一般質問の原稿です。
例によって、答弁文は載っていません。すみませんが動画でご確認ください。
また、実際の発言、特に語尾などは、かなりアドリブが入っていますので、これと違いますが、それも動画でご確認ください。
http://gikaimovie.city.chiba.jp/11_2/0623_05.html
教科書問題で、8月の採択前の最後の質問ですから、
一発で撥ね退けられるポイントでは戦わないこと、
なるべく当局が受け容れられる提案をすること、
を心がけました。
あとは当局に任せるしかありません。
信じて待ちたいと思います。
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無所属・創生日本の、田沼隆志です。
まず教科書採択について です。
「教科書が変われば若者が変わる、若者が変われば日本が変わる」
若者の、誇りと、自己肯定を回復すること。これが私の使命であり、そのためにも教科書問題が私のライフワークであることは、これまで再三訴えてまいりました。
そしていよいよ、今年8月に、中学校歴史・公民教科書の採択が迫りました。この教科書改善運動が起こってから3度目。3度目の正直、の戦いであり、また新教育基本法および学習指導要領となって、初めての採択です。まさに正念場です。
一昨日は大阪維新の会が、育鵬社、自由社の教科書使用を求める方針であると、報道されていました。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110622/edc11062215410001-n1.htm
また千葉県でも昨日、鬼沢佳弘教育長が、「第2次大戦を侵略戦争と認めるべき」という共産党議員の質問に「多面的・多角的に学ぶことが歴史理解を深める」と述べ、実質反論見解を示しています。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110622/chb11062222350008-n1.htm
本市でも、自民党市議団と私の連名で、おかしな教科書を選定しないよう求める要望を出したところです。
http://ameblo.jp/tanuma/entry-10902509952.html
各地で決戦を前に、これまでにない動きが出てきていると感じます。
私は初当選以来、何度もこの問題を取り上げてきましたが、それもこれが最後となります。精一杯質問しますので、教育委員会におかれましては、ぜひとも前向きな答弁をよろしくお願いします。
まず教科書の内容のおかしさについてです。
先日の宍倉議員の「自衛隊が憲法違反のように教えるのはおかしいのでは?」など6つの質問に対しが、すべて「検定通っているから適格」という答弁で片付けられてしまったことに、強い疑問を持ちました。民意と大きくずれていると思うのです。
まずそもそも、私は4月の選挙で「日本を好きになれる歴史教育」を最重要課題に掲げて、トップ当選した。それ自体が1つの民意です。
また今回の質問に先立ち、インターネット上で、アンケートを実施した。その結果、いまの教科書には、採択にふさわしくない記述が多数あるという民意が示された。
領土をちゃんと教えていない教科書は、千葉の教科書として、相応しくないという民意。
自衛隊の活動を適切に伝えないのは、相応しくないという民意。
歴史の内容にも、偏りは反対という民意。
教育委員会の組織に問題という民意。
特に責任があいまいな点が問題だと受け止めています。
これら結果は、私や世間がおかしいのではなく、教育委員会の論法の方がおかしいことを、示している。
この民意を示した上で改めて同じ質問をしても、やはり立場上「検定通っているので適格」となるのでしょう。しかし百歩譲っても、その適格な中でも、教基法・指導要領への準拠度合いには相当の差があると思います。これは認めるか?
【答弁:認めない…】
差があるかどうかを答弁願います。
各社の編集趣意書を見ても、教基法対応にはずいぶん差があります。たとえば第2条第5項「国を愛する」への対応は、文化遺産の紹介中心であったり、偉人伝中心だったりと、各社で大きな差がある。
-東書「文化遺産を豊富に取り上げ、世界遺産や国宝にマークを付すとともに、
身近な地域の歴史に関する内容を充実させ、我が国や郷土の伝統や文化への理解を深めるとともに、それらを尊重する態度を養うようにしました」
-育鵬「外国人から見た日本人の好印象なども記述し、生徒が、自国と自国民に誇りと愛着をもてるようにしました」
また5月25日に、自民党市議団および私で教委に提出した「公正な教科書選定の要望書」に対し、教委は「不適格な表現は修正されているものと考えている」と回答している。
これも逆にいえば、検定通過とは、不適格の排除であり、適格度合い自体には差があるといえることになるが、認めるか?
【答弁:特色ある】
「特色ある」ということは、一応差があることを認める答弁ですね。
では重ねておたずねします。各社教科書で特色が異なる、すなわち教基法・指導要領への準拠度合いにも差があることを認めるなら、当然その違いがわかるよう、選定委員会資料を作成すべきと思う。
しかし現状では選定資料は「良い点ばかりが書かれていて、判断しにくい」との意見が教育委員から毎回出ている。具体的にどう直すのか?
県通知に関してですが、まず平成21年3月に文科省初等中等教育局長からの「教科書の改善について」という通知では「採択では、教科書の見映えではなく内容を重視せよ」と言っている。これは、採択において内容を軽視する現状があるからこそ出されたものと理解する。実際本市でも、議事録をみると、同様の実態がある。
そして6月13日に県教委から「平成24年度使用教科書の採択について」という通知が出ている。そこには「教育基本法の趣旨およびそれを受けた学習指導要領改訂の基本的な考え方・内容を実現する上で、ふさわしい教科書の採択に留意するよう」という異例の言葉がある。
こういった、これまでにない通知が来ているのは、教基法や学習指導要領の内容、特に「目標」を達成できる採択を、と理解するが、この通知を受けての、市教委としての対応は?
【答弁:趣旨十分踏まえる】
異例の通知であることを踏まえて、より踏み込んだ答弁が欲しいのですが、まだ無難な答弁に終始しており残念です。
さらにお尋ねします。平成21年教育委員会会議第3回臨時会で、ある教育委員が「国に誇りを持てるか、という観点の検討結果を、次回からは報告書に記載して欲しい」と述べている。それに対して教委は、平成22年第4回定例会で「重要な意見」と私に答弁している。では報告書を直すのか?
【答弁:県構造、これは教科の目標への適合】
教基法・指導要領の目標を読めば、この「誇りを持てるか」の観点こそ、最も重要です。
この観点についての報告をぜひ充実させて欲しい! …ですが、これまでの報告書は、お答えの「教科の目標への適合」はわずか3行、50字程。
せめて倍増させて欲しい。県の通知には、この分量にまで、指示はないとのこと。倍増させても、指導の逸脱にはならない。
またこれまでの報告書は、各社別の表現も、非常に似たものが多い。
これで差がわかるだろうか?あまりに似通っていないか?
良い点ばかり書いてあり、懸念される点もないので、さらにわかりにくい。
こういう質、量だから、毎回、教育委員から、「わかりにくい」「違いがわからない」という声が出ているのではないか?!
私も資料や議事録をすべて読みましたが、教育委員さんの訴えは、もっともです。問題があるのは、委員会事務局の説明のあり方です。
改めてお尋ねします。「教科の目標への適合」欄の記述を、量的にも詳しくし、各社の差もわかり懸念点もわかる記述に、改めるべきではないか?
【答弁:県構造、他13項目、頁】
教育委員さんの声を、きちんと反映して欲しいのです。
この「目標への適合」は、当然ながら、最も重要な観点。ここの詳述こそ、通知を踏まえることにもなり、諸々の教育委員からの改善要望にも応えることになる。それをやらないと、また委員さんから「違いがわからない」と言われかねません。
ご答弁では他の13項目も、と言いますが、と同じ重要度ではない。これまでの長年に渡る、教基法や学習指導要領の改正のエッセンスは、すべてこの「目標への適合」に込められている。この項目が他13項目と同じ扱いでは、一体なんのための改正だったのか!? もっと重視をしてもらいたい!
当然、参照ページも、この「目標への適合」には、必ずつけて欲しい、が、現状はマチマチ。
14項目の1つとして埋没するのではなく、「目標」なのですから、特段の重視をして、資料作成や報告をして頂けますよう、強く要望します。
これが私の、これまでの活動すべてこめた要望です。どうか、この「教科の目標への適合」を充実させて頂き、委員さんが適正に採択ができる環境づくりをして頂けますよう、重ねて要望します。
あと先の県通知の第8条(6)「下部機構を置く場合、事実上教職員によって採択決定される等、採択権者の責任が不明確にならないように」とある。
実際、本市でも採択会議録をみると「選定委員会では…(中略)…『東京書籍』『帝国書院』『清水書院』が優れており、なかでも『東京書籍』が特に優れているとの選定をしました」と述べており、明らかに特定の教科書を薦めている。
これは「報告する」という選定委員会の職務を超えているおそれがある。選定委員会の設置要綱では、その職務は報告書作成および報告であり、特定会社の推薦までは明示されていない。
今回の通知を考慮し、また5月25日の要望書も踏まえて、事務局による特定推薦は、教育委員からの要望がない限り、するべきでないと考えるが、見解を問う。
【答弁:選定について報告】
これも、これまでの採択会議では、特定会社の推薦まで課長が一気に言ってしまう慣例がある。これは越権のおそれありと思います。わざわざ通知がきていることも踏まえて、特定会社の推薦は、やめて欲しい。せめて教育委員からの要望がない限り、控えることを要望。
また採択にあたっては、無記名投票の徹底を要望する。過去、違う実態もあったようなので、改めて無記名の徹底をお願いしたい。
何度も言って恐縮ですが、私自身が高校卒業後、正しい歴史を知ってはじめて、自虐史観から脱却していき、「日本人でよかった」と誇りを回復していった原体験があります。このことを、何としても私の後輩たちに伝えていきたい。そうすれば必ず彼らは、日本のために自分も頑張ろうと思ってくれる。それが日本の希望です。これは戦争賛美とか、右翼とかではない。歴史を正確に勉強すれば、誰もがたどり着く、穏健で公平な歴史観です。日本には立派な先人がいるのです。
私は20代の頃から、教科書改善運動に携わってきました。しかしなかなか成果が出ない。
宍倉議員などはもう10年以上、やり続けておられます。しかしいつも採択は東京書籍。もうこれで35年とのことです。今回の採択こそ、よい結果が出て、若者の誇り回復となることを願ってやみません。
そのためにも、ぜひ教育委員の声を反映できる仕組みにして欲しい。市民、教育委員、国・県など、市教委以外の多くが、採択事務の改善を求めており、それは論理的に妥当なものと考える。決してイデオロギーや、一部の偏狭な意見を押し付けているのではない。教委の賢慮を願う。