大河ドラマ『八重の桜』の舞台である会津藩では、幼少の子供達に気骨ある規範教育がなされていました。その教育理念の中心は、「什の掟」。「年長者の言ふことに背いてはなりませぬ」、「卑怯な振舞をしてはなりませぬ」、など7つの規範が定められています。「ならぬものはならぬ」という掟の最後の言葉は、理屈を超えた道徳、筋を貫き通す執念を子供達に身につけさせたのです。

 そういった、会津の教育を支えた、日新館。十歳になった藩士の子供達に、学問・礼節を細かく指導しました。これにより、私欲によって道義を曲げない強き藩士を多数輩出。会津戦争で壮絶な最後を遂げた若き戦士たち、白虎隊。義和団の乱において、混乱する連盟5カ国を巧みにまとめ上げ、欧米各国から賞賛が相次いだ柴五郎。皆、日新館の卒業生です。
 
 什の掟は、現代に欠けた倫理観を示しています。秩序を重視し規範を守ること、ならぬものはならぬという姿勢は、日本人のもっていた美しさであったはずです。私たちの道徳心を考え直す必要がありますね。

(『いどばた稲毛』2013年4月号掲載)


千葉から、日本維新! 日本維新の会・田沼たかしの挑戦-会津藩校・日新館の水練場(写真の出典:Wikipedia)