火曜水曜と、香川県および岡山県に、旅券発給業務の視察に行ってきました。



パスポートの発給は、県の所管であり、先行している優れた他県もあり、論点が多いです。

・日曜発給の可否

・市町村への移譲の可否

・外部委託、業務改革の余地

・早期発給の実態と是非



両県とも、地方分権改革や、アウトバウンドマーケットに注目して、取り組んでおり、

はるかに発行数の多い千葉県においての課題も見えてきた、大変有意義な視察でした。やはり現地現場に行かねば、ですね。



あと、初日に泊まり、時間も多く過ごした、香川県がすっかり好きになりました。うどん最高!



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岡山県













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旅券発給業務視察メモ



・香川県パスポートセンター


倉岡所長

県職員6名、県民センター17名、委託業者13名体制。



日曜申請…

月〜金。

日曜日の申請受付も今年度から開始。

全国で一番初めに開始したのが和歌山県(10年くらい前から。ただし住民票必要)。次いで兵庫埼玉。香川県は4つ目。

みな、最近、住基ネットを使えるようになったから、始めた。



日曜の申請件数は平日の2倍。逆に平日は7割程度に減。

取組みのきっかけはアウトバウンドを増やしたいから。高松空港も国際線を4つ増やしたので。

ただし都会では、日曜に2倍も来たら、さばけない、という声あり。千葉県でも、導入すべき、とは言い難い。

香川県の申請窓口はもともとあまり多数の件数ではなく、待たせていなかったから、できた



旅券業務を民間に外部委託している。3年ごと契約で、現在6期目。

受託業者は、アイヴィジット。h25から。

1億円以下。日曜受託で少しアップした。7700万円→9500万(h31.4から)



県民センターは県内4ヶ所。申請は10〜15時、交付は9時〜17時。全体取扱量の2割程度…申請は20%、交付は23.4%



市町村への委託はしていない。市町に再委託する場合…

・近くで申請できていいが、受け取りが居住市町に限定されてしまうデメリットあり

・また、サービス水準にバラツキがで得るのがリスク

・旅券作成機は2台のみ。外務省から県に設置されており、市町に委託するとさらに煩雑な送付が必要となり、日数が増加する

・民間への外部委託を、ほとんどの業務でしているが、市町に再委託するとなると、運営費人件費も交付する必要がある。しかし県も、業務の効率性のため、一定規模を維持する必要がある。そのため再委託しても全体の職員人件費減となるかはわからない



緊急発給、早期発給…

早く出すことは、できる、が、全員がそう申請されると、パンクしてしまう。

ゆえに手数料を払ってもらえば、歯止めはかけられるが、その際の値段を決めにくい。

今は3日で発券できる体制になっているが、審査の滞りや機械が壊れたりのリスクへの保険のため、5日にしている。

岩手県は即日発給している。理由についても、新婚旅行などで許されており、緩めだ。


即日発給は、可能だが、そもそも手数料を払える人に渡すべきなのか?緊急性の高い人にこそ対応すべきでは?など、決めにくい。香川県は、急な出張など、緊急性で対応している。

手数料を取り早期発給している岡山県広島県は、HPにも、この早期発給制度を載せている。

他の県は、できるとしても、載せていないところが多いだろう。本来はやむを得ないときの対応のため。



日曜開庁…

なぜ日曜に開庁し、土曜ではないのか?外務省の発券システムが、土曜にメンテナンスがあるため。全国どこでも共通。

県内住民票の人は、住基ネットを使えるが、住基ネットのメンテナンスが第3日曜日なので、そのときはパスポートセンターも休み。



海外の他国は、プラスチック旅券になってる。顔認証システムもつけてる。

外務省も、写真を、顔認証可能なものにするよう言っているが、まだ進んでいない




・岡山県国際課


この建物は県のもの。パスポートセンターのほか、国際交流協会など。


県職員3名のみ。

ほとんどを市町村に移譲している。ここは岡山市のセンターと隣り合わせ。



発券は6日〜8日。岡山市などは隣なので早いが、遠い市町村だと遅くなる。



市町村への権限委譲について…

県内27市町村すべてに委譲した。

平成18年10月に。申請件数が減るタイミングを狙って。

準備はその年の2〜9月に研修。

元々は県内9ヶ所に窓口。委譲後は40ヶ所(交付は36ヶ所)

テレビ媒体などで、県民に周知した。


移譲により県民に身近な申請交付が可能なので、知事の、地方分権改革の一丁目一番地の政策として推進した。

広島県が先行していたのを、参考にしたのがきっかけ。

反対市町村はなかった。県民にわかりやすい事務なので。(多分実態は、わかっていなかった)

申請には戸籍が必要なので、市町村委譲によって、戸籍謄本交付と旅券申請が同じ場所でできて、便利になった。



岡山県人口190万人。岡山市70万、倉敷市40万。

昨年の申請は49000件。うち40%が岡山市。20%が倉敷市。

前年比8%アップ。今年も伸びている。10連休もあったし。日本全国同じだろう。4月1日などは忙殺された。

岡山県は4人に1人くらい、旅券を持っている。



窓口業務はどうしてもトラブルが多い。写真の規格など、厳格。

執行猶予中の人も、通常の旅券と違うものになる。

そういう人はみな県で対応している。

市町村は、一般旅券だけ。


執行猶予中かどうかは、自己申告で確認している。(!)

外務省のシステムにも、警察情報は来ていないので、すぐにはわからない。

判決謄本を持って来させて、旅行計画なども出させた上で、外務省による審査をしている。

犯罪歴ある人の出入国は、出入国管理局が管理しているが、どこまで厳格かはわからない。ICPOが情報をまとめているとも聞くが。



申請のとき、県は2000円の、手数料を徴収している。

委譲したときは、市には1件800円。県は1200円。

なお審査業務、作成業務は、民間に外部委託している。1500万/年、5名。



市内に、交付はなくて申請のみ可能、という場所が複数あってもいいとおもう。



早期発給制度…

広島県と岡山県のみの制度。

追加手数料を徴収して、申請日から3日目で交付する。

平成26年から。

渡航日がすでに決まっていて、間に合わない場合のみを対象。

受付は、ここ、県の国際課のみ。

作成に30分ほどかかるため、8時半から4時までの受付。


追加手数料は6000円(広島県は4000円)

県職員の時給単価から算出した。


交付実績は、年間300〜700件。


対象の人に、申請時間を予約をしてもらい、間違いのないよう電話でこちらで指導してから、申請してもらう。



この早期発給制度は県民には良い制度だが、発行する側としては、全国一律の制度であるべきと思う。外務省所管の旅券法で規定されているので。

東京都も、千葉県でも、やっていない。都会で始めたら、たくさん来て、事務が大混乱すると思う。

旅行会社がこれをアピールしていたりするので…

昨年度実績件数は421件。申請に来るまでに電話で交通整理するので、その負担はないが、問合せが多い!  10件/日。

かつ、数件だが、他県から来る(!)


1日目受け付ける、2日目作成、3日目午後交付。

3名の県職員が、本来業務をしつつ、割り込みで作成するので、3日ほどかかる。(システム的には1日でも可能だが)



岡山空港からは、台湾と韓国に、国際便出ている。アウトバウンド増えている。