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教科書採択の質問、終了!
文科委員会にて30分やりました。ある会社の教科書を採択したとき、その理由をきちんと公表するよう、千葉市での具体例を挙げつつ説得。大臣からもかなり力強い答弁を頂きました。
採択事務の改善は、正しい歴史観を養うためには、絶対的に重要。私は教科書正常化こそライフワーク、専門分野でもあり、それがゆえに教育委員会改革に取り組んでいます。
下村大臣の、力強い改善推進を心から期待します!




動画はこちらから↓


また、下に速記録を掲載しましたのでご参考下さい。
※ ソフト変換の関係で誤字や文章の乱れがございます。
※ 尚、速記録は正規の会議録ではないため引用などはご遠慮ください。
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○小渕委員長 次に、田沼隆志君。

○田沼委員
御紹介にあずかりました、日本維新の会の田沼隆志でございます。

別にきついことはございませんので、私も、下村大臣は本当に尊敬する先輩、同志でありまして、昨年もお話しさせていただきましたけれども、安倍内閣で入閣されて本当によかったと、今でも本当に思っております。

この採択の改革、この無償措置法の改正も私個人としては非常に大賛成でありまして、ぜひ推進をしていただきたいと思っておりますし、竹富町の問題もぜひ改善をしなくちゃいけないと本当に思っております。

ただ、ちょっと画竜点睛を欠くというか、もう一息欲しい部分もなきにしもあらずなものですから、そこの部分をぜひ議論させていただきたいと思っておりまして、文章でいうと第十五条関係の、特に採択理由の公表の部分について主に議論をしていきたいと思います。

私、千葉市議会でもずっとこの教科書問題をやってきて、教科書の田沼と言われていましたので、もう二回に一回は教科書問題を扱う、採択がない時期でも扱うぐらい熱心にやってきたんですが、その意味で、この第十五条、採択理由の公表をするようにというのは大変画期的であると思っておりまして、これはブラックボックスになりやすいんですね。

もちろん、無償措置しているわけですからその採択理由を公表するということは当然でもあり、非常に筋の通った改正であると思うんですけれども、実態的にはなかなか厳しいかなと思っています。この法案としても、採択結果及び理由等を「公表するよう努めるものとする。」になっているんですね。

皆さんのお手元にあるでしょうか。この「努める」というのが、努力規定になってしまっていることにちょっと心配をしております。もっと言うと、現場はやらない可能性も多分にあるのではないかというふうに感じます。

いただいた今までの資料だと、県の教育委員会は、結構きちんと採択理由、結果はもちろん、採択の理由も公表している。四十七都道府県のうち三十五県は結果をすぐに公表している。理由の方も十九県はすぐに公表している。請求に応じて公表するというのも入れればほぼ全部がちゃんと、県はやっているんですけれども、私は千葉市出身ですが、政令市の千葉市でも実は大変でした、この公表をさせることに。もっと小さな一般市は、もっと厳しいですね。

という実態をぜひお伝えしたいんですが、お手元の資料で、ちょっと①②③④の順番がそのとおりでなくて申しわけないんですが、③の「平成二十三年千葉県内全市町村教育委員会の、教科書採択についての教育委員会会議録公開状況」。



これはそのままでして、全県、千葉県は五十四市あるんですけれども、たまたま私は千葉市ですから千葉県を調べたんですが、県教委にまず公開状況を確認したら、資料がないと。もうしようがないから、一つ一つの市に当たっていきました。そうすると、五段階あって、この黄色い部分、上の部分を見ていただくと、議事録をきちんと公開しているのは五十四市のうち十市なんですね。だけれども、教科書の部分は非公開というのが②です。十七市あるんですね。概要のみでそもそも議事録はありません、もちろん理由もありませんというのは③、五市。

ホームページはあるけれども議事録はないというのも六市。そもそもホームページはなくて、市教委に聞いてもよくわからないというのが十六市。つまり、左側の①しかきちんと公表はしていません。だから、一八・五%しかしていない。

この②のところも、きちんと公表をしているかもしれないなと思ったものですから、連絡、聞き取りができた自治体をその十七市のうちから、下の表ですね、九市ほど直接電話したんです。そうすると、傍聴人、要は、その会議の場で傍聴ができるかどうかですね、そうすれば状況がわかりますから、採択の理由も。その傍聴ができるかというと、全部だめなんですね。この網かけで黒くなっていますけれども。真ん中の、議会という部分ですね。議会にこの採択の理由を、議事録を公開しているかというと、していないところが多いんですよ。これはほとんど黒い網かけがかかっていますね、この真ん中の列。それから、情報公開請求とか申請があればするというところは、白いのだと五個ですね。でも、しないというのは四つあって、この②の列の十七の自治体でも非常に手強いですね。

その③以降はもう全然、手強い。これは、小さい自治体というのももちろんあるんですけれども、教育委員会のスタッフとして機能が十分ではない、だから共同採択というのもあるんでしょうが。というのはあるんですけれども、基本的に、この会議録の公開、教科書採択理由を公表するというのは、非常に現場は嫌がります。

これは、大臣も本当に教科書問題のプロフェッショナルなので御存じと思うんですが、やはり一つには、手間がかかります、全科目の採択理由を、何でこの会社の教科書を選んだんだというのは大変だと。

それからもう一つは、静ひつな環境ですね。この静ひつな環境というのが、過去、この国会でも何度も議論になったと思うんですけれども、この静ひつな環境を非常に求めています、今でも。なので、理由を公表するのを嫌がる教育委員さんたち、教育委員会としても、右から左からいろいろやんややんやと言われて、何でそんな教科書を選ぶんだということでファクスが百枚、千枚送られてきたりとか、そういうのがもう嫌でしようがないというのがあって、なかなか採択理由の公表というのはされてきませんでした。

これは、多くの、特に保守系の自民党さんとか、皆さんも大体おわかりと思うんですが、そういう現状にある中で、この今回の法案で、採択結果及び理由を公表するように努めるというのは、大きな前進だと思います。ただ、「努める」だと逃げられるかもしれないという思いがあって、これは、率直に言って義務にした方がいいんじゃないかと思っております。

もう一つ、お手元の資料だと④の方なんですが、これは先ほど宮川委員も同じような御質問をされたようですけれども、私は、さらに、半世紀ぐらいの過去の千葉市の採択の結果を持ってきました。



これは内部資料だったんですけれども、もらったものを持ってきましたが、これを見ていただくと、「中学校教科書採択一覧表 千葉市」とありますが、大体十五科目ぐらいですかね、ほとんど変わらないんですね、これを見ていただくとわかると思いますけれども。

例えば、よく議論になる社会の歴史、地理、公民は東京書籍、東書と書いてあって、これは四十年ぐらい続いていますね。左側のは昭和と平成です。採択期間、四十一から始まっていますが、これは昭和四十一年から。一番下の列が二十七です、これは平成二十七年。採択期間の四年間ごとに出しております。

これを見ていただくとおわかりと思うんですが、社会にかかわらず、どの科目もほとんど全然変わらない。一番左の国語は、光村ですね。光村さんは平成九年から変わりましたけれども、そのほか、書道ですとか社会、地図帳は帝国書院、数学は平成十八年に啓林館に変わりましたけれども、理科は記録が残っているときからずっと大日本図書ですね。

それから、音楽もそう、器楽もそうですね、技術もそう、みんな同じ会社です。英語だけ最後に三省堂に変わっていますけれども、ずっとこんな感じなんですよね。本当に大臣には釈迦に説法なんですが、ほとんど変わりません。これは、皆さんのほとんどの自治体も同じと思います。

ずっと安倍総理もこの教科書問題に非常に詳しい方で、安倍総理の地元の下関もこの状況ですよ、私が調べた限りですと。ですので、この採択というのは非常に硬直化している現状があり、その大きな原因として、やはり採択理由の公表というのがない、だから検証もできない、PDCAもできないという原因があると思っています。

ですので、先ほど言いましたが、やはり努力規定ではなくて、これは必ず、義務として採択理由を公表するというふうにすべきでないかなと思うんです。あるいは、せめてそういう通知を出すべきでないか。手段はお任せしますが、大臣、ちょっと御見解をお答えいただければと思います。


○下村国務大臣
ほかの委員の方からも同様の質問が出て、既にお答えもしておりますが、努力義務規定にした理由というのは、例えば、特別支援学校においては、児童生徒の障害の状況等に鑑みて、検定済み教科書や文科省著作教科書の使用が適切でない場合には、ほかの一般の図書を教科書として用いることができるが、こうした図書の選択理由まで個別に公表を義務づけることは、児童生徒のプライバシーを侵してしまうおそれがあるということ、また、私立学校については、建学の精神に基づき、多様な人材育成を行う教育機関であるとともに、学校単位で教科書の採択を行っており、基本的に、地域単位で採択を行っている公立学校とは、教科書の調査研究能力や採択について説明責任を負うべき対象等の点において異なっている、こういう問題があります。

このように、学校種や学校の設置主体の特性等によって、採択に関する情報の公表のあり方はおのずと異なってくるということから、一律に義務とせず、一般的な努力義務規定等を課した上で、個々の状況に応じた取り組みを促していくこととすることが適切であると判断をいたしました。

いずれにせよ、教科書の採択権者が教科書採択に関する説明責任を果たすということは当然なことであるというふうに考えておりますし、特に公立の小中学校における教科書の採択は、地域の関心も高いということがありますから、採択結果、理由等の公表について、特に公立の小中学校については、強く教育委員会に対して公表を促してまいりたいと思います。


○田沼委員
ありがとうございます。

強く促すということですので、ぜひお願いをいたしたいと思います。敵と言うとちょっと言葉は適当かわかりませんが、相手はなかなか手ごわい相手だと思っていますので、ちょっと敵という言葉はあれですが、ぜひ力強い、通知ぐらいで、ばしっと出していただきたいなと思います。ちょっとくどいようで、もう一つなんですが、私たち維新の会もすごく責任を明確化することを常に党の理念としていますので、今大臣が、きちんと公表を求めていくと。

では変な話、公表を自治体、採択区でもいいですが、自治体に求めました、何回指導した、だけれども相変わらずこことこことここは公表しないということを公開してしまった方がいいんじゃないかというふうに思うんです。採択区でも、六百ぐらいでしたか、そのうち、こことこことここはなぜかわからないが説明をしないということを明確にする。それで、採択理由の公表状況は、県とか採択区はあるんですけれども、名前がわからない。バイネームがわからないので、バイネームまで出してきちんと、私たちが住んでいる自治体は採択理由を言わない自治体だと。

私のところはわかる、私のところでもやはり理由を公表していないというのが手にとるようにわかるようにすることは、同じことをやっていても、非常にいい意味でのプレッシャーができるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そこについてはどうでしょうか。


○下村国務大臣
御指摘のように、静ひつな状況を確保するということは、これは右からも左からも相当いろいろと圧力がかかってくるということを教育委員会が避けるために、公表については消極的だという部分があったことは事実でありますが、しかし、御指摘のように、各教育委員会の採択結果、それから理由等の公表状況を調査して、そして公表していくということについても、これは有効な手段だというふうに思います。

具体的に、都道府県別に公表するとか、あるいはそれぞれの市町村教育委員会名で公表するとかいうことは、先ほどの静ひつな状況等によって、地域によって、いろいろなプラスマイナスもあるというふうに思いますが、しかし基本的には公表する方向で考えるべきことであるのは当然だと思いますので、具体的なあり方については今後検討してまいりたいと思います。


○田沼委員
力強い答弁、ありがとうございます。ぜひお願いいたします。次に移りまして、また資料の今度は①なんですけれども、同じく公表に関してですが、私はちょっと疑い深過ぎるかもしれませんけれども、千葉市の中で徹底的にやって、やり返されてきましたので、ちゃんと公表してほしいというのもあります。



この①の資料は、これは「教科の目標への適合」ということで、これは選定委員会の方の資料です。千葉市の教育委員会の実際の採択会議のときにも使われています。これを見ていただくと、教科の目標への適合度合い、ほかにも十四項目ぐらい教科書ごとに評価の観点がある。評価の観点十四項目の中で、特に教育基本法第二条、教育の目標にかかわる内容が教科の目標に置きかわるんですね、各科目ですから。

この教科の目標にどれだけその会社の教科書が沿っているかというのを全部出すんですよ、社会に限らず全部。それに対する選定委員会の、要は事務方の調査報告書があるんですけれども、それを抜粋したものです。これは歴史の教科書。これを見ていただくとわかるんですけれども、これは平成二十一年のときの採択ですけれども、九社ありますけれども、そのうち、上の東京書籍から日本書籍新社まで、教科の目標への適合度合いがほぼ同じなんですよ。

このときも、千葉市もよくあるパターンで東京書籍になっちゃったんですが、東京書籍だけちょっとだけ長いんですけれども、ほぼ青い字のとおり、ほぼ同じなんですよ、上の五社。逆に下の二社は、ちょっと保守系のあれですね、扶桑社と自由社。

これはやはり結構似ているんですよ。「歴史上の人物や文化遺産を多く取り上げ、人物コラム・読み物コラム等で歴史に対する理解や関心を深めるよう配慮されている。」これは自由社もほとんど同じですね。これだけで、どの教科書が教育基本法に沿っているか、教科の目標に沿っているかと評価できますかね、皆さん。どう思いますか。

これはないだろうというのが私の市議会のときの教育委員会さんに対する訴えで、私でもわからないんだから、教育委員さん、一応レーマンコントロールで六人、教育長を抜けば五人の皆さんに、この資料だけぼんと出して、それで教育基本法にどれだけ沿っている教科書ですというのを判断できるかといったらできないですよというのを言ったんですけれども、ちゃんとやっていますという答弁が来ちゃうんです。

なので、何が言いたいかというと、今回、この法案の改正で、採択理由を公表するということを努力規定として定めたとしても、ほかの教科書じゃなくてこの教科書、ほかの会社じゃなくてこの会社なんですという理由がはっきりわかるかどうか、極めて疑わしいと私は思っています。これは平成二十一年で、二十三年採択のときはもう少し改善されたんですけれども、この九社の中から、例えば、このときは東京書籍だったんですが、東京書籍を選んだ理由というのは、この一番上の列がただ公表されるだけになったら、まるでわからないわけですよ、我々からすれば。

何で東京書籍になったのかの理由は、きちんと議事録をまず公開しないといけないし、しっかり、ほかの教科書と比べてこれがいいというのを端的に出してもらわないといけない。

かつ、それが教育基本法第二条の教育の目標にどれだけ資するものかというのをやはりきちんと明示してもらわないと、また官僚的な、違いのわからないような理由を挙げてきてしまうとたまったものじゃないという思いがあるものですから、公表方法についても、具体的に、なぜほかの会社じゃなくてこの会社なんだというのがわかるように指導が必要じゃないかなと思うんですけれども、それについて、大臣、御見解があれば。


○下村国務大臣
確かに、資料を見させていただいて、東京書籍がなぜ選ばれたかというのはわからないですね。ですから、それぞれの教育委員会で選ぶときには、やはり地域の方々から見ても選ばれた理由というのが明確にわかるような記述にしていく必要があり、それを公表するということは当然求められるべきことだというふうに思います。


○田沼委員
さっきの答弁でも、わかるように指導していくということでしたので、かなり具体的に出すようにというところを強調していただいて、あと、そのチェックもしていただきたい。

ちょっと私が恨み過ぎかもしれませんけれども、だから教育委員会廃止法案などを私たちもやっているんですけれども、かなり教育委員会さんにスルーされてきた部分がありますので、御検討いただければと思います。次に、今度は資料でいうと②、「三分野の選定結果」という資料をお渡ししていると思いますが、こちらに移りたいと思います。



これは絞り込みのことです。この絞り込みについても、さんざん国会でも議論されてきていると思いますが、今回の竹富の例でも、今まで、研究員が教科書を調査研究して推薦リストをつくってきた、その中から協議会の委員さんが選ぶのが慣例だったんだけれども、その推薦リストは何社かに絞ったんでしょうね、その中にない育鵬社さんを協議会が選んだということで、竹富町の教育委員会が反発しているというふうに記事がありました。

これは本当に変な話、おかしな話で、推薦する方がおかしいのであって、採択権者は協議会の委員さんなんだから、推薦リストにあろうがなかろうがとにかく決めるのは協議会なんだから、竹富町の言い分は全くおかしいと私は思います。むしろ慣例の方がおかしいと思います。

ただ、私もそういう人間ですが、実態としてはこの慣例は全国各地にあるというふうに思います。それでこの資料なんですけれども、これも千葉市の、これは平成二十三年ですね、この間の採択ですけれども、やはり絞り込みをしています。していないと言うんです、教育委員会は。だけれども、しています。

というのは、絞り込みは絶対だめだという議論は今まであったわけですよね、大臣もよく御存じ。だから、六人の委員さんの誰かから調査研究員の方に、特に推薦するものは何ですかというふうに質問させたんですよ。それに答える形で、お尋ねですのでお答えしますが、例えば歴史なら、七社のうち三社が推薦です、その中で特に東京書籍がいいと思いますというふうに、質問に答えるという形で推薦をしていました。これは議事録を見ればわかる。皆さんもぜひ自治体、公開されていれば見ていただきたいんですけれども、公開されていないところも多いんですけれども、結局、推薦しています。

名前を挙げて推薦されちゃうと、やはり、これは先ほど宮川委員も言われたと思うんですが、事務方が、現場がそういうふうに言っているんだからというすごい圧力があるんですね、教育委員さんとしては。非常勤ですから。しかも十何科目もあって、それで五冊も十冊もどかっと送られてきて、それは一定の期間に見てと。百冊以上段ボールに入れられて、それを見ていかないといけないので、しかも現場を知らない教育委員さんが。

なので、やはり、調査研究員の発言があると、かなりそれに抵抗するのは難しいという実態があります。

よほどの意思がある方でないと、推薦、特に推薦、この場合は東京書籍ですね、千葉市の歴史でしたら東京書籍ですが、それに抵抗しての違う教科書会社を選ぶのは難しいのが実態です、大臣には本当に釈迦に説法ですけれども。これは社会だけじゃなくて、全部、ほぼそうです。この調査研究員が特に推薦をしてきた会社にほぼ決まっているんです。

千葉市はまだ議事録を公開しているからそれがわかりますけれども、公開していない自治体ですと何がされているかわからないし、調べた限りですと、事務方がこれでいいですかと挙げてきて、はい、いいですで終わりという採択会議が非常に多いんですね。なので、これはもう十分に機能しているとはちょっと言えません。ですので、少なくとも絞り込みは絶対にやめさせる、この七社のうちどれが推薦、どれが特に推薦というのはもう絶対禁止だということも改めて徹底すべきじゃないかと思うんですけれども、御見解をいただければと思います。


○下村国務大臣
基本的には、これは教育委員会で教科書採択をするわけでありますから、共同採択地区は共同採択協議会で採択するということが決まっているわけですから、当事者の方々がどの教科書がいいかは選んでもらいたいというふうに思います。

ただ、先ほど申し上げましたように、小学校で二百八十、中学校で百三十一の教科書全て教育委員が読み込むということは大変な状況もあるかもしれないということで、県教委等が絞り込みリスト等を、推薦リストといいますか、つくってきているという経緯がありますから、これを禁止するというのはなかなか難しい話だと思いますが、しかし、みずから教科書採択権者が責任を持って選んでもらうというふうなことは当然のことだというふうに思いますし、そのようにぜひ進めたいと思います。


○田沼委員 禁止は難しいがぜひ進めたいということで、現実的には、短期間で百冊を超える教科書を読み込むというこの流れ自体がこのままでいいかという議論が必要なんだと思いますが、それにしても、現場主導でほぼ決まっているという実態はやはり正していくという不断の決意が必要だと思いますので、ぜひ御検討いただきたい。きょうは、これはこれで終わりにしますが、お願いしたいと思います。

ちょっと時間があれなので次に移りまして、最後に、今回の協議ルールを決めるという法案の一番の趣旨でありますけれども、この協議ルールを決めるということはとても大事なことだと思いますが、ただ、これは、うちの党の、そこにおられますけれども、椎木保議員は、十三年間教育委員会に勤められていましたので、その椎木議員の思いだと、協議ルールを決めるというだけだとちょっと曖昧である、やはりこれは多数決で決めるということを明文化すべきじゃないかというふうに言っておりました。

今は、この共同採択区の協議会というのは、全会一致を求めることが実態としては非常に多いというふうに言われております。

私もそう存じております。ですので、それだと、全会一致がうまくいかないからもめたりするということがあったり、決めたのに今回従わないというのが竹富の問題ではありますけれども、これはやはり、協議ルールを決めてというのは、各協議会に任せるということで一見いいことというふうにも聞こえるんですが、ただ、きちんとここはもう明文化した方がいいんじゃないかという現実もあるわけでして、そこについて、明文化に関して、大臣、御見解があればいただければと思います。


○下村国務大臣
改正後の教科書無償措置法第十七条に基づく政令においては、採択地区協議会における議決の方法など規約に定めるべき事項等を規定することを想定しておりますが、具体的な協議会における議決の方法など各事項の具体的な内容については、各教育委員会が協議して規約において決定するものでありまして、政令で一律に規定することは現在考えておりません。

なお、この協議会の議決の方法については、採択すべき教科書が確実かつ最終的に一つに定まるよう、各採択地区において定めていただく必要があると考えておりますが、その方法は必ずしも多数決に限られないのではないかというふうに思います。


○田沼委員
確かに、多数決に限られないということも一つの御見解と思いますけれども、ここに書かなくてお任せですという形になると、大丈夫かなという不安もやはり少し残るわけでありまして、今回はやらないということで御答弁でしたけれども、ぜひ不断のチェックをしていただいて、二度とこういうことが、竹富のような問題が起こらないようにするのは当然ですし、実態としても全会一致を求め過ぎていないかとか、そういった部分もチェックをぜひしていただきたいなと思います。

もう一つ、私が千葉市議会のときに、やはり教科書採択で、千葉市は単独採択区ですので千葉市教育委員会だけなんですけれども、非常におかしいなと思ったのは、先ほどの資料②でいえば、こういう教科書を選ぶ会議があるわけですけれども、どの教科書を誰が選ぶかというのがわからないんですね。

一番右ですと、教育委員会、投票結果という水色の箱の部分で、東京書籍五票、育鵬社一票とか、公民、東京書籍六票とかありますけれども、これが、無記名か記名かが自由なんです。私が無記名にしたらいいんじゃないかと言ったら、すぐその場で変わったんですね。

なんですけれども、私が過去千葉市議会で言ったのはちょっと過ちだと思っていまして、やはり、責任と権限の一致からすれば、記名投票を義務化するべきではないかと思っておりまして、教育委員会教科書採択会議の中での各採択権者である教育委員さんがどの教科書を選んだのかというのをしっかり記名にしてはっきりする、そうでないと議会で追及できませんので。誰がどれを選んだのかわからないんですよ。なので、記名投票を義務化すべきじゃないかと思うんですが、最後に御見解をいただければと思います。


○下村国務大臣
基本的には話はよくわかりますが、過去の経緯の中でやはり静ひつな状況をなぜつくらざるを得なかったかというのは、結果的に教育委員の方が命も狙われるような状況が過去あった、そういう経緯がありました。そこまでリスクを持たせながら責任を押しつけるということについていかがなものかという経緯の中で、現在があるわけでございます。

ですから、静ひつの条件が担保されているという前提であれば今の委員の御提言も受けとめられると思いますが、それはかなり、地域によって相当状況が異なっている部分もありますので、なかなか、国が政令やあるいは法令等を一律に決めるということによってかえって危うくなるようなことがあり、そのことによる教育委員会の委員の辞退者が出るようなこともあってはならないと思いますし、その辺は全体的なトータルの中で個々に判断すべきことではないかと思います。


○田沼委員 その静ひつな環境をとにかく言いわけにしてくる可能性が随分、言いわけとは失礼な言い方ですが、ことが多いので、ぜひチェックをしていただければと思います。以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。