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稲田大臣は、尊敬する保守政治家です。
しかし今回の法案は明らかに改革から後退、しかも枝葉末節ではない肝部分が抜け落ちています。

改革すること自体は大賛成ですが、内容が欠陥あり。特定秘密と似ています。というか今国会の与党案ほとんどが同様です。

答弁が的を得ないため、先に進めず、私が用意した質問の半分しかできませんでした。まあ私も欲張り過ぎていつも作り過ぎてしまうのもありますが(^_^;)

改革の本丸は、幹部公務員の身分保障を外すこと。これが骨抜きとなっている。ゆえに大臣には実質的人事権がなく、それゆえ霞が関の権限が強大(でもリーダーは散在)となってしまっているのです。ここにどうしても切り込んでほしかったのですが…

まだまだこの法案の質疑は続きますので、私も引き続きできることをやりたく思います。行政改革は、教育改革とならび、市議の頃からの私のライフワーク。強い自立した日本を作るためには避けては通れないテーマであり、維新としても本丸のテーマ。

未来の日本のため、頑張ります!

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また、下に速記録を掲載しましたのでご参考下さい。
※ ソフト変換の関係で誤字や文章の乱れがございます。
※ 尚、速記録は正規の会議録ではないため引用などはご遠慮ください。
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○柴山委員長
次に、田沼隆志君。

○田沼委員
日本維新の会の田沼隆志でございます。本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。大臣は保守の政治家として有名な方でございますので、私も尊敬を申し上げております。私も千葉市議会議員をしておりましたので。また、今回の国家公務員制度改革法案に関してですが、市会議員の経験と、それから、民間で経営コンサルタントをやっておりましたので、組織改革についても非常に思い入れがございます。そういった中で、ぜひ真摯な議論をさせていただきたいと思うんです。

いろいろ、今までの委員の皆様の御指摘のとおり、本法案は、方針、趣旨は必要、賛成と思っておりますが、やはり中身に、非常に、今までの議論でもそうですが、改革が後退をしているのではないかと感じてしまうようなものが多くございます。

正直申し上げまして、大臣の、闘う政治家でありたいというふうに何かで答えられていましたけれども、期待していたわけですが、先日の本会議での質疑でも、率直に申し上げて、官僚答弁というか、残念だなと感じることもありましたので、その辺をぜひきょうは明確にさせていただきたいと思います。

今まで各委員さんの質疑でお答えいただいていることは、また同じ質問になってしまうかもしれませんけれども、ぜひ、さらに踏み込んだ御答弁をいただければと思います。

まず、先日の本会議質疑の中で、我が党の中田宏議員に対して、大臣の御答弁で、「今回の法案は、平成二十一年に政府が提出した法案を基本とし、国家公務員制度改革基本法の条文に則し、近年の公務員をめぐる環境の変化も踏まえ、時代に応じた、新しい公務員制度を構築するものです。」と御答弁がありましたけれども、わずか四年ですね、これは。「環境の変化」...、具体的にどう変わったんでしょうか。私たちから見ると、やはり中身が大幅に後退していると思えてしまうわけですね。

では、それを納得させていただけるだけの「環境の変化」があったのか、具体的にちょっとお答えください。


○稲田国務大臣
今回の法案の基本は、平成20年の改革基本法です。そして、そこに書かれた、行政の縦割りの弊害をなくして、公務員がそれぞれの能力を高めて、省益ではなくて国益のために職務に邁進する、そういう公務員制度をつくるという思いでこの法案を提出しているところです。

その上で、どのような環境の変化があったかということですけれども、大きなものとしては政権交代もありました。そして、その中で、この公務員制度改革が、いわば官僚バッシング的な、また、政局にまみれたような不幸な歴史もあったかと思います。大震災もございました。そういった状況、環境の変化を踏まえて、今回の法案を立案しているところでございます。

具体的には、幹部職員人事の一元管理等について、平成21年からの人事評価制度の本格実施や、地方公共団体における公募に係る議論等を踏まえて、必要な見直しを行っております。

また、内閣人事局への機能移管については、労働基本権をめぐる議論の状況等を踏まえて、職員の勤務条件への配慮や人事行政の公正確保についての配慮をより明確に反映する方向で人事院と協議をして、今回の法案にしているところでございます。

そういった見直しを行って、今回の法案を提出しているところでございます。


○田沼委員
やはり説得力ですよ、大臣。震災が起きたらどうして公務員制度改革の中身が変わるのかは、ちょっと時間がもったいないから聞きませんけれども...非常に説得力が薄いと思います、正直、申しわけないですけれども。政権交代を通して、それでまた環境の変化があると言いますけれども、あるときは民主党さんと一緒に修正案を出されているじゃないですか。だから、それもやはりちょっと説得力が薄いと感じますよ。

本当に、わずか四年ですから。これは、基本法からずっと、出されたか、出されるか、廃案、廃案となってきて、満を持して出たものですね。それが改革後退ととられるようではいけないわけですよ。これは多分、多くの官僚の皆さんも固唾をのんで見られている法案ですから、やはり後退をしてはならないというふうに私はどうしても申し上げたいというふうに思います。

一つ、同じく、先日の本会議のご答弁の中で、我が党及びみんなの党から提出させていただいている法案についての御答弁をいただきましたけれども、そのときに、「国家公務員制度改革基本法に基づいてこれまで提出した法案については、さまざまな議論があって、全て廃案となった」ということで、「だから今回の法案にしたんだ」というご答弁がありました。

これも、今までのいろいろ出されたものが廃案になったから、だから今回の法案になったというように読めるんですけれども、これはどういうことですか。廃案になったから、だからちょっと改革が後退したものを出すというんだったら、おかしい。だって、むしろ、特に自民党さんが野党のときにみんなの党さんと一緒に出された法案は、とてもいいものだと思います。

これが、確かにその法案は廃案にはなりましたけれども、そのときの国会で廃案にしてしまったような国会に対して民意が「ノー」を突きつけて、今政権与党になられているわけですから、では、今こそかつて出した法案を出すというふうになるべきじゃないですか、本来だったら。なのに、何かいろいろな理由がついて、結局、その当時より後退していますよ。この後具体的にもお話ししますし、今までも指摘もありますけれども。

だから、「廃案になったから今回の法案を提出しているという経緯がある」というご説明は、ちょっと筋が通っていないと思うんですけれども、いかがですか。


○稲田国務大臣
先ほど大震災のことを申し上げましたのは、今回の内閣人事局で、人事管理一元化をするのは審議官以上ということで、600人規模ですけれども、今回のような大きな災害が起きたときには、そういう手続をとらずとも、例えば審議官級を適材適所で配置できるという条文も盛り込んだということを指して申し上げたところでございます。

その中で、今、ご指摘の、「廃案になったから」という、その廃案になったことと今回の法案との間に因果関係があるという趣旨ではなくて、自民党政権下でも一度、また政権交代後、民主党政権下でも二度、それぞれ三度閣議決定をした法案を提出し、国会で議論をしながら廃案になった経緯もあり、基本法以来の全ての法案を検証、検討した結果今回の法案になったという趣旨で申し上げたところでございます。


○田沼委員
だったら触れないでほしいというか、触れているわけですから、本当に霞が関文学というか、いろいろな点を踏まえながら、どれが直接の因果関係かわからないままの答弁に聞こえるんですよ。それはやはり非常に曖昧な姿勢に感じます。ぜひちょっとご検討をいただきたい。

具体的にちょっとお尋ねしますけれども、特に、今までの委員さんも言われている、「幹部の身分保障」ですね、これがやはり勝負だと思います、私は。

また一つ...ちょっとごめんなさい、答弁に食いかかるようですけれども...さっきの本会議質疑で気になるご答弁がありまして、「幹部の身分保障を外すべきだ」というご指摘がいろいろ各党ありましたけれども...我が党もしましたが...それに対して大臣、「基本法においては、幹部職員の範囲を超えて課長級まで降任させることや、必ずしも幹部職員を特別職とすることまでは、求めていないと考えております。」とのご答弁でしたけれども、これはもう、一歩間違えると、「ううん?」と思うところがあって、「基本法が求めていないということは、やらない」ということでしょうか。ちょっと答えてください。


○稲田国務大臣
降任については、幹部職員は幹部職員の中で、管理職員は管理職員の中でというふうに書かれていたということを指したわけでございます。
そして、なぜ特別職にしなかったかということについては、一般職であったとしても、弾力的な人事、そして戦略的な人事、抜擢もできると考えたからでございます。そして、基本法のことを引いたのは、六月の本部決定において、二十年の改革基本法にのっとって今回の法案を提出するということを本部決定でしているということを踏まえての答弁でございます。


○田沼委員
いや、でもあれは言いわけに聞こえましたよ。

だって、これは何で身分保障を外さなかったんですかと言ったら、基本法でそこまで求めていないからというご答弁でしたよ、論理的に。今のご答弁、ちょっと納得いかないんですよ。

今、大臣、一般職の方でも弾力人事できると言われましたね。ちょっと耳を疑いました、正直なところ。だって、今まで弾力人事、例えば、では降任人事、今まで何件あったんですか。


○稲田国務大臣
現時点で、今までの降任の事例というのは把握しておりません。

○田沼委員
いや、ありますよ。人事院さんの報告書をもとに調査局がつくってくれまして、平成24年は降任は2人ということです。ほかは、23、22、21年度は全部ゼロということですけれども、数字はありますよ。
ただ、知っている知っていないということよりも、これは数の少なさです、やはり。一般職34万人の公務員の皆さんの中で、降任人事は2人しかいないということです。ほとんど降任人事というのはできていないということです。だけれども、大臣、先ほど、今、一般職の方でも弾力人事できると言われましたね。それはちょっともう明らかに無理がありませんか。ご見解を。


○稲田国務大臣
今回は、特例降任制度というのを設けました。それは、弾力的な人事配置の実現のために、勤務実績がよくない場合に該当しない場合であっても、特例として降任させる措置が今回の法案で措置した特例降任制度でございます。

○田沼委員
大臣、それはご答弁になっていないですよ。

私は、この数がとにかく物すごく少なくて、一般職でも弾力人事できるというご答弁だったから、全然できていないじゃないですか、それに対して「どうですか?」とお尋ねしたんですよ。今の御説明は単なる要件の説明であって、ちょっとわからない。もう一度ちょっとお答えいただけません。


○稲田国務大臣
今回の特例降任制度の創設によって、勤務実績がよくない人でも、一段階降任させることによって、抜擢人事を実現させることができるという趣旨でございます。

○田沼委員
いや、ちょっと堂々めぐりになっていますけれども、抜擢人事できるためには降任人事が必要だと、先ほどの委員さんの議論でもあったじゃないですか。だけれども、降任人事はほとんど起きていない。でも大臣は、「一般職でも弾力人事は既にできる」というふうに言われたので、おかしいんじゃないですかとご指摘申し上げているわけですよ。それに対してのご答弁、今のだと、ちょっと直接の答えになっていないと思います。それを、やはりこの幹部、特に幹部職の身分保障、幹部職に限っての場合でも身分保障というのを打破するかどうかというのが、もう肝要の中の肝要なわけですよ。これは本当に、ある意味、野党ですけれども、私たちも賭けているわけです、この法案に、非常に重要ですから。

ちょっともうお尋ねしませんけれども、例えば、これまでの公務員改革でかかわられていた慶大の岸博幸先生、元総務大臣秘書官の方なんかも、やはり、大臣の人事権は、結局これで奪われてきたわけです、「身分保障」があったから。そうすると降格ができないから抜擢もできないということで、今まで委員さんが言われていましたけれども、これがゆえに大臣と事務次官の二重トップ構造になってしまって、ガバナンスが効いていないというご指摘があると思うんですね。これを打破できるかどうかの勝負どころがこの「身分保障」にあると考えるわけです。

だから、まず、大臣、このことに対してどう思いますか。


○柴山委員長
大臣、これまでの制度と今回導入した制度を明確に比較して答えてください。

○稲田国務大臣
これまでの制度でも、勤務実績がよくなければ、一段階であろうが二段階であろうが、降任できます。
今回の特例降任制度は、勤務実績はよくない場合には該当しないにもかかわらず、他の能力のある方を抜てきするために今のポストについている人を降任させるわけですから、私は、画期的な人材戦略、抜てき人事のための制度であると考えております。


○田沼委員
いや、それでも、大臣はそう言われますけれども、先ほど「三要件ある」と。その「三要件」の一つの中に、「ほかの幹部職員と比較すると勤務実績が相対的に劣っていること」と言っているじゃないですか。勤務実績が劣っていないと降任人事はできないということですよ。だけれども、今のご答弁ですと、できるということですね。どっちなんですか、これは。(発言する者あり)

○稲田国務大臣
矛盾はしておりません。局長としての適格性は持っている、そういう場合には降任できないんです、今の制度だと。局長としての一般的な能力はあるという場合に、降任することはできません。局長としての能力がないのであれば、今だって一段階でも二段階でも降任できます。

しかし、今回は、そういう一般的な職務についての能力はあるけれども、ほかの局長に比べて相対的に能力が劣っているにすぎない人を降任させて他の抜擢人事を行うことができるという意味において、大変画期的だと思っております。


○田沼委員
結局前と同じ答弁だと思いますけれども...ご説明ありがとうございます。やはりそれは中身が大事でして、「勤務実績にかかわらず」というように言われたけれども、「勤務実績」と定義しているわけですね。これはやはり矛盾していると思いますよ。

もっと気になるのが、平成21年法案の、これが踏襲されて今回出されていると思うんですが、この提出時に、政府が、職員団体の方との会見で、「幹部職員の降任については、裁判になっても持ちこたえられるような客観的な事実がないと降任できないと考えていて、それはそんなに起こるものじゃない」というような旨説明したというのが、この調査室の資料にありました。公務員組合の方との会見のところだそうですけれども。

これもちょっとゆゆしき発言で、つまり、「裁判でも証明できるような客観的な事実がないと降任できない」と言っているわけです。これは、さらに降任ができない仕組みになっているということじゃないですか。


○柴山委員長
委員、今対象としている公務員について、もう一度きちんと説明した上で引用してください。その降任の対象となっているのは一体どういう種類の公務員ということでそういう発言をしているかということを、引用してください。

○田沼委員
はい。幹部職員の降任について、職員団体の方たちと政府の審議官の方で協議をしていたようですね、断続的に。

平成21年の、文書でいうと、「2009年度公務労協情報No.33」という文書がありますけれども、これが、幹部職員の降任についての、職員団体との協議の結果を報告しているものですね。これだと、やはり、降任人事はそんなに起こるものではないと。裁判になっても持ちこたえられるような客観的な事実がないとできないと言っているわけです、政府が。これは今回もそうなんですか。

ついでにもう一つ聞きたいのは、「裁判になっても持ちこたえられるような客観的な事実」を証明する責任があるのは誰ですか。これは大臣なんですか。


○稲田国務大臣
平成21年提出当時に、政府が、職員団体の会見で実際にどのような説明がされ、どういった場合を想定して、裁判になっても持ちこたえられるような客観的な事実がないというふうに説明されたかは存じません。また、実際にどのような説明がされたかの詳細は、確認をすることはできておりません。
いずれにいたしましても、適材適所の幹部人事が実現されるように、画期的だと思います、この法案の適用、活用を含めて運用に努めてまいりたいと思います。


○田沼委員
いや、「確認できていない」と言われますけれども、職員団体はやはり反対の意向が強い、あるいは不安を持っているわけですよ、降任人事がやられちゃうかどうかについて。だから、政府は一生懸命、今でもそうかもしれません、説明されていると思うんです、協議で。この幹部職員の降任人事の詳細設計というのを説明されているという内容です。だから、これは非常に重要な部分で、恐らく、大臣は御存じないのかもしれませんが、事務方の方は絶対知っていると思いますよ。

では、内容だけご理解いただきたいのは、降任人事をするための要件として、勤務実績が劣っているということが客観的に裁判になっても証明できるような事実がないと、実際には余り起きないと言っちゃっているんですよ。それはおわかりいただけると思うんですけれども、これは重大なことで、では、今の大臣だって、今回この法案が成立した後に、誰かを降任させたいなと思ったときに、「客観的な事実」が必要ということですか。では、それは裁判になっても持ちこたえられるようなものじゃないといけないんですか。

先ほど山之内委員は、そうじゃない、この「三要件」を満たすかどうかじゃなくて、ちゃんとそっちの、国益に資するような方向性を持っている人を抜擢できるようにするというのが要件にあるはずであって、この「三要件」に当てはまらないとだめだというのは物すごい制約になっちゃう。だから、何件起きるんですかという議論が起きていたわけです、大熊委員との議論でも。そのことを制約しちゃうものなんじゃないですか。ちょっとご答弁ください。


○稲田国務大臣
今回の法案で、特例降任の要件、先ほどから議論になっておりますけれども、この要件を満たす限り、私は抜てき人事、戦略的な人材配置のための抜擢人事としてこの規定を活用すべきだというふうに思っております。

○田沼委員
その要件を満たす限りという、その要件が制約になっているというあれで御指摘申し上げているわけですけれども、やはり大きな、これからの公務員制度の改革のための法案だと初めに申し上げました、期待を申し上げていると。しかし、今の御答弁だと、はっきり言って本当に起こるのか、こういう身分保障を外したような、抜擢人事と今言われましたけれども、本当にできるのかということに非常に疑問があるわけです、実効性において。だから御答弁をいただきたかったんですけれども、時間があれなので、ちょっと次に行きます。

もう一つお聞きしたいのは、平成22年の自民党案、自民党さんとみんなの党さんの方の提出案は、やはりとてもよかったです。これだと、今回の特例降任、これは下がるとしてもワンランクだけですね。だけれども、自民党案だと、二ランク、三ランクも、幹部職から管理職にも降任できるようになっているんですよ。ここまで自由度を上げて、法案として今回出すべきだったんじゃないかと思うんです。
しかし、なぜやめたのかについて、改めて御答弁ください。

○稲田国務大臣
基本法では、幹部職員は幹部職員の中で、管理職員は管理職員の中でという規定になっていたかと思います。そして、委員御指摘のように、局長を課長までおろさないと抜擢人事ができないのかというと、私はそうではないのではないかというふうに思っております。そして、今回は特例として降任させる措置を新設したわけでありまして、幹部職員として能力、実績を有する職員は、できるだけその幹部職員に近い、一ランク下ですけれども、そういうところで活用するのが適切であると考えて、今の規定にしているところでございます。


○田沼委員
いや、民間だったら、やはり役員になったら一度退職させて、自由な中で特に執行部の人事体系を組んでいくわけですよ。そういったことを目指されたと思うんです。だって、もともとそういうふうに、「省益から国益に資するためだ」というふうに言われていたじゃないですか。自由度が物すごく大事なのにもかかわらず、はっきり言って、一ランクしかできないというふうに制約を既に設けている時点で、極めて実効性に疑問があるわけです。

今までに多くの委員も御指摘ですし、識者の方も言われていますけれども、そうすると年功序列になってしまう、順送り人事になってしまう。これを打破しないと、未来というか、霞が関の多くの若い職員さんも、その部分を非常に見ていると思うんですね。なので、打破していただきたかったわけです。

ちょっとお聞きしたいんですけれども、抜擢人事を目指すということですけれども、これまでに抜擢人事というのはどれだけの件数があったんでしょうか。ちょっと抜擢人事というのはあれでしたら、年功序列的でない人事の件数をお答えください。単なる件数じゃなくて、できれば全体の中での割合でお答えください。


○稲田国務大臣
今回、内閣において内閣人事局をつくって、そして、総理、官房長官から、大臣に任命権はあるけれども任免協議ができるというのは、まさしく、大臣から上がってきたその名簿が同期横並びとか年功序列的になっているときに、「それはちょっとおかしいんじゃないですか」ということを言える、そもそも人事するときに、「言える」仕組みだというふうに私は捉えているところです。その上で、平成二十三年度における採用昇任等基本方針に基づく任用の状況によれば、例えば、 Ⅱ種及びⅢ種試験等で採用された管理職職員の割合が、前年度に比べて増加をしております。

また、外務省において、二段階級以上上位の職制上の段階に属する官職に昇任させた事例等があるものと承知をいたしております。


○田沼委員
ちょっと全体の中の割合がよくわかりませんので、これまでの脱年功序列人事の事例はわかりませんけれども、とにかく目指していただきたいんです。抜擢人事ができるように、脱年功序列できるように、それを多くの志のある職員の皆さんが固唾をのんで見守っていますし、それが国益にも資する。多分、大臣もそれを目指されていたはずです。

だけれども、そのためには、時間なので終わりにしますが、これはやはり「身分保障を外していく」ということでもっと踏み込んでいかないと、ちょっと難しいと思います。しかも、「裁判に答えられるような客観的事実を大臣が証明しないといけない」というようになると、これはほぼ無理だと感じちゃいます。そうすると、この法案は「改革には後退している」と結論せざるを得ないわけですね。

ですので、これから、ぜひ、また修正のこともご検討いただきたいというように申し上げまして、私の質問を終わりとします。

ありがとうございます。