言論NPO主催「東京会議」
今月初め頃の報告です。
言論NPO主催の「東京会議」に参加し、国際社会が最近のトランプ政権や世界をどう捉えているのか、学んできました。
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20170307-OYT8T50090.html?page_no=1
記事にもあるように、若干消化不良はありながらも、各国の有識者が集結しG7に提言したことは、意義があると思います。
以下、自分用の断片的メモです。
ーーー
杉山・外務次官…
将来の歴史家は、1919年や1989年に匹敵する年として、2017を刻むのでは?ブレイクイヤーなのか?
根本的なものが揺らいでいる、かはわからない。
安倍総理や岸田大臣は、地球儀を俯瞰する外交。リベラルデモクラシーの危機とはおもっていない。
トランプさん。まったく政治経験のない人が大統領になった。
安倍・トランプ会談は、極めて親密だった。共同声明は、直前までどうなるかわからなかった。「日本の防衛」を格調高い文章で書いたのは、記憶では初めて。
TPPは米は離脱したが。
セッション1「ポピュリズムと民主主義の未来」
田中明彦…大変化をトランプ政権は起こすか?英のEU離脱は起こさない。
可能性1;米が安全保障政策を転換するなら。各国の防衛負担要求でもわかる。
可能性2;民主主義国から権威主義になるなら。
この2つが起きなければ、大変革は起きない。
1、トランプ政権はこれまでの安全保障政策を変えない。先日の日米会談はまさにそれを確認した。
2、政権の一部が非民主主義であっても、大丈夫。
トマ・ゴマール…仏
ルペンはポピュリズム
メドーラ…カナダ
杉山…リンゼイと同じ。オープンな自由貿易体制が揺らいでいる。
中国に言及した。日本は不必要な、封じ込めの意図はない。ただ法を中心としたやり方に巻き込もうとしている。
まとめ
1、ポピュリズム、アンチグローバリズムが世界を席巻してる…わけではない。ヨーロッパには難民の問題やEU官僚主義などがある。アメリカはポリティカルコレクトネスの問題がある。
あまり全体で把握せず、個別に見るべき。
2、トランプ政権の安全保障政策は、日本のみならず中国やNATOもあまり変えない。アメリカの国益から考えれば、同盟国を味方にするのは当然。合理的判断。今後は国際経済システムがどうなるかが大事。
3、いまの状況を当然視していくわけにはいかない。民主主義、人権を触れない。グローバリズムを放置すると、強いものだけが勝つようになる。
ーーーーー
セッション2「グローバリゼーションと国際システムの今後」
浅川・財務官…
中国の人民元の下落がおさまらない。介入政策と、資本の流出規制で、対応しているだろう。
国際政治におけるトリレンマは…民主主義、ナショナリズム、グローバリゼーション。どれか1つを犠牲にしないと成り立たない、と言われる。
民主主義を犠牲にする国はないだろうから、ナショナリズムかグローバライゼーション。
税金。多国籍企業への課税。パナマ文書で顕現。
課税権は国家主権そのもの。ここでの国際協調のあり方が問われている。
戦後、IMF、WTOで、国際協調を進めている。
マルチナテラリズム
2008年リーマンショックのような、グローバルな危機には、リージョナルな対策は無力。ゆえにG20で、国際協調して対策することにした。
もう1つはIMF。資本を大きく増強した。
ユーロ危機は、ギリシア財政が発端とはいえ、ユーロそのものの矛盾が本質。共通通貨圏の問題。ギリシアは本来、共通通貨圏に入るプレイヤーではなかった。
3つのリスク…
1、トランプ新政権の経済政策
金融政策から財政政策に、シフトするだろう。
ドイツは財政規律を重視。プライマリーバランスも黒字!マイナス金利などの金融政策には批判的。構造政策に重きを置く。
国境調整税…恣意的なのでWTOとぶつかるかも。
金融政策…利上げが続く
通商政策…TPP離脱、NAFTA再交渉
TPP離脱。「既存のイニシアティブで」と共同声明。
麻生さんがやる、2国間経済対話で、どうなるか。
2、ヨーロッパリスク
ブレグジッド…英とEUとの貿易交渉も発生。
ヨーロッパは選挙の年。オランダ、フランス、ドイツ。
3、中国リスク
過剰生産。不良債権問題。少子高齢化なのに社会保障制度がない。
米・リンゼイ…
トランプさん。何を異なるのか?どれくらい?
国境税を本当にやるのかわからないが、下院議員には支持者もいる。
これがプラスになるところとマイナスになるところがある。
多国間通商には懐疑的。なぜか?2国間の方が優位に立てる。バノン・主席戦略官は、最近の国際法はアメリカ主権を損なうとみている。