新卒で、がん専門の病院に勤務することになった私。
毎日が一杯一杯でしたが、精一杯勤務していました。
しかし、日が経つにつれ、いろいろな疑問が湧いてきました。
『なんでこんなに人が亡くなるのだろう?』
がん専門の病院ですから、それは当たり前、といえば、当たり前なのかもしれません。
しかし、それにしても、数が多いような気がしていました。
一生懸命に看護を行っても、2~3日に1人は勤務していた病棟でなくなります。
病院全体では1日3人は最低でもなくなるという状況でした。
がんという病気の実態がここにあるのかもしれませんが、私的には疑問が生まれてきました。
治療しても治療しても、快復することが少なく、病状が悪くなっていくのです。
『このような医療でいいのだろうか?』
また、患者さんは話を聞いて欲しいと思っているように感じました。
しかし、医師もナースも忙しく、患者さんの話を聞いている時間がありません。
当時は、心理職というものが普及していませんでしたので、話を聞くという行為がなされていませんでした。
『この病院で仕事をするには、ナースではダメかもしれない』
私の心には引っかかりができてくるのでした。