
出会わなかった方々なのかもしれない、と思うと、
こうやって気持ちをつないでくれる人がいるということが本当に嬉しくて
何度も何度も、客席を見させていただきました。

そしてこのとき私は、この作品はとても悲しい作品だけど、
樹里の未来は、ちゃんとあったんだ、と確信しました。
樹里の未来は、見てくださった方々の心の中にあるんだと思います。
私の中に樹里がずっとずっと一緒にいるように、
皆さんの心のどこかにも、樹里がちょこんと座って、
もしつらい時があったら、どうしたの?大丈夫だよ!
私を思い出して!大切なものから手を離さないで!と、
力強く、寄り添ってくれることを願います。

☆ ☆ ☆ 以上です(^-^) ☆ ☆ ☆

まだまだお伝えしたいことがあるんですけど
(共演者の方々とのこととか)
とても長くなってしまうので、次の機会にしようと思います!
ネタバレになりそうで、伝えきれないこともたくさんあるけど…
この映画を観るかたは、今は本当に少ないかもしれないけど、
バトンのように、少しずつ、何かを手渡していけたらと思ってます。

ではでは、明日も寒いと思いますが、
最近とても風邪を引いている人が増えているので、
どうかお気をつけて下さいね。
私も気をつけます(^-^)


たお