私のLivedoorブログのコピーです

睡眠「成人は6時間以上」新ガイドは日本人の眠りを変えられるか : 丹沢z3の気まぐれブログ

 

睡眠は疲労回復 健康維持には欠かせない重要な要因
しかし 日本では睡眠不足の傾向が強く 改善が必要のようです

睡眠「成人は6時間以上」新ガイドは日本人の眠りを変えられるか | 毎日新聞 (mainichi.jp)
2024/3/2 16:31  毎日新聞 足立旬子

睡眠中の状態を調べる検査室

=福岡県久留米市の久留米大病院で2024年1月21日 撮影

睡眠ガイドライン1


「成人の睡眠時間は6時間以上が目安」厚生労働省が2月に公表した
健康づくりのための新たな睡眠ガイドで そんな基準が示された
ガイドのまとめに携わった有識者検討会の座長は
「日本では これまで睡眠が軽視されてきた」と指摘する 国民の眠りは変るのか

新たな睡眠ガイド案が東京都内で開かれた検討会で了承されたのは2023年12月
検討会座長で日本睡眠学会理事長の内村直尚 久留米大学長(神経精神医学)は
出席した委員の前で 「すばらしい内容のものが出来た

これをいかに一般国民の方に普及啓発するかが大切だ」

内村直尚 久留米大学長=福岡県久留米市で2024年1月11日

睡眠ガイドライン5


厚労省が睡眠に関する目安をまとめるのは初めてではない
14年に策定された「睡眠指針」でも
「良い睡眠は 生活習慣病予防につながる」など12カ条を掲げ
適切な睡眠時間の確保や質の改善を呼びかけた

新たなガイドでは お勧めする睡眠時間を世代別に細かく示したことが
これまでに無かった大きな特徴だ 成人以外では

「1~2歳は11~14時間」「3~5歳は10~13時間」「小学生は9~12時間」
「中高生は8~10時間」「高齢者は床上の時間が8時間以上にならないこと」

睡眠ガイドライン2


新たなガイド策定の背景には 日本が抱える睡眠の課題がある

13年に始まった政府の健康づくり計画「健康日本21(第2次)」で
睡眠に関する数値目標が設定されている
09年の厚労省の調査では「ここ1カ月 睡眠で休養を十分取れているか」という質問に
「あまり取れていない」「まったく取れていない」と答える人が18・4%いた
これを約10年後の22年度に15%まで減らすとしたが
目標に近づくどころか 途中の18年で21・7%に増加した

睡眠時間が短い傾向は 経済協力開発機構(OECD)が33カ国を対象に

実施した調査(21年)にも表れている
日本人の平均睡眠時間は7時間22分で 最も短く

全体の平均8時間28分と比べると1時間以上の差

別の調査では

睡眠ガイドライン3


成人を「6時間以上」としたのは  睡眠が極端に短いと

肥満や糖尿病 うつ病などの発症リスクが高まると最近の研究で分かった
より長い睡眠を子どもに勧めるのは 心身の発達に欠かせない成長ホルモンが
深い睡眠中に分泌されるからだという

逆に 高齢者の「寝過ぎ」には警鐘を鳴らす 9時間以上の睡眠で
アルツハイマー病の発症リスクが増加するという最新の研究成果などを踏まえた
内村さんは「長く床についていると生活習慣病やうつ病 認知症になりやすく
長生き出来ないというメッセージを込めた」

睡眠時間とともにガイドで重視したのが 目覚めた時に体が休まったと感じることで
「日中に出来るだけ日光を浴びると 体内時計が調節されて入眠しやすくなる」
「寝室にはスマートフォンなどを持ち込まず

出来るだけ暗くして寝ると良い睡眠につながる」などとポイントを紹介している
内村さんは「日本人は戦後 睡眠時間を削って働いたり 勉強したりすることで
経済成長や教育のレベルを高めた そのツケが今やってきている
平均寿命は長いが 健康寿命は長くない 幸福度も低い ここで見直す必要がある」

睡眠環境などを改善しても寝付きが良くならない場合
不眠症や睡眠時無呼吸症候群

寝る際に脚に不快な症状が出る「むずむず脚症候群」などの睡眠障害が疑われる

ガイドでは こうしたケースは速やかな医療機関の受診を求めている
だが 睡眠の専門医は全国に約600人しかいない
専門の医療機関は約100カ所あるが大都市に偏っている

近くに専門医がいたとしても 医療機関は看板などに「睡眠科」を掲げられないため
受診先を探しにくいという課題もある
診療科の名称に関するルールは 患者が病状にあった医療機関を選べるよう
医療法の施行令で細かく定められている 「睡眠科」は認められていない

東京慈恵会医科大 葛飾医療センター精神神経科の山寺亘教授は
「眠りに困っている人たちが どこに行けばいいかすごく迷ってしまうことが問題だ」
不眠症やナルコレプシー(過眠症)の患者は精神科
無呼吸症候群の患者は呼吸器内科や耳鼻科 循環器内科 歯科
子どもの場合は小児科などを受診することが多いという

日本睡眠学会は睡眠医療への受診機会を増やそうと
医療法施行令で「睡眠科」を認めるよう厚労省に働きかけている
ただ 厚労省と関係学会などとの議論が不十分で まだ認められていない
山寺さんは「睡眠に医療的な問題を抱えている人たちが
適切な治療を受けられない『睡眠難民』にならないよう
受け入れ態勢を整備することが必要だ」と訴えた