ここ数年で、今年ほど、新譜を聴かなかった年はあるまい。

僕の音楽ライフを紐解けば、1989年に美空ひばりの曲にはまったことをきっかけに、歌謡曲を聴くようになったことに始まる。

その頃、中学生だった僕は、すでに感動屋と凝り性の両輪を惜しむことなく発揮していて、「人生一路」や「裏窓」といったオリジナルから、「マイウェイ」などの訳詞曲まで、2年程度で8割方、TV番組を通してだけど、音源を収集し、うっとりしていた。

今、朝ドラで、趣里ちゃんが、暖かみのある歌声を劇中で披露しているけど、美空ひばりの鋭くない柔らかで艶のある歌唱に心、掴まれたのだと思う。

そのエネルギーは、1991年以降、槇原敬之との出会いで、完全にJ-POPに振り向けられ、今に至る。

マッキー以外にもKANさんやチャゲアス、小田和正や楠瀬誠志郎、くま井ゆう子、谷村有美、石川よしひろや加藤いづみちゃん、ドリカム、米米CLUB等の曲を好んで聴いていて、そうした感じが大学生までは続くが、1998年以降、仕事をするようになってからは、すっかりマッキーだけ、聴くようになっていた。

それは、一つには、狂ったように槇原敬之が好きだったことがある。

特に、2000年の『太陽』以降は、より僕自身のマッキー濃度が高くなってしまったことは否めないのだが、徐々に、90年代売れていた人達のリリースの間隔があくようになってきたからだ。

今のJ-POP界にも言えることだが、5年、さらに10年と、ずっとシングルやアルバムなどを出し続けることは難しい。

だって、ある程度ヒットを出し続けないと、リリースする機会さえ、なかなか得られないのだから。

そういう意味で言うと、槇原敬之は、すごかった。

「世界に一つだけの花」「僕が一番欲しかったもの」「チキンライス」「約束の場所」など、提供曲を通じてということはあるが、2000年以降も、誰しもが聴いたことのある、口ずさめる曲をリリースしている。

そして、僕は、槇原敬之しか聴かない身体になってしまった。

が。

2012年に大きく事態が動いた。

大きな人事異動により、土日も休み、残業一切なく、8時半出勤、17時完全退勤という、僕にとっては、ストレス過多な部署に転勤させられたのである。

肩書きは、偉そうだったので、出世して良かったね、という人も居たが、僕は、人前で、喋りまくったり、踊りまくったり、歌い狂ったりすることで、我が人生の歯車を回してきた所が大きかったので、その転勤は、死に等しかった。

今も、そうならないことを、常に、神に祈っている。

人事の神に。

で、その年、あまりに暇が出来たので、ラジオや、テレビの音楽番組なぞを視聴するようになって、色んなアーティストに出会うことになる。

2012年の頃、僕に届いてきたのは、aiko、家入レオ、西野カナ、miwa、JUJU、Perfume、BUMP OF CHICKEN、フラワーカンパニーズなどである。

その後、Leola、SHISHAMOなどの楽曲もよく聴くように。

僕は、主として、それまでは男性ボーカル中心に聴いてきたのだが、この頃から女性ボーカルも聴き心地のよさから、色々と聴くようになって聴く曲数も増えたと思う。

そして、僕は1991年から、1997年くらいまで、僕がその年に出会ったベストな曲達による150分テープ2本編集作業を、16年ぶり位に再開し、2012年以降、高校生の頃のようにオリジナルカセットを作ってきたのである。(実際はiTunesでだけど)

だいたい毎年、200曲くらいの出会いがあったと思う。

毎月、新しい曲をTSUTAYAで借りてはカセットに落としていた。

けれども、僕の町からレンタルCDショップがなくなり、iTunesで新曲は買うようになり、徐々に毎年出会う曲は減ってきて、、、。

というか、あまり、これといった心に響く曲との出会いが、やたら少なくなってきたのである。

特に今年が顕著で、なんと、ほぼこの2023年は1年を通して、1度もオリジナルカセットの更新をしなかったと思う。

新しい曲は、イイ曲だなと思ったものをちょいちょい、iTunesで買ってはいたけど、それで、大幅に、編集し直すことはせず。

今年は、マッキーの新譜リリースはなかったのに、マッキーばかり聴いていた気がする。

うーん。

僕にとっての第二次J-POP氷河期なのか。

来年は、このベストテープの作成すら難しいかも。

僕好みのアーティスト、楽曲との出会いを祈るばかりである。

むりくり作った今年のラインナップは以下。



A面     
                                   
01.シーナリー( 石川よしひろ )
02.邂逅( 石崎ひゅーい )
03.勇者( YOASOBI )
04.UP TO ME!( Little Glee Monster  )
05.シューティングスター( 家入レオ  )
06.Whatever Comes( TM NETWORK )
07.怪獣のサイズ( back number )
08.もう恋なんてしない (槇原ドリルRemix)( CHOBO CURRY )
09.二人だけのクリスマス (2023 Version)( 石川よしひろ  )
10.ただいま feat. EXILE NESMITH( Leola )
11.ひまわり (Love & Peace ver.)( TUBE )
12.空っぽ( miwa )
13.くぐりぬけて見れば( ASKA )
14.Call me back( 松任谷由実 with 荒井由実 )
15.案山子( 槇原敬之 )


     
B面                
16.僕のwonderful world( ASKA )
17.ジャスティス( 石川よしひろ )
18.アイドル( YOASOBI )
19.BakuBaku( Gacharic Spin )
20.BINKAN( 家入レオ )
21.ハルノオト( miwa )
22.拝啓、少年よ( Hump Back )
23.クラスメイト( Mr.Children )
24.いつかまた会える (30th Anniversary Version)( 石川よしひろ )
25.そのままで…( 福山雅治 )
26.what's your message ?( 小田和正 )
27.地球という名の都 (feat. ASKA)( SawanoHiroyuki[nZk] )
28.Fifty's map ~おとなの地図( Mr.Children )
29.明日への卒業 (30th Anniversary Version)( 石川よしひろ )
30.KANのChristmas Song2023( KAN with His Friends  )