ちょっと怖いお話ですよ | 狸山齋狸宇婆の徒然草

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徒然なるままに、日暮らし硯に向かいて… 硯ではなくキーボードですが、心に浮かぶよしなしごとをそこはかとなく書き綴って見たいと思います。

  こんにちは!! お話婆ですよ。

この所急に暑くなってきたようじゃの。

今日は、ちょっと涼しくなるお話をしましょうかね。

 

タヌちゃんの育った所のお稲荷さんのお話じゃよ。

 

タヌちゃんの通っていた小学校の隣に八幡様があるのじゃが、その境内に

「門田稲荷神社」というお稲荷さんが祀られておるんじゃ。

ご祭神は倉稲魂神(うかのみたまのかみ)という神様なんじゃよ。

狐さんは祀られているのではなく、神様のお使い、神使なんじゃ。

 

このお稲荷さんのもう一つの呼び名が、「縁切り稲荷」さんというのじゃ。

タヌちゃんが小学校へ通っていた頃は、藪の中に古いお堂があるだけのお稲荷さんじゃったと。

ある日の学校帰りに、タヌちゃんはこのお稲荷さんに熱心にお参りをしている女の人を見たんじゃ。

家に帰っておばあちゃんに話したところ、

「もし、またそういう人を見掛けても見ない振りをするんだよ。きっとお稲荷さんに、頼み事を

 していたんだろうから。」

と言われたそうじゃよ。

その古いお堂には格子戸があり、そこに長い髪が良く結ばれていたそうじゃ。

願いが叶った人がお礼の為に備えたそうじゃ。

 

 

今は整備されて明るい雰囲気のお稲荷さんになっているそうじゃが、タヌちゃんはやっぱり何かを

感じるそうじゃよ。

テレビでも何度も放送されているし、神社関連の雑誌にも強力な縁切りの神社として掲載されているんじゃよ。

勿論、男女・親子の縁切りだけではなく、最近ではお酒やタバコ、病気の縁切りも効果があると評判なんじゃ。

 

今はもうそのようなことはないのかもしれないのじゃが、タヌちゃんの子供頃は、結婚式や七五三という

お祝い事の時に八幡様へお参りに行くときに、このお稲荷さんの前を通らないようにしたそうじゃ。

今でも、その迂回の道は残っているそうじゃよ。

 

昔の女の人は一度結婚したなら離婚も出来ず、ただ神様に祈るしかなかったんじゃな。

しかし…

今でも、呪いのようなおどろおどろしい言葉の書かれた絵馬が奉納されていんじゃよ。

藁人形にびっしりとまち針を刺したものもあったとか。

いつの世も、人の思いは同じなのかもしれんな~

 

タヌちゃんのおばあちゃんが言っていたそうじゃ。

「縁切り稲荷さんには、絶対にお参りをしてはいけないよ。誰かを呪えば自分に返ってくるんだから」と。