今週木金は、大阪出張。
林塾全国例会、および、支援者や関係者の皆さんにお越し頂いて、大会が開催されました。

林塾例会は、私も尊敬する、安岡正篤先生について、講義頂き、大変勉強になりました。




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林塾 天命講座 全国合同文月例会
「安岡正篤の経世帝王学~歴代首相が師と仰ぐ教えの根本~」


殷周革命時代…
伯夷叔斉は兄弟。
周の武王に「紂王を倒すのは、主君に弓引くことになる」
「しかしそれでは民は救われない」
倒したあと、伯夷叔斉は「この世に理は無くなった」山籠りし、餓死
これを嘆いた司馬遷「天道は是か否か?」=世界に、正義は存在するのか?優れた人が、天下に立っているのか?
司馬遷自身も、宮刑にあいつつ、正しい歴史を伝えた。

歴史を見ると、悲惨な目にあいながらも、己の生き道を全うすることによって、世の中は動いてきた。


このことの評価…
孔子「伯夷叔斉は、思うことを述べたので、正しい」
孟子「革命は正しい。伯夷叔斉は小さい」
※官軍が是?土方が是?

林「日本国体では、この対立はないのでは…?」
安岡「80歳以下は早死にだ。雑事に追われて無為に過ごさないように。学問を深めるように」
本来、学問は、どう生きるか?のはず。学問は、生き方が定まるはず。

安岡「力の政治ではダメ。功利では国は治らない。徳の政治を行え」
安岡「悩むのはいい。ただし内容が問題。独断にならないように。それが秀才の欠点だ」
軽薄な秀才ではなく、重厚たれ。
「海老のように、殻を脱いで、大きくなれ」


安岡正篤先生は、帝王学を講した。
指導者は、大変な学問が必要。大変な責任がある。
松下幸之助がよく見た悪夢…1「日本が心配だ」2「松下が倒産」
それくらい重圧と戦っている。
まだ上に社長がいる、というのは、楽。
役員たちは、社長の方針を、あくびを殺して聞いている…泣けてくる!



◯安岡正篤先生の略歴

剣道で、相手との間合いの取り方を学んだ。正眼。

的確なアドバイスは、歴史と人物の研究から。
松下幸之助も「人間の探求をせよ」後になってから、しみじみわかる。

金鶏学院…
一期一年。20人の若者、全寮制。小石川近辺にて。

日本農士学校…
篤農家の子供に、指導者として養成。
←都会は弱くなってきた。これからは地方がしっかりしないと日本の危機は脱せない。

国維会…軍部に対抗し、近衛文麿を担いだ。
欧州視察…ナチスは覇道

山鹿流政治論で東條英機を批判…
「人の上に立つ者は、人の上に立とうという慢心を去らねばならない」
「理屈ばかりではダメ。人はついてこない。情が必要」
「任せたなら、疑って辱めることはしてはならない」
「功名心が盛んな者は油断ならない。結果」
以来、安岡家に、憲兵がつくようになった。命懸けだった。

終戦の詔書に、加筆…
「永遠に平和を確保せんと欲す」
   ↓格調がない
「万世のために太平を開かんと欲す」

「臥薪嘗胆…」
   ↓敵の言葉
「義命の存するところ…」
   ↓わかりにくいと変えられて
「時運のおもむくところ…」
これは本意ではない!怒り!!

師友会…いまでもやっている






◯経世瑣言

家庭ができて、地位が上がると、理想を失う。
松下塾で理想を語ったということは、背中に彫り物を入れたのと同じ!🔴
いびつな現実を、理想に持っていくのが「志」
間が開いているからこそ、やる気が湧くべし


理…本来は、王編は、玉。磨けば磨くほど良くなる
情…決意、気持ちの高ぶりがないと、人は動かない。でも、フラつく恐れがある。
情の元に、一本スジを通す理が、合わさるべし


「利害が人を動かす」などというものには、真の利害がわからない。
真の利害がある。それを大義名分。やらねばならない堂々とした理由。大義名分こそ、我々を納得させ、感激させる


人事には三つの原則…
1、賢者を知る
2、知った者を、用いる
3、用いて、任せる


老いないのは、肉体ではなく、精神の感激性
何をやっても日本のためになる時代。最高に面白い時代。


信ずる力。主観力。感激。×不感症
核心をつかむ


人物を磨くには、人物に会うこと。そういう環境。
あの人達がやれて、自分にできないことはない。
古典に、対話でもいい。

×科学、民主主義、自由主義を、
部分観、横並びで誰もやろうとしない、無責任、と曲解し、
横着で図々しくなり冷淡になった


雑事を整理せよ。余裕と内省の時間が必要。
自分がやらなくてもいいこと(楽しいこと)を任せる。
面倒なのを押し付けるのではなく!
小村寿太郎は、午後はソファで瞑想していた。そこで方針を考えた。

1、先手準備
2、人に任せる
3、一束統合(ひとつにまとめる)…日本学、大和言葉、東洋思想






◯東洋宰相学

「私の見込んだ人物だ」と先達にいわれる人物…
それはすなわち、「自分の言うことを聞く」という意味。
先達とぶつかるくらいが、本当の人物。
みんな嫌っているが、しかし理解者がいる。器と可愛げがある。


大衆は、苦しくならないと、改革を欲しない。
時期を選ばないと、国民的運動、うねりは、作れない。


支配階級からは、創業的英雄は出ない。


張詠…平気で浪人できる人がいい。出たがりは、ダメ。🔴


死生観…自他一如。
自分に託してくれた人のために、死ぬ。
ヨジョウは刺客。3人目の主人が殺されて、仇討ちのために相手を狙った。何度も捕まったが、なぜやるのか?主人は自分を知ってくれていた。
「士は、己を知る者のために死す」

この人こそ、自分をわかってくれる人だ、という主君。拾ってくれた主君。その人と、自他一如となって、天下のために生き抜く。