さて、今年も、いよいよ共通テストが始まるね。

あと3時間後には、1時間目の日本史Bが始まっています。

まぁ、世界史Bの人もいれば、政治経済や倫理、現代社会の人、はたまた日本史Aを第1解答科目で受けている人もいるかも知れないけど。

僕は日本史Bを生業としているので、今年も直前、出題予測です。

2021年が共通テスト初年度でした。

平均点は、64.2点。

それまでのセンター試験と比べて、あまり変わらない平均点でしたね。

で、昨年、2022年、共通テスト2年目。

平均点は52.8点。

これは、過去10年間で見ても、もっとも低い平均点でした。

って言うか低すぎる。

10年間でイチバン低いのが2017年の59.2だったのに、それより6.4点も低いのです。

でも、まぁ、作問している大学入試センターは、共通テストの平均点を5割程度(センター試験は6割が目安)にすると言っていたので、予定通りだったのかも知れませんが、2022年について、世界史が66点、地理が59点だったことを考えれば、世界史・地理を難化させるのと同時に、日本史は、少し、平易にしないと、得点があまりに開きすぎてしまいます。

なので、今年の日本史は、昨年よりは、易化すると予想。

ですから、取りこぼしが禁物です。

全32問中、日本史の知識、、、と言うよりも、単に資料を読んで思考を働かせて解く問題が、昨年は14問程度ありました。

これ、日本史用語の知識がなくても解けるじゃん、、、って。

そういうのは、落ち着いて取り組めばいいんです。

そこに、落ち着いて取り組む時間を確保するためにも、日本史用語の知識だけで解く問題は、スパスパ解いていかないと。

相変わらず、そういう知識系重視の問題も共通テスト2年目の昨年ですら18問出ています。

つまり半分以上は、暗記してきた知識で解くんです。

では、恒例の、共通テスト日本史B出題予測をしていきましょう。

例年、32題の出題に対して、この知識があれば解けたなーって言うのをカウントしていくと、その知識の数は100程度です。

例えば、昨年の共通テスト日本史B、問題番号3

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問3.近世に活躍したて人物の名前に関して述べた次の文Ⅰ~Ⅲについて、古いものから年代順に正しく配列したものを、後の①~⑥のうちから一つ選べ。

Ⅰ.武士の出身であり、本名を杉森信盛といったが、作家としては近松門左衛門と名乗った。
Ⅱ.太郎左衛門を襲名した江川太郎左衛門英竜(号は坦庵)が、伊豆韮山に反射炉を築いた。
Ⅲ.日本に漂着したイギリス人のウィリアム=アダムズは、三浦半島に領地を与えられて三浦按針と名乗り、幕府の外交・貿易顧問をつとめた。

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この問題を解くのに必要な知識は3つ。

近松門左衛門=元禄文化=5代徳川綱吉の頃

江川太郎左衛門=幕末の頃=13代家定の頃

三浦按針=初代家康の外交顧問

これで、将軍ごとの順番で並べ替えができますね。

つまり、例えば、こうした1つの並べ替えの問題において、万全に解くために、3つの知識が必要ってこと。

すると、全体で32問あるので、だいたい毎年100くらいの知識が必要になってくるっていうカウント方式です。

さぁ、今年は、どんな知識を身に付けておいた方が良さそうなのか。

そのチェックしておくべき知識100を時代順に追っていきましょう。

まず、昨年は出題されず、今年、出題される可能性が高い時代から。

① 旧石器・縄文・弥生時代

でも、さほど出題量は多くないでしょう。

ポイントは、「時代」を言えるか?

1.細石器は、旧石器時代

2.ナイフ形石器や尖頭器も旧石器時代

3.骨角器は縄文時代

4.黒曜石も縄文時代

5.縄文土器は6期に区分される。

6.機織り技術は弥生時代

7.高坏は弥生土器

あと、知識的な所をあげると、

8.弥生時代の、岡山の、楯築墳丘墓

9.弥生時代の、山陰地方の、四隅突出型墳丘墓

の区別もね。

そして、

② 奈良時代

2022年、全く出ませんでした。

2023年は出るでしょ。

10.平城京の条坊制について、右京と左京、外京、長屋王邸(木簡)、市の位置

11.恭仁京と国分寺建立の詔

12.紫香楽宮と大仏造立の詔

13.三世一身法と墾田永年私財法、加墾禁止令、初期荘園

そして、

③ 鎌倉時代。

2022年は出題1。

今年は、もう少し出るよね。

14.鎌倉幕府の職制(侍所・公文所・問注所・奥州総奉行)

15.守護と地頭の職務

16.梶原景時、比企能員、畠山重忠、和田義盛、実朝の滅亡から承久の乱にかけて

17.騎射三物(流鏑馬・笠懸・犬追物)

18.北条泰時と評定衆

19.北条時頼と引付衆

20.北条時頼と三浦泰村の宝治合戦

21.平頼綱と安達泰盛の霜月騒動

22.北条貞時と永仁の徳政令

23.分割相続と嫡子単独相続

24.荏胡麻は灯油に

25.借上は鎌倉時代の金融業者

26.長船長光は刀剣

ここまで見てきたように、飛鳥とか奈良とか鎌倉時代は、まったく出題されない年もあります。

でも、江戸、明治、大正、昭和が出題されない年はありません。

ここは、最後、重点的にやるべきでしょう。

④ 江戸時代

27.江戸開幕~豊臣家滅亡(方広寺など)

28.鎖国の成立過程(1612~1641・88)

29.江戸前期の農村政策(勝手作、永代売買、分地の制限や禁止)

30.大坂の市(堂島、雑魚場、天満)

31.農具(千歯扱など)と農書(農業全書など)

32.蔵物と納屋物、在郷商人の役割

33.両替商と札差の役割

34.三井高利は越後屋(呉服商)

35.海路のルートと河村瑞賢<1672>

36.越後縮と奈良晒は麻織物

37.徳川家綱の末期養子の禁緩和で改易減少

38.徳川家綱の頃に明暦の大火、綱吉の頃に復興で財政難

39.徳川綱吉が湯島聖堂、聖堂学問所

40.徳川綱吉と木下順庵、前田綱紀

41.長崎貿易と中国向け俵物

42.享保の改革では甘藷栽培が奨励された(青木昆陽)

43.松平定信と寛政異学の禁(聖堂学問所は朱子学のみ)

44.大坂の大塩平八郎と越後の生田万

45.薩摩の調所広郷による藩財政立て直し(琉球黒砂糖専売、密貿易)

46.秋田藩の佐竹義和による専売制と藩校

47.列強接近の流れ(1792-1842)

48.桜田門外の変と坂下門外の変

49.文久の改革と生麦事件

50.薩英戦争と四国艦隊下関砲撃事件


以上、前近代で50項目。

そして、近現代です。


⑤ 明治時代

51.知藩事と府知事・県令

52.明治初期に屯田兵を設置(士族授産)

53.西南戦争と内国勧業博覧会、立志社建白

54.渋沢栄一と国立銀行

55.岩崎弥太郎と三菱

56.前島密と郵便制度

57.江藤新平の佐賀の乱

58.板垣退助と木戸孝允、愛国社と大阪会議

59.国会期成同盟と集会条例

60.自由党、立憲改進党、立憲帝政党の設立者、設立時期

61.大同団結運動、三大事件建白運動と保安条例

62.枢密院と大日本帝国憲法、皇室典範

63.立志社の植木枝盛『東洋大日本国国憲按』

64.市制・町村制と府県制・郡制

65.初期議会

66.義和団事件と北京議定書

67.臥雲辰致のガラ紡

68.韓国併合過程(1904・05・06・07・09・10)

69.五・四運動と三・一独立運動

70.大隈外相の時に外国人判事任用案

⑥ 大正・昭和時代

71.第一次護憲運動(西園寺公望、桂太郎、尾崎行雄、犬養毅、山北有朋)

72.第一次世界大戦(二十一ヵ条要求、石井・ランシング協定、シベリア出兵)

73.国際連盟の設立(アメリカ不参加、日本は常任理事国)

74.猪苗代湖の水力発電-東京へ送電は大正時代

75.成金と河上肇『貧乏物語』

76.ワシントン会議(四カ国条約・海軍軍縮条約・九カ国条約、日英同盟破棄、山東返還)

77.シベリア撤兵<1922>、日ソ基本条約<1925>

78.憲政の常道(立憲政友会・立憲民政党)

79.田中義一(立憲政友会)と特別高等警察<1928>

80.田中義一(立憲政友会)とパリ不戦条約

81.浜口雄幸(立憲民政党)とロンドン海軍軍縮条約

82.恐慌の流れ(1920・23・27・29・30・31)

83.浜口雄幸と金解禁、重要産業統制法

84.理化学研究所の研究成果を理研コンツェルンが工業化(新興財閥)

85.1930年代、重化学工業が軽工業を上回る

86.五・一五事件~二・二六事件までの政治情勢

⑦ 戦後史

87.教育勅語の廃止と教育基本法・学校教育法の制定

88.戦後、都道府県知事は公選制になった(地方自治法)

89.芦田均内閣の時、昭和電工事件

90.吉田茂内閣の時、極東国際軍事裁判で東条英機ら絞首刑、インドのパル判事は反対

91.レッドパージは共産主義者の追放(逆コース)

92.警察予備隊・保安隊・自衛隊(〈1950・52・54〉)

93.吉田茂と日米安全保障条約、岸信介と新安保(〈1951・60〉)

94.公職追放解除の鳩山一郎が日ソ共同宣言で国際連合加盟〈1956〉

95.佐藤栄作内閣の時、ベトナム戦争激化と日韓基本条約〈1965〉

96.石炭から石油へ日本のエネルギー革命〈1950年代~1960年代〉

97.奄美大島、小笠原、沖縄返還(〈1953・68・72〉)

98.オイルショック対策の第1回サミット〈1975〉と、円高誘導のプラザ合意〈1985〉

99.ニクソンショックはドルショック〈1971〉、訪中ショック〈1972〉

100.三木武夫内閣の時、ロッキード事件で前首相田中角栄逮捕〈1976〉

さて、最後に文化史です。

100を越えてしまいましたが。

昨年は3問程度しか出題されませんでしたが、例年6問程度は出題されています。

今年は5問は出るのでは。

⑧ 文化史

昨年、出題がなかったのが、院政期、室町、寛永期の文化。

復習しておくべき。

101.『鳥獣戯画』、『源氏物語絵巻』、『扇面古写経』は、院政期の文化

102.後白河法皇による今様の作品集が『梁塵秘抄』

103.法勝寺、中尊寺金色堂、白水阿弥陀堂も院政期の文化

104.二条良基の『応安新式』は室町時代、連歌の規則書

105.雪舟は水墨画を大成

106.村田珠光は侘茶を創始

107.一条兼良は『樵談治要』を将軍足利義尚に献上

108.大徳寺大仙院の庭園は枯山水

109.林羅山・林鵞峰が神代~後陽成までの日本の歴史『本朝通鑑』を編纂

110.桂離宮、修学院離宮は数寄屋造

111.土佐光起は土佐派を復興し、朝廷の絵所預に

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さて、ここから何問でるかな。

問題早く見て、解答速報つくりたい。