櫻井よしこさんの、講演会に参加してきました。

相変わらず、具体的で論理的な指摘に、大変勉強させていただきました。



以下備忘録です。
例の如く、録音起こしなどではなく、その場で聞きながらiPhoneで必死に打ったメモですので(笑)、
正確性などは保証できません。
発言内容の問い合わせはご容赦ください。


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日本の問題を一言で言うと、存亡の危機。

そう聞くと、我々は、明治維新や大東亜戦争を思い出すだろう。

明治維新は不利な状況を見事に克服した。

大東亜戦争では幾百万が亡くなり、史上初の占領。

今の危機は過去よりも深刻なのは、日本の枠組みが他国の思惑で壊されたままだから。戦後日本は、日本ではなかった。

周辺諸国は地殻変動とでも言うべき動きがある。注視すべき。



日本の脅威は、ある意味、中国に尽きる。

GDPは世界第二位。

軍事的には四半世紀連続で10%以上の軍拡をし、世界第二位の軍事国。

人口も、文化も、国家戦略として使う。



中国の力はどれくらいか?意図は?

ある人は、清朝の版図を目指しているという、が、もっとかもしれない。

戦略論では、力と、意図が、重要。しかし意図は、一夜で変わる。ゆえに力を見るしかない。







台湾、朝鮮半島は、日本の安全保障に大きく影響。





台湾の総統選は馬英九さんが勝ち、台中関係が深まった。台湾人150万人が中国で働いているという。家族を入れれば600万人。人口2300万人の台湾のうちそれだけを占める。ここまで来ると、分離は難しい。経済優先となれば、中国に絡め取られるだろう。馬英九はそこをうまく使った。

もう一つの敗戦理由は、もし民進党を選ぶと、中国の機嫌を損なうという、恐怖心が台湾国民にあった。





中国は長らく台湾を確信的利益と言ってきた。海峡を挟んで、中国の方が軍事的に優位。

中国は24万人、台湾は12万人

第五世代戦闘機ある、台湾ない。

70隻の潜水艦、台湾数隻。

空母ある、台湾ない。

核兵器がある、台湾ない。



しかし中国人の要人と話すと…

軍事的に台湾を獲ることは、現代ではない。経済的に獲る。

いま台湾は独立が非常に厳しい状況。同情する。





台湾をとられたら、南シナ海は非常に厳しくなる。

小国が堂々と中国に、南シナ海は中国だけと海ではない、と言えるのは、後ろにアメリカが控えているから。しかしもし台湾がとられると、第七艦隊は入りにくくなってしまう。



我が国にとっても、台湾がとられると、シーレーンが守れなくなるリスク。

先日チベットの首相が来日した。中国は怒り、様々な圧力をかけてきた。台湾がなければ、更にしかけてくるだろう。







朝鮮半島は、金正日が死んだ。金正恩の力はまだわからない。

世界にとって大事なのは、この半島が民主主義で統一されること。

一番よいのは、韓国が主導した統一。

しかし北朝鮮の後ろには、中国、ロシアがいる。

例えばイランへのアメリカによる金融制裁をしたが、EUは追随したが、中国が原油を買い続けているため、事実上制裁が効いてない。

イランに対して北朝鮮は核開発技術を輸出した。それを黙認したのは中国。



北朝鮮は100万トンの食糧が不足している。アメリカは24万トン、人道的支援をするとした。でもミサイル発射で立ち消えになる。

日本は支援しない。拉致がある。

中国は米100万トンの援助を決めた。その代わり、日本海側に面した、羅津という港の埠頭の、租借権を得たという。国境からは60キロ。すぐの距離。

http://sankei.jp.msn.com/smp/world/news/120215/chn12021514400002-s.htm





このインパクトは大きい。





中国は日本の土地を買っている。新潟の中心部を買った。ここは羅津から塩の流れで来るとぶつかる港。

なお中国の土地を外人が買うことはできない。

アメリカでは、相互主義の考えから、土地は売らない。

しかし日本には規制がない。





中国は行けるところまで行くのが戦略。

お金を使うか?

軍事力?

人を送る?

文化で?

ありとあらゆる手段で精力を拡大している。

そして北朝鮮をも守り続けている。





中国に対して、アメリカは、強硬派と不干渉派がいる。

国際法が通じる、価値観の変換を促したい。

軍事力を持ちつつ、価値観を掲げる。



一例がミャンマー。ミャンマーはチベットから降りてきた人の国。

国土がとても大きく、そして中国からすれば、ミャンマーを通って、インド洋に出られる。マラッカ海峡を通らなくて済む。

中国はスリランカ、パキスタンに、軍事拠点を築いている。インドを囲む形で。インドという首にかかる、真珠の首飾り。

いまミャンマーは、少しずつ中国から離れつつある。民主化を進めつつある。

元々ミャンマーはなぜ中国に近付いたか?軍事政権に西側は不寛容だったため、止むを得ず中国に近付いた。しかし徐々に西側にきた。経済援助がもっと広がれば、ミャンマーは中国から自立できる。

ミャンマーがそうなれば、チベットと陸続きであり、血筋も近いので、チベットの民主化に大きな影響がある。これは大きなカードになる。



アメリカも先進国も、軍事的衝突は考えていない。しかし体制転換を仕掛けたい。

日本は価値観を巡る戦いの先頭に立つべき。



インドと日本は、歴史観を共有している。

日本の大東亜戦争にも大義があったことを知っている。

その元に





世界はいま、第二の冷戦。

中国、ロシアが、シリアのアサド政権を守る。反体制派の後ろにはアメリカをはじめ自由主義陣営。

イランも同じ。

価値観を異なる陣営を、





自由を求めるのは、人間の根源的欲求。死んでも民主主義を求める。だから焼身自殺などをする。

自由を求める願望の前に、自分の命は小さいと考えているのだ。

中東のジャスミン革命は止まらない。

ロシアの反プーチン運動も大きかった。



これらの民主化の動きは、中国にも波及。国内での暴動が、18万件起こっているとのこと。国内で路線闘争が始まっているともいう。



民主化の動きは、ロシアにも中国にも、必ず及ぶだろう。歴史の流れは、自由主義、民主主義。その先頭に立つべき。



日本がそうなるには、立派な国にならねばならない。

戦後日本は国家ではなかった。自力で国土を守らねばならない。

たった一度、大東亜戦争に負けただけで、憲法も、教育も、あらゆるものが、占領期に変えられた。

占領が終わったあと、変えればよかったのだが、当時の政治状況が許さなかったのだろう。





いまの憲法は異常。

第三章は10~40条。ここは日本人らしからぬ言葉が並んでいる。自由9回、権利16回。責任と義務は数回のみ。

これは日本人の価値観ではない。

東日本大震災で現れたのが、公の心。これこそが日本人の心。



第三章には、家族の大切さを書いてない。世界の憲法でも、家族のことを書いてないのは珍しい。



第二章、9条。前文。

平和を愛する諸国民?中国、ロシア、北朝鮮は?

理想をもちつつも、現実を見なければならないが、我が国の憲法は、他人依存。

憲法を変えること。それにより、日本人の自覚と誇りを取り戻せる。



憲法改正には2/3必要。しかし民主主義は1/2。

96条改正議連がある。これを第一歩として、日本文明の本質を守る憲法を作らねばならない。



その動きを誰よりも待っているのは、アジアの国々であることを、忘れないで進んでいきましょう!














●質疑

北朝鮮のミサイルは、国防を考えるよい機会。我が国の防衛体制強化につなげたい。



米中関係の接近…日本を無視できなくなっていけばいい。



自衛隊の縛り…警察官職務執行法で動いてるのはおかしい。国軍として位置付けるべき。国民は政治家にもっとそのことを言うべき。



戦後教育…失敗。昔のままに戻れなくても、日本の文化文明の素晴らしさを伝えられれば、自然と蘇るだろう。

大東亜戦争のときの日本の軍人がいかに素晴らしかったか。敗戦後、ソ連にシベリアで強制労働させられた。

ウズベキスタンにも連れていかれた。そのとき、鉄道建設のみならず、劇場も作らされた。そのあと長いあと、大地震が来た。周りの建物はほとんど潰れたが、日本軍人がつくった劇場だけが残った。極限状況にあっても、日本人は仕事に誠実さを失わなかった。その感謝と顕彰の石碑を、ウズベキスタンが独立したあと、大統領が建設した。

こういう具体的な事例を子供に伝えるべき。



エネルギー問題…イギリスでも、福島のあと、反原発世論が高まったが、科学委員会が丁寧正確に伝え、世論は収まり、むしろ原発推進になった。

川内村に行ったが、郡山駅よりも線量低かった。

原爆の被爆者もたくさんいるが、男女ともに寿命も長く、政令市でもっとも健康度が高い。

新しい原発なら、相当の安全性も確保できてきてる。そして、太陽光発電はドイツが推進していたが、うまくいかず政策転換しつつある。

イスラエルがイランを攻撃する可能性は高い。そうなると原油価格が高騰する。それで日本はやっていけるだろうか。



放射能を、軽んじてもいけないが、恐れてはいけない。あくまでも冷静に考え、続けるべき。そして物事の実態をきちんと知るべき。