IR講演会…最新状況を学びました
岩屋毅・衆議院議員が千葉に来られて、成立したばかりのIR法案についての、講演会でした。
私も現職時代、IR議連に所属してきましたが、岩屋先生はその幹事長として、本当に活躍されてきた、キーマン中のキーマンです。
今日も最前線の話をお聞きでき、大変勉強になりました。
日本の活力、経済再生のため、何が必要かを、世界の視野でよく考えたいと思います。
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今回成立した推進法は、プログラム法。1年後の実施法が成立したとき、初めて、カジノが合法化する。
国民的議論も、これから始まる。
IR法は15年かかった。
かつてはやった特区では、カジノは認められなかった。
しかし地域全体の振興になるなら、と模索をはじめた。
ギャンブル関連法はこれまでみんな議員立法で提出されてきた。みな超党派。
IR法案も、5年前に超党派議連を作り、国会にも出した。しかし衆議院解散などで廃案になったり…4度提出してやっと成立した。
マスコミは唐突に提出されたような、かつ自民維新で出したような書き方だが、長年かけて超党派でやってきたことをお知りおき頂きたい。
訪日客の目標は、
2020年4000万人、
2030年6000万人。15兆円。
いまは2000万人の訪日客の25%が中国、20%が韓国、18%が台湾。
他の国からも広げないといけない。
日本は人口が減ってきた。この流れは変わらない。
ゆえに成長戦略として、観光業が大切になる。
外国人客は、17.5万円、消費する。
1年間に8人連れてきたら、なんとかなる。
シンガポールはこの数年で、6割増、収益9割増。
TOTOなどの公営ギャンブル。
パチンコ店は12,000店
ギャンブル依存症の問題にも、正面から取り組んできた。
これを機に、きちんと取り組んでいきたい。既存のギャンブルについても。
依存症になりうるのだから、全部なくせ!という意見もある。しかし、じゃあお酒を全部無くすのか?現実的ではない。
かつてアメリカで、禁酒法が定められた。その時代に、アルカポネが活躍した。社会悪がはびこる。
むしろ管理体制を整備して、地下活動を根絶やしにすべき。
これから国民的議論が始まる。
IRを立派なものに磨いて、観光立国日本を作りたい。
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●質疑応答
Q.カジノを認めないと日本はダメ?
…フランスのように、人口以上の観光客を目指すなら、色々なメニューが必要。
カジノは127カ国で合法化されていて、国際標準。
国際展示場などをセットにすると、不採算になりやすい。だからカジノの収益で補填する。
Q.既存の公営ギャンブルはもう頭打ち?
…そんなことはない。別府競輪は開設65年だが一度も赤字になってない。
Q.依存症減ってないのでは?
…依存症は536万人?これはギャンブルではない。日本は統計はまだない。
患者がいるわけではない。
そもそもカジノがまだないので、既存ギャンブルの依存症しか出てこないが。実態調査がこれからなされる。
Q.マカオは失敗例では?
…中国領で、客もほぼ中国人。特殊事例。
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●パネルディスカッション
Q.メリットは?
吉田社長…IRの魅力は、需要創造。
熊谷市長…中立派として発言する。幕張こそがMICE発祥の地。推進もした。基礎調査も。
一方、IRをやるには、様々な問題を乗り越えなくてはならない。刑法の問題や、対象者が誰なのか?など。千葉市がやるメリットがあるのかどうかを総合的に判断したい。
岩屋代議士…地域の自主性尊重。議連として特定地域は念頭にない。ただ一箇所に観光客が集中するのは避けたい。
当面は二、三箇所。附帯決議にも書かれた。
地域住民のご理解を作らないと手を挙げられない。
幕張は有望では?
Q.懸念点は?
田中市長…治安。警察との連携。怖い人が立つと怖い街になる。市民、子供に、どういうメリットがあるのか知りたい、安心したい。
松本社長…各国での先進事例を研究したい。今法案はきっかけになるだろう。
依存症は、薬物、アルコール、ギャンブルで、異なる。
吉田社長…オペレーターなど、大企業や一部企業だけのメリットになるのは懸念。
もう1つは、ハード整備で盛り上がるが、ソフト整備と持続が可能か、が懸念。
熊谷市長…既存の公営ギャンブルで培ったノウハウを依存症対策に使えるか?
そんなにニーズがないのでは?の懸念もある。ゲーミングも充実した国。
幕張インバウンドの外国人も、どれだけカジノへのニーズがあるのか?調査が必要。
岩屋代議士…カジノだけを目当てに来る客はあまりいないのでは?大人のディズニーランド、その一つがカジノというイメージ。
経済性評価の調査は大切。民間事業者も数千億円を投ずる以上、失敗はできないので。
都市開発的な側面もある。元々の魅力があるところに、付加されるもの。
吉田社長…世界の中で、空港から30分の都市はなかなかない。日本全国への文化の発信拠点にしたい。
Q.どうこの町を良くしたい?
田中市民…幕張が、世界に誇るリゾート地にしたい。モナコのような。
富士山が見えるのは住民の誇り。
いまはMICEで呼んでも、夜の社交場は他地域に行ってしまう。
幕張住民は日本人として品格ある。住民からのボトムアップは、点数高いとのことなので。
松本社長…7年前からやってきたのは、千葉幕張で生まれた子供達が誇りに思ってもらえるため。
人口が減るとき、観光資源を生み出しておかないといけない。
千葉、と聞いたら、コレ!が欲しい。
吉田社長…百年の計。子孫の世代に喜ばれる仕事をしたい。例えば新幹線。
熊谷市長…千葉にしかない魅力を提供したい。世界を感じられる町を作る。
もう一つは、農漁業など、田舎の魅力。
徹底的にグローバルで、徹底的にローカル。
岩屋代議士…幕張はキレイだなぁと思った。交通アクセスもいい、大事。
IRが有効かは、首長の判断は難しいだろうし、調査も必要だろう。
ただ、全国どこの町でも可能性が開かれた。実施法成立までは、自分達の町をどうするか?の議論が必要だろう。
自治体、事業者に対しても、自分達だけが良くなるのはダメ、周囲にメリットも必要、という審査基準が必要だろう。