呉竹会が発行をしている、「青年運動」の第970号に、私の主張が掲載されました。

是非ご覧ください。

※なお「呉竹会」のホームページは http://www.kuretakekai.jp/information/index.html です。



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「青年運動」平成25年2月15日(第970号)


この度の衆議院議員選挙において、日本維新の会公認で千葉1区から立候補し、当選させて頂いた。小選挙区では敗れたものの、惜敗率の高さから、比例復活できた。青年運動読者の同志諸兄あっての勝利。心から感謝を申し上げたい。


原点と志


衆議院議員としての活動を展望するにあたり、私の原点に立ち返りたい。

私の政治家としての原点は、鹿児島県知覧にある。30歳の時、知覧の特攻平和会館にて、特攻隊の青年達の実物の遺書を読み、大きな衝撃を受けた。一人ひとりの若者が、生き、悩み、決断した証しである実物の遺書。どれも涙なしに読むことはできなかった。20歳前後の若者達が、国のため、故郷のため、愛する家族を守るため、命を捧げていった。その真摯な想いに触れ、魂を打ち抜かれた。

そういった多くの先人たちの努力や犠牲の上に今があることを、実感として初めて知り、国のために命を捧げた英霊に心から感謝するようになった。ひるがえって現代の平和と豊かさに甘えている自分が恥ずかしくなり、「自分自身も世のため人のため立派な仕事をしなければならない、そして彼らが命懸けで守ろうとした日本をしっかり受け継ぎ、立派な国にしなければならない」、そう強く思うようになった。危機的状況の日本を放っておいては、英霊に申し訳が立たない、政治に文句を言うぐらいだったら自分でやろう、失敗したって死ぬわけじゃない、そう決意した。同時に、こういう立派な若者たちの犠牲の上に今の日本の繁栄があることを、現代の多くの若者に知ってもらいたいと強く思うようになった。

ゆえに、私の使命は脱自虐史観であり、英霊に応えることだ。その志で、ゼロから政治の世界に飛び込んだ。ただその道のりは平たんではなかった。私は本当にゼロからのスタートで、それまで政治とは無縁の会社員。親族に政治家もいない。資産家でもない。まさに地盤看板鞄なし。そして無所属ゆえ、選挙のやり方もわからない。五里霧中の中、莫大な無駄を繰り返しつつ、手さぐり手作りでやってきた。初めての県議選では落選。3年間浪人した。その後、市議補選、本選挙と、2期連続トップ当選させて頂き、今回の挑戦に至る。私の中では、あのつらかった浪人時代を忘れたことはない。常に慢心せず油断せず、捨て身で国家国民のために尽くすことを誓っている。使命を果たせないなら政治家なんてやっていても意味がないと思っている。

そういう原点のため、千葉市議会議員として2期3年あまりの中で、最も力を入れて取り組んできたのが、日本に誇りを持てる歴史教科書の採択だ。市議会での質問でも何度も取り上げ追求した。愛国議員の一員として、全国に同志も多くできた。

しかし、結果はなしのつぶて。誇りを持てるとは到底いえない、自虐史観の教科書が採択された。全国ほとんどの自治体も同様の結果。教育基本法が改正されたにもかかわらず、である。
教育委員会が採択した理由も、会議録をみると「装丁がよい」等の愚にもつかないもの。市議会で内容のおかしさを追求しても「国の指針に従っている」「県の通知に従っている」といった優等生答弁ばかりで議論がかみ合わない。悔し涙を流した。

そして徐々に、教育行政に関する決定権者がはっきりしない教育委員会制度に問題があるのではないか、それゆえまともな教育内容の議論は欠如し、前例踏襲的な決定しかできなくなっているのでは、と考えるようになった。



維新の会との出会い、そして立候補へ


そんな中、橋下徹大阪府知事(当時)率いる大阪維新の会が、教育委員会制度の欠陥をフォローする「教育基本条例」を提案。これに私は深く感銘。これこそ問題の本丸だ!と思い、無所属ながら維新の会を勝手に応援し始めた。条例内容を引用して千葉市議会で質問したりもした。その後、大阪で政治塾が始まるというので迷わず参加。そして日本維新の会の立ち上げ、国政進出。掲げられた維新八策には「教育委員会制度の廃止を含めた抜本的改革」。再び感銘し、ぜひ我が身を以って応援したいと思っていた。

そんな中、野田総理の突然の解散表明により11月16日に衆議院が解散。その時私は千葉市議団のIR視察でシンガポールにいた。それぐらい突然のできごとであった。私が日本維新の会から公認をいただいたのが11月21日。投票日までわずか25日間。まさに超短期決戦であった。
立候補の環境・条件も、正直よくなかった。私は市議としては二期連続トップ当選をしており、みすみす安泰の地位を捨てることになる。対立候補はNTT労組など巨大な組織から支援を受けている。また、千葉1区はみんなの党の候補者もおり、第三極として票を食い合う(実際、両党が競合した20以上の選挙区で、当選できた維新の議員は私を含め数人のみだった)。そして私の子供は0歳10か月になったばかり。選挙区の1/3は市議会議員として地盤があったが、他の2/3は全く知名度ゼロ。非常にリスクが大きかった。

それでも立候補を決断したのは、今行動しなくてはならない、今やらねば将来子供に怒られる!と心底思ったからだ。ライフワークの教育問題だけではない。まもなく1,000兆円を超える巨額の借金、払っても返ってこない年金、生活保護は3兆円を突破、少子超高齢社会、生産年齢人口の減少、経済成長は20年間ゼロ、硬直した行政や統治機構、危機的な領土防衛・・・、何より「自分さえよければよい」という依存精神の蔓延。日本は本当に国が滅ぶ寸前である。

この閉塞した危機的状況を打破するには、各分野で、前例を超える大胆な改革が不可欠。中央依存の統治機構を改め、県の廃止と道州制導入など、地方分権を進める。他国依存の安全保障を改め、自立した国家となる。国民も、行政や他者依存から自主自立した国民へと転換できるよう、政治が導いていかなければならない。これは維新の会でしかできない…! その信念で選挙戦を戦い抜き、勝利することができた。

大きな組織からの支援も受けずに、維新の政策に賛同していただける方々の力のみで勝ち取った議席。大切にしたい。もちろん、保身の意味ではない。維新の会ならではの存在感、鋭い切り込みを、国会で示していく。同時に、次は小選挙でも勝てる、地域で信頼ある政治家を目指す。その2点をここに誓いたい。



自立、責任、競争で、強い日本へ


維新の会は強烈な理念を持っている。依存を排し自立を促す。責任を明確にし甘えを許さない。競争と努力を重んじ淘汰を恐れない。すべては、強い日本を作るため。そのためにはリスクも取る。

その理念のもと、私が国会議員として何よりも取り組みたいのは、やはり教育問題だ。これまで教科書問題のみならず、いじめ問題、学級崩壊、教育委員会のあり方など、市議として現場を見つつ様々な問題に取り組んできた。特に教育委員会改革は、以前にもこの紙面で二回にわたって「教育委員会は解体的出直しすべし」と論考を掲載させて頂いた。

『教育行政の最大の問題点を一言で言えば「治外法権」である。責任と権限が一致せず、問題が起きても誰も責任をとらない。その結果、事なかれ主義・無責任行政・隠ぺい体質になる。大津のいじめ自殺事件においてもこの点が露呈した。』これはその論考の書き出しだが、今回の大阪市立桜宮高校の体罰自殺事件でも全く同じことが繰り返された。教育委員会は現場を全く管理も改善もできていなかった。橋下市長が入試中止を求めたのはその流れを断ち切るためだ。

戦後、GHQによって作られ、是非が曖昧なままずっと続いてきた教育委員会制度。その間隙をぬって、今回の事件も起こってしまった。もういいかげんに変えなければならない。

具体的には、権限と責任を首長に集中させ、代わりに選挙で審判を経ることで、教育行政に民意を反映できる制度にする。それが教育委員会の廃止である。

教育委員会制度の改革は、戦後教育体制そのものの見直しである。「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍政権がまさに取り組むべきテーマと期待している。その際は、官僚主導型の微修正改革ではなく、国民目線に立った抜本改革となるよう、維新の会として中身をきちんとチェックしていきたい。

その上で、自虐史観ではない歴史教科書の採択を推進する。教育基本法は改正され、愛国心の涵養は目標となった。その目標に沿った採択がなされるよう、チェックをしていきたい。

今国会で私は文部科学委員会の所属となった。まさに上記テーマを追求するに相応しい場だ。まずは教育委員会制度の改革。そして、教科書採択の改善。この二段階で、日本に誇りを持てる教育づくりを実現させたい。

そのほか、自立重視の社会保障への転換や、地方の分権・自立と都市間競争による強い日本づくり、更には既得権益と断固戦い構造改革・経済再生を果たすことなど、強い日本をつくるために取り組まなければならない大テーマが多数ある。まだ日本に力があるうちに、思い切った改革をしなければならない。

今こそ、維新の突破力が必要である。既存の大政党が、官僚任せや、支持母体とのしがらみに陥っていては、時間切れとなる。リスクを恐れず決断する政治を実現できるのは、しがらみのない維新の会しかない。玉石混交、様々報道がなされているが、読者諸兄にはぜひ、印象ではなく政策・実績をご覧頂きたい。真に日本のことを思い行動している政党、それが日本維新の会であると、ご理解いただけるはずである。


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