平成24年第1回定例会 一般質問を6月22日(金)に行いました。

議会質問の原稿を、掲載します。

例によって、原稿ですので、実際の質疑とは異なります。ご容赦下さい。

実際の質疑の様子は、以下動画でご確認下さい。
http://gikaimovie.city.chiba.jp/12_2/0622_03.html


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無所属の田沼隆志です。

国会はいよいよ混乱を極め、小沢新党の話も出てきました。
この混乱に一国民として、残念な思いでいっぱいですが、
政界再編を私は長年希望してきましたので、その面では期待しています。

もともと根本は、マニフェストに無い増税を言い始めたこと、増税派の野田さんが代表選に出てきたこと自体が、筋違いでした。根本、理念が定まらないと、矛盾が噴出し、おかしな結果になることを如実に示しています。
そもそも綱領のない、自民党からの政権交代、しか理念のない党ですので、当然の帰結と思います。

私はこのドタバタに振り回されず、自立した、強い日本を千葉市から作って行く決意で、媚びずにブレずに、提案していきたく思います。


それでは、通告に従いまして、一般質問を始めます。
なお、時間がないため、項目3 市役所ガバナンス は撤回します。


1.市長部局の教育に対する役割について


 偶然私と同じ「維新」を名乗る、大阪維新の会提出の、教育基本条例が大阪府市で成立しました。この条例は、首長が教育目標を決定する、それが未達成ならば罷免を含めて評価するというものです。スライドのように、

$千葉から、日本再建! ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦



いまの教育委員会制度は事実上、オレンジの現場を仕切る教育長の独裁になっています。首長は口出し不可。水色の教育委員さんは、表面上は最高責任者ですが、常勤でもなく事務局には先導されており、実質お客様状態となっています。

 そこで新たに、民意で選ばれた首長が、教育委員が達成すべき教育目標を、教育振興基本計画の中で定め、教育委員が責任者としてきちんと機能するよう評価をしていく仕組みにするのが、この条例です。画期的と言えます。
 どんな組織でも、目標を明らかに定め、その進捗をきちんと評価すると、一気に活性化します。今の教育委員会制度にはそういう「目標設定と評価」という観点がない。これを改善しようとするこの条例を、私は高く評価しています。

 こういう事例は大阪だけでなく、例えば鳥取県でも、知事と教育委員会が共同で「教育振興協約」を締結しています。この中では、不登校児の数について全国平均を下回らせる、といった数値目標も掲げられており、同じく評価できるものです。
こういった、市長部局が適切に教育行政に関わって行くことが、現状の問題打破にとても大切です。

 さて、本市を見てみますと、振興計画にあたる「千葉市学校教育推進計画」の策定に、市長部局からも何名か参加しています。しかしスライドで見るように、

千葉から、日本再建! ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦

あくまで教育委員会主体。市長のリーダーシップで策定されてはいません。そこでお尋ねします。


【問1】市長にも教育観があると思いますが、それを実践する上で、今の制度をどう考えるか?評価しているか?
【市長】事務局主導になっている。議論することは意義あり。


【問2】おお、前向きですね!うれしいです。ではそれは即ち、事務局主導体制を改めるべき、ということでしょうか?
【市長】責任の所在明確化必要


【問3】おお、その通り!では責任の所在を明確にするために、市長部局として、具体的に何をするのか?
【市長】国注視、委員決定を支援


あら… 残念! 急に「支援」と、曖昧になってしまいました。では具体的に確認させてもらいます。


【問4】市長がリーダーシップをとって教育振興基本計画の中で教育目標を決定すべきと考えるが、どうでしょうか?
【市長】共通目標を持つ必要あり


お!目標を持つ! そうですよ、その通り! ではお尋ねします。


【問5】共通目標を持つために、具体的には何をするのでしょうか。今の諸々の計画のままでよいということか、それとも新たな取り組みが必要ということでしょうか?
【市長】教委と目標一致

 …。つまり新たな取り組みはやらない、ということですね…

 これまでの質疑はなんだったのでしょう。市長は「事務局主導過ぎ」「責任の所在明確化必要」と言ってたではないですか。それをどうやってやるんですか? 現行の諸計画のままで、責任の所在は明確になりますか?

 改革すべきことがわかっているなら、そのためにリーダーシップを発揮して欲しいのです。他の人にはできないんですから。この答弁は理解できない。言葉で改革必要と言ってますが、実行を伴っていない。

 市長という職にある人には、もっと教育にも危機感をもって、その改革をリードして欲しいのです。危機感が足りな過ぎる!ぜひとも再考し、責任を明確にできる目標の設定を、強く要望します。



 続いて、教育委員の人事についてです。

 これは昨年9月議会でも取り上げ、また先の3月議会で私は委員の同意人事に反対しました。非常におかしなままですので、改めて質問します。

 教育委員の選任では、スライドの項目が要件となっています。

$千葉から、日本再建! ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦



特に人格識見が「ならでは」ですね。

 しかし現在の同意人事のプロセスでは、この要件を満たすかを議会が判断するには、情報提供があまりに少ない! 紙一枚に、顔写真と、数行の経歴だけ。これでは責任ある判断は、どう考えても不可能です!そこでお尋ねします。


【問7】同意人事のとき、たとえばご本人に委員会に来場してもらい質疑を受けてもらうとか、あるいは教育への思いを書いた論文を出してもらうなどが必要と考えますが、そういうことは法的に不可能なのでしょうか?
【答弁】不可能ではない。

不可能じゃないんですね?

【問8】では、議会としての責任を果たすため、今まで以上の情報提供を求めたいです。それはできないのですか?
【答弁】これ以上は考えていない。

 理解できません… あの紙一枚で、どうして人格や識見が判断できるんですか? 全く理解できない!

 中教審の答申でもこう言ってるのです。「議会は,教育委員の選任について同意するに当たっては,教育委員としてふさわしい人材か否かを、十分吟味し慎重に行うことが望まれる。」

 これは議会に対する指摘ですが、逆に言えば市長部局は、判断のための適切な資料を提供すべき、と言っていることになる。これを受け止めるべきではないですか?

 本当にわからないので、具体例にそってお尋ねします。

【問9】第1回定例会での人事案件の際、市長の選任理由説明では、その委員候補を選任した理由として、長年の学校医としての実績、と答えていました。が、それで人格の高潔さや教育への見識についての情報提供は十分だと考えるか。市長にお尋ねします。
【市長】考えている。

 市長。本気で言っているのですか? 私には全く「十分」と思えない。もう一度言います。それでどうして人格や識見がわかるのか? その感覚を疑います。

 校医さんなのはわかりました。おかしな方ではないでしょう。でもそれでどうして、教育の識見あり、人格高潔、となるのですか? 校医さんの中でも、教育の識見が、ある方も無い方もいるでしょう。校医だ、というだけでは、判断は不可能です。

 ましてや、私のライフワークである教科書採択正常化には、各委員がどういう歴史観をもっているか、どうしても確認したい。愛国心や、伝統文化への感性も確認したい。これらは教育基本法で定められている目標ですから、教育委員さんも当然これを強く持っていなければなりません。

 人格の高潔さにいたっては、もう会ったり話したり、せめて何か文章でもないと、わからないですよ。常識的に考えて。違いますか?

 教育委員さんとして誰を選ぶか。これは市長部局が果たせる数少ない教育への役割の1つなのです。ですからきちんと、責任を持って選任してもらいたいし、我々議会にもきちんと情報提供して、同意を獲得して欲しい。強く強く要望します。

 この、教育委員の選任は、冒頭で指摘した問題である、事務局主導過ぎ、とも密接に関わります。前例踏襲、流れ作業のように選んできたら、選ばれた側も「お客さん」になってしまいます。最高責任者としての自覚も持ちにくい。

 これを打破するには、やはり責任者としてしっかりやるぞと決意している、そういう人を集める仕組みが必要です。そのためには私は、官民問わず、地域も問わず、広く優秀な方を募る、公募を行うことが、最も効果的と考えます。

【問10】そのつもりはありませんか?
【市長】研究する。

 市長は公募好きですからね。ぜひ勇気を持って、前向きな検討を要望します。今のままよりは必ず良くなると私は思います。


 とにかく、教育委員の選任にも、目標設定にも、もっと真剣になってもらいたい! 市長部局が教育改革に対してできることは、まだまだ残っています。