私がカウンセラーとして仕事をし始めた頃です。
私の父親が胃がんと診断されました。
会社の健診で疑いがかかり、国立病院で精密検査を受けた結果です。
父は自分一人で、検査を受け、結果も自分だけで聞きに行きました。
そして、、医師のいうことを受け止め、手術を受ける決意をしていたのです。
「手術の保証人にサインをして欲しい」
父は突然、私に依頼してきました。
私は寝耳に水。
状況を聞こうとしました。
「自分は手術を受ける」
の一点張りでした。
状況も分からないのに、サインするわけにはいきません。
そこで、会社に休みをもらって、父の診察についていきました。
「ここにがんがあります」
レントゲン写真を見せながら、医師は説明します。
「ということで、胃の4分の3を切除することが必要です」
「4分の3んもですか?」
「そうです。早めに処置をしないと危険です。すぐにでも手術をしましょう」
「ハイ」
「ハイじゃないです。ちょっと時間をもらえませんでしょうか? かえって考えたいんですけれど」
「よろしいですよ。では、次回の診察の時に」
ということで、帰路に向かいました。
父は、落ち込んだ様子でした。
やはり、がんというのはショックですよね。