とうとう、娘がバイトした。


大学一年生なんだから、アタリマエのこと。


と言っても、どこぞのお店にお世話になったワケではない。


所属する吹奏楽部が、中学生のコンクールのお手伝いを依頼されたとのこと。


日給8000円。


アレ?


これは、所謂、バイトではないか。


でも、一応、働いて、お金を頂く、人生初の機会ってことで。


朝、5時半に起きると、もう娘は居なかった。


東京で行われるため、始発らしい。


奥さんが車で駅まで送って行って、いつも乗る私鉄ではなく、高級JRで行かないと間に合わないため、奥さんから、交通費のカンパを貰って、出発したらしい。


バイトに行くのも一苦労。


僕も、思い出すなぁ、初バイト。


たしか、あれは、高1の冬。


正月の上野か、神田。


マグロを買い求める客を朝から晩まで店の横に整列させる仕事。


1万円以上、もらったんじゃないか。


仕事を終えると、魚屋の親方みたいな人に、僕たちガキは喫茶店へ連れて行かれて、そこで、労いの言葉を頂きつつ、封筒に入れられたお給与を頂いたっけ。


懐かしい。


娘も、鮮明に、今日の記憶は残るのかな。


まだ、帰ってきてない。