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美しすぎる! 北川村『モネの庭』マルモッタン : 丹沢z3の気まぐれブログ

 

名前の響きが とても良いですね
長文ですが 写真が多いので 写真だけ見ても楽しめる記事でしょう

美しすぎる!「北川村『モネの庭』マルモッタン」 | ハルメク連載 (halmek.co.jp)
印象派の画家モネの世界を再現した庭園  2024.05.10 奥野多佳子 バラ愛好家

高知県にある「北川村『モネの庭』マルモッタン」をご存じですか?
印象派の画家モネが愛したフランス・ジヴェルニーの庭をモデルに作られた庭園には
あの絵の世界が広がっています
人気ガーデナー 奥野多佳子さんの目を通してご紹介します

モネの庭1

目次
1.一度訪れたかった「北川村 モネの庭 マルモッタン」
2.モネが愛した「水の庭」
3.色彩あふれる「花の庭」
4.モネが旅した「ボルディゲラの庭」
5.北川村のおいしい「食」を楽しむ
6.北川村「モネの庭 マルモッタン」情報

◆一度訪れたかった「北川村 モネの庭 マルモッタン」

モネの庭2


10年以上前から訪ねたい庭がありました
それは高知県北川村にある「北川村 モネの庭 マルモッタン」
高知市内から車で1時間半ほどの山の中にあります
そこへ 2023年5月やっと訪れることが出来ました

それほどまで行きたかったのは 世界で唯一「モネの庭」と名乗ることを
フランスのジヴェルニー庭園を管理するモネ財団から認められた庭だと知って
とても興味が湧いたからです どんな庭なんでしょう……

モネの庭3


フランスのジヴェルニーのモネの庭には20年ほど前に行きましたが
その感激は今でも覚えています
降り立って感じた透き通るような光 クリアな空気感 鮮やかな色彩に驚いたことも
モネが見ていた光は日本の それとは全く違っていたんだと その時 思ったことも覚えています

モネの庭4


◆「北川村 モネの庭 マルモッタン」が誕生するにはドラマがありました
過疎化が進む北川村は 工業団地の誘致や特産の「ゆず」のワイナリー事業の誘致など
地方創生を検討していました しかし いろいろなことからまとまらず
観光と文化の拠点づくりのための庭園を造る構想が持ち上がりました

柚子とワインの発想からフランスのモネの庭へとたどりつき
さっそく担当者がフランスのモネの庭を訪れたそうです
最初はモネの庭の関係者に会ってもらうことも叶わなかったのですが
熱意は奇跡を生むのですね
モネ財団から門外不出の「モネの庭」を名乗る許可を得ることが出来たのです

そこから庭づくりが始まります
そして構想から4年後の2000年 さまざまなハードルを乗り越えてやっと開園にこぎつけました

モネの庭5


色彩豊かなモネの庭の再現……
でもジヴェルニーと高知とでは気候も土壌も光も違うから大変なことだったと想像出来ます

「モネの庭」ブランドを得るまでも そして得てからも 試行錯誤を繰り返し努力が続きます
2~3年に1度来園する本家モネの庭の庭園責任者からのアドバイスは 今も続いているそうです

四国の小さな村が「モネ」という大きな名前を受けるのはとても誇らしいと思いました
そこには大変な努力があり 村をあげての事業を沢山の方のチームワークで乗り越え
多くのドラマが生まれ この庭が出来上がったのです それを知り大変感激しました

「北川村 モネの庭 マルモッタン」は3ヘクタールもの広さを誇る庭園
その中にある3つの庭「水の庭」「花の庭」「ボルディゲラの庭」をご紹介します

◆モネが愛した「水の庭」

モネの庭6


フランスの画家クロード・モネは、終の棲家としてジヴェルニーに移り住んだ際
自分でデザインして庭を作ったといいます
家の前には色とりどりの花が咲き乱れる「花の庭」を
そして道を隔てて「水の庭」を作りました

モネの庭7


「水の庭」には池を作り スイレンを植え 日本の浮世絵で見た太鼓橋を架け
柳や藤を植えました
モネはジャポニズムに影響を受けた画家で日本びいきだったことは良く知られています
ジヴェルニーのモネの家にも浮世絵のコレクション(もちろんレプリカですが)が
沢山 掛けられていたのを覚えています

この北川村でも池に太鼓橋を架け モネの池を再現しています
藤が咲くと きれいでしょうね 想像するだけでうれしくなってきます

モネの庭8


優しい色合いのスイレンが水面に姿を映しながら
丸い葉に身を寄せるようにしながら凛として咲いています

スイレンは午前中に咲くといいますが この池のスイレンの殆んどが
ジヴェルニーのモネの庭から株分けされたのだそうです
水面は鏡となって空と木々と草花を映し そして揺らめく……いい雰囲気!

モネの庭9


モネは池を手入れする庭師を雇って 朝早い内に小さなボートで
水草やスイレンの古い葉などを除いたり花びらの上のほこりを取ったり
水面をきれいにしていたそうです 大変なこだわりです

モネにとって池はキャンバス 毎朝絵を描くようにスイレンを整えていたんでしょうね
モネが描こうとした水面は モネ自身が作り上げたものでした

モネの庭10


その思いを受け継いで モネの庭でも週に一度 火曜日に スイレンのお手入れをして
水面をきれいにしているそうです
私が訪れた日は ちょうどその日で 古い葉や池の底などをお掃除されていました
タイミング良く見ることが出来て良かった!

スイレンは池に植えるだけでは秩序なく広がるので 古い葉を取り除き
スイレンの葉が散らばらないように丸い形に集めるよう気を配っているそうです

モネの庭11


淡いピンクや白のスイレンが多かったのですが
実はモネは どうしてもブルーのスイレンを咲かせたかったそうです

気温の低いジヴェルニーでは夢が叶わなかったのですが
この高知で咲かせることに成功したそうです
それにはフランスにある水生植物園から苗を持ち返り大切に育てたということでした

私が行った時は青いスイレンは見られなかったので残念でしたが
6月下旬から10月頃まで見ることが出来るそうです

丁寧なお手入れのおかげで水面に映り込む景色……素敵です

モネの庭12


池の周りをぐるっと回ると 小径が交差するところに4つのアーチがあって
赤いランブラーのバラが咲いていました ここが一番人気の場所でした

モネの庭13

 

モネの庭14


両サイドから伸びたキングとエクセルサが華やかです
池の水面のすぐそばまで行けるので気持ちが良くて 見るとメダカがいっぱい泳いでいます
人気の緑のベンチは さっきまで子どもたちが座って写生をしていました

モネの庭15


そして所々に この場所の風景を描いたモネの絵が置かれています
いいですね モネが見ていたのと同じような風景が見れるって!

モネの庭16


水面は光や見る角度でずいぶん色が変ります

モネの庭17


深い色合いは モネが絵にした色そっくり

モネの庭18


池の周りにはバラ ポピー ジキタリス ユリなど さまざまな花が自然な雰囲気で咲いていました
モネが愛した「水の庭」 こだわり満載でした

◆色彩あふれる「花の庭」

モネの庭19


楽しみにしていた花の庭!  5連のアーチは大迫力です
バラはランブラーが多いのか蕾(つぼみ)が いっぱいでまだ満開には早かったようです
(2023年5月17日来園)

フランス・ジヴェルニーの庭もアーチの下草は黄色やオレンジでしたが
ここはナスタチュームが満開 ピンクのバラたちとふんわり柔らかな雰囲気です
このアーチを階段の上から眺めると 深い山に囲まれた庭だと分かって
ちょっと新鮮な感覚でした

モネの庭20

 

モネの庭21


花の種類や数はどれほどでしょう……びっくりするほどのボリューム感!
緑の中に筆でトントンとさまざまな絵の具を置くように 鮮やかな色彩であふれています
花の色合わせもグラデーションがついていて とてもきれいです

モネの庭22


花壇ごとに花色が変っていたり どの花も光を燦燦と浴びて生き生きしています
小さなアーチのバラは満開! かわいい色合いです

モネの庭24


左の少し濃いバラはピンクグルーテンドルスト 右はツクシイバラ
ツクシイバラは沢山 植えられていて 訪れた日は満開でした

モネの庭25


バラもいろんな種類があって 蕾も多かったので これからどんどん咲いていきますね
画像の左上から右回りに ムタビリス ニュードーン モーテマサックラー シンデレラ
ムタビリスは初めて見ましたが 咲き始めはアプリコットで濃いピンクに色変するバラです
一重なのでクルンクルンと動きがあってすごく魅力的でした

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フローラルホールのバラ ポールズヒマラヤンムスクも満開!

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モネの庭28


「花の庭」は鮮やかな色彩で満たされていました

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「花の庭」や「水の庭」からポピーが一面に咲く丘を越えると「ボルディゲラの庭」です

◆モネが旅した「ボルディゲラの庭」
モネは43歳の時 ルノワールと地中海の街ボルディゲラを旅しています
美しい空と海 そして光にあふれた風景をモネは気に入って何度か訪れ
30点以上の作品を描きました
フランス北部のジヴェルニーとは違う地中海地方の空気感や暖かさに
モネは刺激を受けたのでしょうか

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そんな創作活動の重要なポイントにもなったボルディゲラをモネの作品から発想した庭に
しようと スタッフの方が現地を視察して再び新しい庭作りの始まり

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瀬戸内から運んだ数千トンの石を積み高低差をつけ
アガべなどの乾燥に強い植物が多いため土壌改良をし
北川村の気候や地形も生かしてボルディゲラの庭は開園20周年の記念として2020年に完成

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オリーブはスペインから取り寄せたそうですが
ヤシの木は廃校となった小学校や北川村の周辺から集められ
そして柚子の木なども植えられています

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石積みの中にも明るい花が沢山 咲いています 赤いランブラーエクセルサがポイントに

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赤いセントランサスや いろいろなところで咲いていた黄色いレダマ

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そしてアガベやユッカがいっぱい 地中海の乾いた空気感が生まれて
「花の庭」や「水の庭」とは全く違った世界観があります

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小径を登ると小高い丘に建つ小屋が見えます

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カフェ「リヴィエラの小屋」ここで ひと休みです!

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モネが描いた風景をモデルに植栽されていて小屋からは太平洋が眺められます

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ピンクのワトソニアも沢山 咲いていました
これだけの数のリュウゼツランやヤシがのびのび植栽されている地中海風の庭は
あまりお目にかかれないので 面白くてなんだかワクワクしました 楽しかった!

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◆北川村のおいしい「食」を楽しむ
3つの庭を見る楽しみの他に 北川村の食を楽しむことが出来ます

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「花の庭」エリアにある大きなハウスには レストランやギャラリーがあります

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「カフェ モネの家」でランチをしました
ここでは北川村の食材を生かしたメニューが沢山ありました(税込 ※2023年5月)

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私はモネのヴィーガンプレート ちらし寿司 1600円
お肉やお魚を使っていなくて北川村の新鮮なお野菜などを使った田舎風ちらし寿司でした
旦那さんは米ヶ岡鶏のソテー 柚子ソース 1500円

どちらもとってもおいしかったし 量もたっぷりだったのでお腹いっぱいになりました
ヴィーガンプレートには高知県産の和紅茶がセットされていて それもおいしかったです

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カフェの横にはパン工房もあります 柚子の入ったパンやシフォンケーキがあって
ほんのり柚子の香りですごくおいしい!  柚子 大好きなんです

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さわやかな柚子果汁とハチミツの甘さがミックスした柚子ドリンク
実は今だにお取り寄せしています あっさりとしておいしい!

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ギャラリーの1Fにはショップもありました 写真提供:北川村「モネの庭」マルモッタン

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エントランスや駐車場前のチケット売場はおしゃれで素敵! 思わず近づいてしまいました

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こだわり満載のお庭でした アクセスのあまりよくない場所に
こんなに こだわりのある庭園があるなんて びっくりでした

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モネは自然を愛し 庭やキャンバスの上に鮮やかな色彩の世界を創りました
昔からモネは大好きな画家でしたが いくら展覧会を見ても異国の遠い存在でした

でもモネが苦労して作り出した庭がこの北川村で再現されて
モネが見た同じような視線で時を越えて見て楽しむことが出来る……
そんな思いで過ごせるのがうれしくて 少しモネを近くに感じることが出来たかもしれません

また違う季節に モネが見た同じような景色を見に来たいですね

◆北川村「モネの庭 マルモッタン」情報
〒781-6441 高知県安芸郡北川村野友甲1100番地
開園時間:9時~17時(最終入園時間は16時30分)
休園日:6月~10月の第1水曜日 12月1日~2月末日
入場料:一般1000円(税込)