9月30日の、私の議会質問の原稿を、掲載します。

例によって、原稿ですので、実際の質疑とは若干異なります。ご容赦下さい。

なお執行部の答弁は、私が解釈した、要約です。

※ビデオはこちらです↓(10月5日頃掲載)

http://gikaimovie.city.chiba.jp/11_3/0930_04.html



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0. 挨拶

(ア) 無所属・創生日本の、田沼隆志です。

(イ) まず通告2番「行政改革の徹底について」は、時間がないため撤回します。



1.教育問題について

(1)教科書採択について

ライフワークの教科書採択。誇りある歴史を若者に届けるためにはこれが勝負だった。残念。徹底的に追及します。





採択会議や選定委員会会議で「地理・歴史・公民の3分野で同一会社の教科書がよい」という意見が各所に占めている。が、その理由は、議事録の元をたどると「同じ体裁だから」。

しかし国や県からは「装丁や見映えを重視せず内容を」という通知が来ている。また平成21年千葉市教育委員会会議第3回臨時会、採択会議ですね、にて、岩切裕・学校教育部長は「3分野の教科書が必ずしも同一の発行者である必要はない」と述べている。教育委員の一部も同様の意見を持っていた。


【質問】同じ体裁の会社を優先するのは、通知や、委員の考えに違反するのでは?

【答弁】体裁優先ではない



「体裁優先ではない」というが、選定委員会の議事録をそのまま抜き出すと、

Q「同じ出版社の教科書を平行使用するのが生徒は学習しやすいのか?」

A「同じ体裁であり、関連内容は学習しやすいと考えられる」

と、明らかに体裁優先主義ではないですか! そして結果的に、3分野とも出版している会社が高く評価されるようリードしている。


Q】そういった体裁優先主義こそ、戒めるべきという通知だったのではないか?


A】関連学習指示ゆえ。体裁ではない。

「体裁ではない」と言われますが、選定委員会の議事録では「体裁だ」と書いてあるではないですか。答弁に無理があります。

それから「同一発行者なら、生徒にとって混乱が少ない」というのがもし事実でも、だからといって同一発行者を高い評価をしてよいのですか? 私にはミスリードとしか思えない。そんな「混乱が少ない」などという、ささいなことよりも、教科の目標、すなわち「我が国の歴史に対する愛情を深める」「国民としての自覚を育てる」を達成できるかという観点こそ、採択において重視すべきではないでしょうか?! 国や県もだからこそ「教育基本法の趣旨に沿った採択を」と再三通知したのであって、今回の同一発行者優先主義は、通知違反としか見えない。

実際、今回の採択結果をみると、3分野出している、東京書籍と帝国書院が、どの分野でも教育委員会に「推薦」にノミネートされている。まさに同一発行者優先主義そのものではないですか?
千葉から、日本再建! ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦


そもそも採択基準に「混乱を起こさない」などという基準はありません!「混乱が少ない教科書」を重視したなら、勝手に基準を作ったことになる。


ぜひ今後は、悪しき体裁優先主義、同一発行者優先主義を止めて、おかしな基準も撤廃して、多少混乱が起きてでも、何よりも教科の目標を達成することを重視して頂くよう、強く要望します。本当は採択やり直してもらいたいくらいです。




次に、ある教育委員は、教科の目標である「国を愛する」の実例を尋ねたことに対し、当局説明は文化遺産の紹介にとどまっている。差もない。しかし国を愛することができるかどうかには、日本の過去を肯定するか否定するかの、歴史観の紹介こそ、必要では? お答え下さい。

【質問】国を愛するの実例としては、文化遺産の紹介にとどまるのではなく、歴史観の紹介こそ必要だったのでは?

A】資料の一部を紹介した



質問と答えがかみ合ってないです。その「一部」が、文化遺産ではおかしい、と聞いているのです。

そもそも「伝統と文化」とは何だとお考えですか? 文化遺産ですか? 御皇室や神話はどうなるのでしょうか? この伝統と文化の定義も、教委内では曖昧だと耳にします。だから誰にもわかりやすい文化遺産の紹介が優先されるのでしょう。

今後は歴史観を紹介すること、伝統と文化の定義を明確にして頂けますよう、要望します。




次に資料ですが、これも疑問です。先の国の通知「体裁より内容を」を受けて、他県では採択基準や、調査観点項目の見直しをしている。

千葉から、日本再建! ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦

その他、たとえば熊本県教委は教基法第2条第5号そのものを引用し「国を愛する~ ために工夫がなされていること」という選定基準を策定。こうやって他県では具体的な観点項目を新たに設定し、各教科書の違い、差を浮き彫りにした。

【質問】今回本市では、選定資料の記述は多少改善されているが、他県同様、観点は変わったのか?

A】少し変えた




マイナーチェンジですね。他県の具体性には及ばない。

この観点が千葉県ではほとんど変わらなかったのが、採択敗北の最大の原因です。県教委の通知項目がもっと具体的になっていればと、大変悔やまれます。ぜひ今後は市教委でも、他県同様、更なる具体的な観点の設定を、要望します。




それから選定プロセス。これも依然疑問あり。先日ある議員の「教員の声を踏まえるべきでは?」との質問に「十分踏まえている」と答弁していた。

しかしこれはおかしい。教員の声より教育委員の声を聞くべきであり、更に教育基本法と学習指導要領の趣旨を踏まえるべきではないか?現場優先主義があるから、相変わらず「教えやすさ」重視の採択がされてしまっているのではないか。

【質問】かの答弁はおかしいと思うが見解を問う

A】教えやすさは重視してない



「教えやすさは重視しない」ですね。ぜひ今後もその方針で一貫させて下さい。


しかしながら、選定委員会は、ほぼ現場教員だけで構成され、そこが特定1社を推薦し、その通りに採択されている。つまり教科書採択は実質この選定委員会が決めている。

千葉から、日本再建! ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦


正規委員はほぼ教職者に占められ、それが教育委員会よりも実質決定者となっているという実態は、問題が大きい。レイマンコントロール(専門家の判断のみによらない、広く地域住民の意向を反映した教育行政を実現)の趣旨に反する。民間人は2人だけ、それも正規の委員ではなく意見聴取者にすぎない。教育委員会と同様、非教員から構成されるべきです。


【質問】現状の選定委員会委員の構成は、レイマンコントロールに反するのでは?
A】市民もいます



それが2名、かつ正規委員でないから、問題と言っています。それでレイマンコントロールが本当にできていると言えますか?


選定委員会のあり方は非常に問題が大きい。私は要綱を廃棄して委員会を撤廃し、専門調査員が直接教育委員会に報告するべきと考える。改善を要望します。

ぜひ先輩同僚議員の皆さんにも、この実態をご理解頂きたいと思います。





総じて今回採択は、ひどかった。歴史観の議論もできない、さまつなポイントで採択が決まる。レイマンコントロールにも反する。説明にも資料にもプロセスにも問題あり。
何よりも一番のポイントは、教育基本法の趣旨をくみ取り、活かし、新時代の教育を実現するというビジョンがないことです。
 この前例踏襲主義は、もう組織体質の問題としか言えない。そこで、(2)教育委員会の組織について に移ります。