太田真嗣・NHK解説委の講演!


四街道市憲法改正推進市民の会の第10回勉強会で、
NHK政治担当解説委員である、太田真嗣さんの講演でした。
日曜討論の司会などもされている方ですね。


「記者から見た国会の憲法改正事情」
というテーマで、裏話も含めて、大変客観的かつ現実的な状況がわかり、非常に勉強になりました。
やはり現場第一線の方の話は極めて有効ですね。今後も学び、活かします!






●これまで

世論調査だと、平成5年から改正必要派が不要派を上回り、平成17年頃は必要派は45%上回っていた。
いまは僅差だが、一貫して必要派が上回っている。






戦後長らく憲法改正問題は、政党にとってもアキレス腱だった。
小泉総理のとき、自衛隊は軍隊だ、と初めて明言。第一印象は、言っちゃった〜だったが、しかし皆がわかっていたことを言ったと、納得もあった。戦後長く日本国民にかけられていた魔法が解けた瞬間。


憲法調査会は、与野党一致して報告書を出す。
報告書の中身は賛否両論載せてるが、与野党共に載せて提出しているのは大きな前進と感じた。


憲法調査会は、与野党の仲の良いグループ。
国民投票法案は、与野党でほとんどまとまっていた。
しかし「憲法記念日までに、野党は反対しても、成立させる」と発言をして、野党が反発、廃案になった。与野党担当者とも悔しがっていた。


憲法調査会は、中山方式…与野党の合意を最優先していた。
ゆえに、とりあえずできるところ、合意できるところから議論、となった?
その結果、政治のパワーを持たず、政局に流された。




●いまの現状

安倍政権…
一次のときはロマンチスト。
二次のときはリアリスト。


一次では、美しい国、戦後レジームからの脱却。防衛省格上げや教育基本法。重要だが賛否わかれるテーマに、正面衝突。

二次では、デフレ脱却、アベノミクス。働きかた改革や女性活躍など、反対し難いことに手堅く取り組む。
無理はしない、現実的な政権運営に徹しており、長期政権につながっている。


今国会でも改正議論は進まないだろう。
格好の政治の取引材料だから。
5/3の憲法記念日に、総理の前向きな発言をすると、野党が反発し、与野党審議が遅れる。
そこで、与野党の国対委員長が話し合い…
野党側は、重要法案審議に応じる。
与党は、憲法審議を進めない。
で、合意。


安倍総理が憲法改正を声高に主張するほど、政治材料の価値が高まり、与野党にとってもめる。
仮に、国会で多数決で通しても、国民投票で厳しくなる。


2016年、イタリア憲法改正。
国会では与野党合意したが、レンツィ首相が否決されたら辞任といい、野党も反対派になった。レンツィの信任投票化した。
キャメロン首相のEU離脱も。大阪都構想も。






安倍総理は、一次と比べれば無理してないが、熱意を持ってるのは間違いない。
岸田政調会長なども、改正派へ。
しかし総理としては歯痒いだろう。
しかし総理が熱心になればなるほど、野党が反発する。安倍だから良いvs安倍だから悪い、となる。


国会が憲法議論深めるには…?
皇室典範特例法審議のときが参考になる。
通常と違い、政府が法案提出すると共に国会側も提出する。
衆参議長のもとで、議長公邸で、各会派1人だして、議論した。
国会でやるとどうしても与野党激突してしまう。


ただ、政局に切り離せばいいわけでもない。
皇位は非常にセンシティブだが、それ以上に、
陛下が高齢だった緊急性や、
世論の8割が認める、などがあったから、野党を引き込めた。


今後、改正するなら…
なんで今なの? 緊急性ある?
それから始めないと、イデオロギー対立が残るので、難しい。


国民の意識は?
きれいに3分割。
本当に改正論議を進めるなら、どの党派でも、世論喚起が必要。緊急性、世論後押し。




国民投票法案が、1.5年、継続審議となっている。
これは問題。
この整備は、憲法改正の是非ではなく、憲法を国民に取り戻すかどうか。
改正しなくても、それができる環境を整備するのは、必須。


地方自治体で、憲法を扱う集会を、禁止する動きがあるが、とんでもない。






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