次に 千葉立て直し政策について です。



4月の統一選で私は「千葉を立て直そう!」と訴え、再選しました。
政令市ワースト1位の財務状況、膨らむ一方の社会保障、とまらぬ少子高齢化と若者の心の荒廃…

今の熊谷改革は、あまり市の問題の本質に切り込んでいるとは思えません。マニフェストもボトムアップに見えて仕方がない。

未来に責任を持てる千葉市とするためには、早く果敢に、大改革に取り組むべきと、訴えました。

基本的には、無制限のバラマキや公助拡大を食い止め、自助共助を高めていく「小さな政府」路線です。

加えて、イギリスのキャメロン首相が唱える「大きな社会」構想も、近いのではと感じています。

ただいきなりすべてを扱えませんので、今回はビジョン中心とします。




(1)行財政改革の徹底について


まず(1)です。市財政の危機的な状況を乗り越えるため、昨年の3月議会で私は、杉並区の改革にならって、事業合理化や民間委託による職員数削減を訴えました。パーキンソンの法則を引用し、職員を減らしてこそ、真の改革が始まる、いまは改革が足りない!と訴えました。

杉並改革の比率でいえば、千葉市はあと2600人減らせると試算し、新たに策定する定員適正化計画での、更なる踏み込みを要望しました。

しかし昨年策定した新適正化計画は、全く踏み込みが足りない。むしろこれまでの適正化計画では、年間約100名ほど減少してきたのに、新たな計画では年間約60名の減と、改革が鈍ってきている。

そこでお尋ねします。新定員適正化計画では、もっと大きな目標値を設定すべきではなかったか?



【答弁:高い目標】



「高い目標設定」といっても、政令市の中では、千葉よりももっと人口当たりの職員数の少ない市もあります。たとえば人口当たり総職員数が最も少ない相模原市と同水準まで、千葉市が減らすとするならば、約6000人、今より1300人ほど減らせることになります。人件費だと単純計算で613億が500億ほどになる。

もちろん各地で事業の範囲や中身が違ったりしますので、もう少し精査は必要ですが、とはいえ財務状況が政令市ワースト1位ということを重くみるならば、せめて一人当たり職員数は政令市で最も少ないレベルを目指すべきではないでしょうか? 他市でできているのですから、千葉市だってできないことはないはず。できない理由はいくらでも挙げられますが、やらねばならない理由だっていくらでも挙げられる。結局はトップの決断です。


このテーマは奥が深いので改めますが、私も単に人を減らせと言っているのではありません。同時に事業自体を減らすべく、外部評価を再び徹底したり、機械化合理化集約化などいわゆるBPRを進めたりも必要です。また部門別の多い少ないも分析した上で、個別の民営化なども検討すべきと思います。


なにしろ、どうも最近、改革が鈍ってきているように見える。やはり行革課主導での、更なる改革徹底を、要望します。




(2)助け合う福祉社会について

次に(2)です。
膨らむ一方の社会保障を食い止めるため、公助から共助へ、業者から家族へ、社会保障の担い手を変えていく。人々のライフスタイルの変化に対し、受け身になるのではなく、積極的にこちらから改善を誘導していく。「大きな社会」に向けて、避けて通れない道です。



  ア 少子化対策について


はじめに少子化対策です。日本の大きな失敗は、出生率がここまで低下してしまったことです。どうしても活力が生まれにくい。

せめて我が千葉では、出生率を高めたい。人口を増やしたい。

かつて本市では、人口100万人達成を目指しての、みるみるミリオンプロジェクトがありました。しかし今はどこかに行ってしまったようで、市HPで検索しても「ドリームジャンボ宝くじ」しか出てきませんでした。いわば”第2次ミリオンプロジェクト”を、再び本市全体で目指すべきと考えます。


人口を増やすには、特に3人目のお子さんが産まれることが大切です。そこで伺います。
本市における、多子世帯への支援制度はないのでしょうか?



【答弁:いろいろしてる】



これは多くの他の自治体でもやっていることですね。

では聴き方を変えて、他の政令指定都市において、独自に多子世帯への支援を実施している都市はないか。あれば、本市でも導入を検討すべきではないか。



【答弁:福岡、名古屋である】



本市でも各種施策があるのは理解しました。ただ、他市町村と比べて特に充実しているわけではないし、福岡や名古屋には及ばないとのことですので、ぜひ今後は多子世帯支援施策についても、検討いただけますよう、要望いたします。このテーマもまた改めます。




  イ 家族の絆充実政策について


次に(イ)です。
私は共助を高めるためには、家族の絆充実が不可欠と考えます。行政はその支援をすべきです。

その意味で、今回始まった、3世代同居事業は、高齢者介護のみならず、世代を超えた子育て支援としてもいいし、公助の低減にもなる施策で、私は大変評価しています。

しかも県内では本市独自ということで、シティセールスとしてもぜひ強調したいところです。

そこでお尋ねします。3世代同居事業の反響は?



【答弁:355件】



すごいですね。36件を想定していたのに、その10倍の相談件数ですから、関心の高さが伺えます。

ただ、初日100件というのが、少し気になります。今後失速しかねない。特に市外の方に、この事業の存在を伝えきれるのか、不安があります。

そこで、今回、どのような需要喚起策をし、それをどうやって市外に伝えるのか? お答えください。



【答弁:民生委員】


確かにいまの高齢者と接点のある民生委員の皆さんからなら、発信は継続されると思いますが、
今後はぜひ若手世代にもアピールし、むしろ高齢者を千葉に呼んでくる場合についても検討いただきたいです。

また、いまの適用条件だと、1キロ以内の近居で、かなり厳しいという声が同級生から来ました。
もう少し緩い条件で、その代わり補助も小さくなるなど、事業の拡張についても検討いただけますよう、要望します。

なんにせよ、この事業の充実発展を願います。これこそ公助低減、共助推進モデルと思います。





  ウ 高齢者の健康促進について


最後に、(ウ)です。
やはり社会保障、公助の最大のものは、高齢者福祉。高齢者の多くは、もちろんやむを得ないことですが、介護保険サービスを利用したり、頻繁に医療機関を受診したりで、どうしても公的負担が大きくなる。

逆にいえば、高齢者であるにもかかわらず、それらを利用せず、健康で元気な高齢者は、市の公的負担を低減させており、立派であるといわねばならない。

市全体、社会全体でも、こういう健康な高齢者に、感謝と応援のメッセージを送りたいと、私は強く思うに至りました。

たとえばこのような高齢者を表彰したり、市長がメッセージを送るなど、市として称えることは検討できないでしょうか?



【答弁:Yes,研究する】



前向きな答弁、ありがとうございます。高齢者となると多数ですから、適切な制度設計も必要と思いますので、研究の成果を期待しております。よく選挙で「お年寄りに感謝を!」という人がいますが、ぜひそれで終わりでなく、市としてまず意思を示すことのできるよう、要望いたします。



大きな社会は、健康な高齢者の皆さんに、その多くを担って頂かねばなりません。各世代がそれぞれの役割を果たしながら、一丸となって千葉市の未来を作っていく、そういう社会の建設を、行政は導いていくことが重要と考えます。

キーワードは、受け手からリード役、です。千葉への愛情を基盤に、行政がリード役となって社会を変えていくことを期待し、またそういう役割への転換を私もお手伝いすることをお約束して、私の質問を終わります。