毎月参加している、政経倶楽部の例会が、12日にあった。

http://www.seikei-club.jp/


今月の講師は、みんなの党 渡辺喜美代表だった。



千葉から、日本再建! ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦



私は2010年の参議院選挙では、主に日本創新党を応援したが、

信条としては、自民党、みんなの党にもかなり共鳴している。

選挙前は、稲毛に渡辺代表が講演に来たときの、補助などもした。



みんなの党は、国家観や愛国心がよく見えないが、

統治機構改革の大胆さや、行財政改革の的確さ、

そして何より党議員がみな政策的に極めて統一されていることに、とても感心している。

千葉市議会でも、自民党同様、私は親しくしている。



久しぶりの渡辺代表の講話は、さすがに話術が面白く、

また内容も共鳴するものも多かった。

以下、備忘録。

文責は田沼。ただし内容についての問合せはご容赦を。



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・今回の「税と社会保障の一体改革」ペーパーはひどい。名目成長率が2%なら、10年後に消費税15%必要だが、4%なら増税は不要。しかしそういう試算も全く書いてない。



・家計なら、ピンチなら、まずへそくり使う。バランスシートを圧縮する。しかし国はそうならない。




公務員は身分保障のまま、省から外郭団体などに現役出向している。退職金は一回のままだからいいじゃないか、と前原さんは言う。

しかし、公務員が行くと、そこは植民地になる。そういうところが多いから、日本が成長しない国になった。その問題に切り込んでいない。



民主党も以前は歳入庁を言っていた。しかしできない。なぜか。財務省が認めないから。財務省は国税庁のままなら傘下なので、独立を認めたくない。





・国税徴収法が適用されて保険料を集めた例は、なんと一件もない。取られる方からしたら同じだが、役所には、税が上、保険料が下、というヒエラルキーがなぜかある。こういうのがたくさんある。



とりっぱぐれは、年金6兆円、健康保険料6兆円ある。歳入庁できたら、共通番号制になる。これで5兆円ほど回収できる。しかしこういう不都合な真実を言わない。いまの内閣の政策は、財務省が主導している。



消費税も帳簿方式をパソコン化すれば3兆円回収できるのに、いまだに帳簿方式を20年間やっている。やるべき改革をやっていないのに、増税だけやろうとしている。





・日本は国債価値が下がらないのは、消費税あげる余地があるからではない。バランスシートが650兆円と大きいから。うち約500兆円、金融資産がある。特別会計などに。これを活用すべし。増税すれば、更にバランスシートは巨大化し、大きな政府なってしまう。逆の方向。



野田さんは、昔は違ったのだが、財務副大臣になった頃から、増税派になってきた。財務省は政治家を動かすのがうまい。「こういう不利な改革ができる政治家こそ偉いんです」などとそそのかす(笑)



何が問題の本質か。官僚は試験で選ばれてる。そういう一番よい組織が、一番最初に硬直化していく。イノベーションを忘れていく。戦争でも、抵抗し難い空気となり、日米開戦やむなしとなった。



・消費税をあげないと財政破綻する、とはウソ。ギリシャは23%だったが破綻した。働く意欲が低過ぎたのが真因。今の民主党政策はサッチャー政権前の英国病を目指しているようにみえる。



・安倍内閣が脱却をうたった、戦後レジームは、まだ各所に残っている。

URはかつての住宅営団。1940年頃、借地借家法だったので、持ち家を推進する営団。

かつての統制会。いま経団連。

米のは、農協。

マッカーサーはニューディール左派。憲法が象徴。これが日本の悲劇だった。



自民党は官僚依存。民主党は組合依存。両方、1940年体制の維持派。





・いまの民主党は、財政金融一体政策すらやっていない。高橋是清は蔵相になり、円安を誘導。財政出動(日銀引受)、金融緩和。出動だけすれば国債金利があがり、円高になる。

東日本大震災直後でも、神戸同様、円高になることを懸念し菅総理に提言もしたが、結局円高になってしまった。





・為替相場は内閣の通信簿。安倍内閣118円。今78円。これでは空洞化するのは当たり前。





・日銀のバランスシートが141兆円。ドルは三倍になってる。これでは円高になるに決まってる。





・問題の本質は、政治家がおバカだから。官僚に任せ過ぎた。





・非常事態こそ、真価が問われる。経営でもそのはず。危機管理は反射神経。北朝鮮主席が死んだときも、野田総理は動きが鈍かった。





・小さな政府でいいはず。試験で選ばれた役人では、ガバナンスきかない。政治家はおバカで役人に丸投げしてるうちに、反射神経も錆び付いてしまった。





・統治機構を変えようと橋下さんは出た。そして橋下さんは電力会社を批判したが、電力会社は公安の天下りを受け容れてるので、選挙のとき、公安ネタがたくさん雑誌に出た。あれは公安しか持てない情報だ。

しかし橋下さんはこれに反射神経で対抗し、「バカ文春」などと連発した。見事。




総理がコロコロ変わるのを防ぐなら、国民が直接選べばよい。首相公選制だ。そうすれば四年もつ。憲法も改正しないでできる。




・いまの政治家は、朝立ち夕立ち新年会に忙殺されており、勉強できない。おバカな議員が多いから、官僚はコントロールしやすいと、喜ぶ。この問題を打破するため、選挙はすべて比例にすべき。





・官尊民卑の文化を変える勢力が、みんなの党であり、大阪維新の会。

みんなの党と大阪維新は極めて連携している。政策ブレーンが同じ。

目指すのは、脱官僚、地域主権、増税より成長。







●質疑応答

Q(田沼):みんなの党と大阪維新は極めて連携とのことだが、それに関連して。

維新の出した教育基本条例に感銘している。これをみんなの党もやるのか?地方や国政において。

そもそもみんなの党は、保守なのか?


A(渡辺):やる。あの条例も、同じ政策ブレーンが作った。橋下さんが文科相に「首長が目標設定できないのはバカにしてる」と言ったが、その答弁を文科相にさせたのは、自分の質問。

みんなの党が保守でないことはあり得ない。ご皇室を抱いた日本の国のあり方は堅持。日米同盟も堅持。




Q(別の方):議員定数削減はわかるが、議員報酬削減をすると、立派な活動をしても対価が見合わなくなるので、政治の質が下がり、更に官僚の思うがままになるのでは? むしろ給与は上げるべきでは?


A(渡辺):政党がまともなら、その通り。しかし今はそもそも政党が機能していないので、まずそこからを目指す。

また、給与を上げるのではなく、政策ブレーンを持てるようにすべき。その費用を国が払う方が、質は上がる。必ずしも自党の直属でなくてもよく、外部の政策シンクタンクなどに外注でもよい。みんなの党も相当そうしているし、最近はそういうシンクタンクを立ち上げる脱藩官僚も出てきた。そこにいる朝比奈君の青山社中など。

http://aoyamashachu.com/




Q(別の方):応援したいが、自分は仕事をしており、立候補はできない。政治以外で応援できる方法は?





Q(別の方):政治家がおバカなのをどう打破すべきか?


A(渡辺):政策ブレーン部隊を持つのがよい。みんなの党なら政策工房、大阪維新なら上山信一さんなど。


A(渡辺):周囲と討論して欲しい。「政治宗教お断り」という文化だから、官尊民卑となる。新たな政治文化をつくって欲しい。

野田さんは野党のとき、同様の自民党のペーパーに対し批判していたが、いまそっくりお返ししたい。全く自民党と同じことをやっている。