平成23年度第2回定例会で「議案質疑」を行いました。

原稿のぺた貼りで、申し訳ありませんが、原稿を載せますので、是非ともご覧ください。



動画はこちらです。

http://bit.ly/iAxhdK




6月23日(木)に予定している、「一般質問」とは違います。

「一般質問」は予定通り行います。


予定 6月23日(木) 午後4時前後




----------以下原稿----------


田沼議員 議案質疑


千葉維新会、あらため、創生日本、田沼隆志、質問します。


創生日本とは、故・中川昭一議員が「真・保守政策研究会」として立ち上げ、いまは安倍晋三会長、平沼赳夫最高顧問のもと、民主党政権を退場させ、「戦後レジーム」からの脱却をめざす、議員連盟です。

自由民主党、たちあがれ日本、新党改革、みんなの党の4党と無所属議員で構成されており、私は公式に名乗っている地方議員としては、初めてのようです。

この国難だからこそ、地方議員としても、真に信念と大局観を持って政治を刷新しなければなりません。

これからは「創生日本・田沼隆志」でよろしくお願い致します。





議案第119号 千葉市新基本計画について、お尋ねします。



全般を通じて、勇気がない。言葉に決断がない。
それは計画の存在意義自体を薄くすると考えます。単なるメニューであり、あってもなくても同じになってしまう。


私は民間で、中長期計画立案などを長くやってきました。その経験上、計画には新しい決断が必須と考えます。というか、その新しい決断こそが、存在意義です。

しかしいまの基本計画ではそれが見られない。予算などの数値目標のある、実施計画をみないと、評価ができない。

これは基本計画のあり方自体に、大きな疑問を感じるものであります。


以下関連して、いくつかお尋ねします。






まず気になったのが、第3章「目指すべき都市の構造」の、都市3拠点に関する今後の方向性が、明確でない。
そもそも「現状と課題」部分が、本体冊子部分でもわずか2行しか記述がなく(P38)、課題認識、危機感が、あまりに弱い。
経営戦略を立案するときは、この課題認識とその原因分析が、最も重要な部分です。そこに関して分析した後がみられません。よって今後の方向性も、明確でなく、前例踏襲、いまあるものをまとめて書いてあるだけに見えます。どう「作る」のかがわからない。
そこでお尋ねします。3拠点の魅力向上とは、具体的にどう新しい方向性を打ち出すのか? そして機能分担とは、具体的にどうするのか?


(答  弁)

 千葉都心では、JR千葉駅のリニューアルや西口再開発などを核とした都市機能の更新を進め、さらなる商業・業務機能の充実を図るとともに、中央港地区のまちづくりを進め、海を活かした新たな観光機能の創出を図って参ります。
 幕張新都心では、千葉県や立地企業の連携による国際交流機能、先端産業の中枢的業務機能などの充実を図るとともに、拡大地区等の未利用地整備など機能集積を促進し、エリア全体の魅力を高め、交流人口の増加を促進して参ります。
 蘇我副都心では、商業、スポーツ・レクリエーション機能の充実を図るとともに、広域的な防災機能の強化を図って参ります。
 こうしたそれぞれの特色を活かした各都心の活性化を図り、適切な機能分担と連携により、都市の魅力向上を図って参りたいと考えております。
 以上でございます。



2 
「適切な機能分担」とは何なのか、をお尋ねしています。具体的な中身がわからないのです。答弁にも漏れている。

いま、メッセも有明ビッグサイトと競争していかねばならない、蘇我と幕張で同じ路線上にSCができた、など、拠点ごとに戦略が必要な状況です。
戦略では、いかに差別化するかが極めて重要です。機能分担とは、各拠点で同じ機能を持たず、適切に分担していくことですから、差別化と同じ。だからお尋ねしております。
改めて質問します。どう具体的に差別化していくのか?各拠点の差別化戦略は何か?を教えて頂きたい。


(答弁)
 千葉都心では、各種行政機関の集中や商業・業務機能の集積など県都千葉市のまさに中心拠点として、
 幕張新都心では、幕張メッセを中心にコンベンション・国際交流機能や、先端産業の集積など本市の先進的イメージを支える交流拠点として、
 蘇我副都心では、商業、スポーツ・レクリエーション機能や広域的防災機能の強化など、千葉都心を支える 文字通り副都心的拠点としてそれぞれの性格・機能を 有するものとしております。
今後とも、それぞれの特性・機能の充実に向け関係 機関等と連携を図りながら各種施策を展開して参りたいと考えています。

以上でございます。




1回目の答弁より少しわかりました。言葉が絞られたからです。
戦略には、選択と集中が不可欠。どういう拠点とし、どういう機能を充実させていくのか、長期的計画に基づく資源投入が不可欠です。
更に本来なら、拠点ごとのブランディングも、私は必要だと思う。先の答弁を用いれば、幕張は先進的なので「かっこいい幕張」とか、蘇我なら「楽しい蘇我」とか。これは例ですが、やはり各拠点が今後どういう方向性を目指していくのかが、誰にでも、市内外にも、広く明確に伝わるためには、わかりやすいブランディングについても検討すべきと考えます。もちろんその裏づけとなる、戦略もセットで必要です。
そこで関連してお尋ねします。拠点の今後の方向性の中で、近隣拠点との差別化という視点は、どこまで重視したのか?



(答弁)
 本市は、県都として、政令指定都市として、中枢管理機能をはじめ、商業・業務など様々な機能が集積しており、千葉県全体の発展を牽引する役割を引き続き担う中で、さらなる充実に向け、取り組んで参りたいと考えております。

以上でございます。




「こう差別化する」というより「今は県都だから違います」という状況説明に聞こえました。つまり、差別化視点を重視したとは聞こえません。これはこの計画全体に感じる傾向なので、もう少し個別具体的にお尋ねします。

中央港地区は、これから非常に力を入れていかねばならない地区と思います。しかしこの基本計画では、これまで以上の注力を、どれだけしていくのかが、見えません。
そこでお尋ねします。どれくらいの注力をしていくのか?


(答弁)
 中央港地区のまちづくりについては、千葉県との連携のもと、旅客船さん橋や港湾緑地を計画的に整備することとしており、ポートタワーや県立美術館などの周辺施設との連携により、新たなにぎわいの拠点を創出する事業として、積極的に推進して参りたいと考えております。

以上でございます。




少しわかるのですが、だったら書いておいて欲しいと思います。長期間の開発なわけですから。
計画全体に通じるのですが、この基本計画のあり方で最も問題と感じるのは、強弱、メリハリがわからないこと。戦略やビジョンという面が弱く、単なるメニューになっており、「町をこうする」という決意、チャレンジが見えない。
たとえばこういう長期的な拠点開発などは、まさに「基本計画」でその方向性を具体的に定義しなければならないと考えます。そしてそれを実現させる決意として、たとえば「これまで以上に」や「なお一層」などの段階表現の日本語でも結構ですから、何かしらでも定量的に示されないと、今のままでは実施計画をみないとわからない。
実施計画をみて、予算規模などの数値が入ってきて、やっとわかってくる、という構造だが、それでよいのか? 基本計画にその注力度合いを書くからこそ、実施計画で堂々とそれを体現する予算措置や目標設定ができるのであり、それこそが基本計画の意義ではないでしょうか。
基本計画にも、もっと定量的な目標設定を入れるべきでは?



(答弁)

 基本計画は、基本構想のもと、市政運営の中長期的な指針として施策展開の方向性を示すものであり、具体的な事業は、実施計画の中で位置付けることとしておりますので、基本計画では定量的な目標設定は入れておりません。

以上でございます。




納得いきませんが、あとでまたお尋ねするとして、関連して、評価方法についてお尋ねします。
第4章「計画の推進にあたって」にあるように、実施計画ではPDCAサイクルによる進行管理をするとのことだが、この達成度評価はこれまで、事業費の積み上げだった。
しかしそれでは、コスト削減の努力をして100%以下になったのと、単に事業を進めなかったので100%以下になったものとの、区別がつかない。
この評価方法は改めるべきではないか?


(答弁)
 現在、新基本計画や実施計画の進行管理等を行う新たな政策評価を検討しており、具体的な評価方法など詳細は未定ですが、市民アンケートによる生活実感等を成果指標に設定するとともに、実施計画は事業量ベースでの進捗状況を把握し、総合的に評価することを考えております。

 以上でございます。




評価方法を変えることは了解しました。歓迎します。
しかしやはり目標設定に納得がいかない。PDCAでいえば、CAは改善されたけども、Pがまずい。
どんな定量的な目標をもって、どれだけ前年比で事業予算を増加させるのか、などがないと、注力度合いがわからないのです。もっと数値を基本計画全体に使わなければ、単なるメニューとなってしまい、計画の存在意義が薄れてしまいます。
企業経営の危機を迎えていた日産自動車が、カルロス・ゴーンの経営手法でよみがえったことは記憶に新しいですが、彼は、「数値化する、定量化するというのは、経営の基本だ。数値化できない計画、目標は『実行できない』とイコールである」と言い続けました。そして実際、数値化・定量化した目標を具体的に実践して、成果を出しました。
このことは昨年3月議会で私が行革プランについてお尋ねしたときと同じです。
せめて「これまで以上に」などの度合いを示す言葉があれば、実施計画でも拡充されるのだろうな、などが予見できますが、今のままでは強弱、戦略的資源配分がわからないので、評価ができません。
数値化なき基本計画は、その存在意義を薄くさせてしまうと考えるが、見解を問います。


(答弁)
 計画における目標の数値化等の意義は認識するものの、本計画は、中長期的な市政運営の基本指針としての性格から、難しいものと考えますが、今後、構築する政策評価制度の中で数値化した成果指標の設定を検討するとともに、具体的な事業は、実施計画の中で位置付け、事業量ベースの進捗管理を行ってまいりたいと考えております。

以上でございます。




「数値化の意義はわかるが、中長期指針だから難しい」と言いますが、中長期だからこそ、数値化する意義が大きいと、なぜ思わないのか。確かに影響が大き過ぎる、などもあるやもしれません。しかし逆にいえば、基本計画の実現力が大きく高まることになると思います。私には理解できません。
これ以上は水掛け論になるので控えますが、ぜひ今後は検討して欲しいと思います。それ自体が、市長が言う「企画機能(総合政策局)の強化」になると思います。

関連してお尋ねします。私が基本計画を見た第一印象は、総花的で無個性。第2印象は、これが決めた計画なのだろう?ということでした。
根幹となる計画であるにも関わらず、トップの熱い思いを全く感じない。ふつうの企業であれば、少なくとも経営計画の骨子を作るときは、絶対にトップから指示が来るのは、私の経験上、断言してよいと思います。
今回の基本計画でいえば、特に第5章の分野別計画は、実施計画などに直結するので、必ずトップからの指示があるはずだが、その分野別計画が最も個性がない。どこの自治体の計画かわからない。
市長から、分野別計画について、具体的なオーダーが何かあったのか?


(答弁)
 平成21年10月に新基本計画策定本部を立ち上げて以降、素案作成の段階から、本部長である市長をはじめ、本部員と綿密に話し合いながら、その意向に沿って策定作業を進めて参りました。
 その中で、分野別計画では、市長から、特に「国際交流だけではなく、都市戦略としての国際化の位置づけ」や「本市の売りである『海』の活用」などの指示がありました。

以上でございます。




市長は普段からさまざまな市民の意見を聞く機会を持っていると思います。それをぜひ、基本計画にも、落としていくよう、お願いします。

次に第5章方向性3にある「3-1-3こどもの参画の推進」ですが、私はこれには本質的に、反対です。権利には義務や責任が伴わないといけない。子供は社会で義務を果たしていない。ゆえに参画する権利はない。

私は子供が大好きです。大学時代も実は子供と遊ぶサークルに少し入っていたりもしました。駅立ちなどでも、大人より子供に優先して挨拶しています。子供たちが元気に育つことを心から願っています。
だからこそ、過剰な甘やかし、権利付与は、子供によくないのです。果たせる責任が大きくなるにつれて、段階的に権利を与えていかないと、勘違いとなってしまいかねない。
一説では、施策の意思決定に、子供の意見を本格的に入れるのではないと聞くが、ではなぜこの文面が残るのか?
百歩譲っても、意見の分かれるものを、基本計画に載せるのは、おかしいのでは?
そして方向性3-1の、他の項目(学校教育振興、地域教育力向上)とは、その普遍性において、明らかにレベル感がずれている。これを載せるのはおかしいのでは?
更には条例制定や、「こどもの力フォーラム」という具体的なところまで基本計画に載せるのは、行き過ぎでは?



(答弁)
 これからのまちづくりにおいて、次代を担うこどもたちが自ら自分たちの未来について考え、意見を表明できる環境を構築することは大変重要であり、未来を担う人材を育成する施策の一つとして位置付けたところであります。
 また、具体的な取組みの記載について、新基本計画審議会においても、「こども参画条例の制定」の記載について議論がありましたが、まちづくりの主役は市民であり、こどもも未来を担う市民として、大人とともに未来のまちづくりを考えていく取組みを分かりやすく示すことも必要であることから、計画書に示すべきとの審議会からの答申を受け、こどもの力フォーラムの充実とともに施策の展開に記載
したところであります。
以上でございます。



10
私は反対です。そもそも私は「こども参画の推進」に、先の理由で反対ですが、百歩譲っても、条例制定や「こどもの力フォーラム」という具体的なところまで、この10年スパンの基本計画に載せるのは、どう考えても異常です。
先の答弁も「こども参画の推進」を施策に位置付ける理由にはなっても、条例制定やフォーラム充実といった具体策を記載する理由にはなりません。

先日の「子供の力ワークショップ成果発表会」で、市長は「子供に自己肯定感を与えたい」とプレゼンしていました。私も全く同感です。
というか私は、そのために議員をやっているといっても過言ではありません。
ここにいくつかの資料があります。


日本の若者は、ピンチなのです。
しかし、若者に自己肯定感や誇りを持たせてあげるには、社会参画事業ではありません。そもそも現状の事業では、一部の子供しか、参画できない。
ではどうするか。それは、親からの肯定、そして日本人として生まれた誇りを知ることです。
だから私は、誇りある日本の歴史を若者に伝えることを使命としています。日本には素晴らしい先人がいたんだ、そしてたくさんの人の努力と汗と涙で今があるんだ、と若者が実感するとき、日本はいい国だ、自分も頑張ろう、という気持ちが芽生えるのです。
そういう肯定感、誇りを、若者に伝えるのは、大人の役割ではないでしょうか。だから心無い人に右翼と批判されようとなんだろうと、子供たちのためと思って、5年間ずっと、歴史観の是正を訴えてきました。これからもやります。

繰り返しになりますが、子供の自己肯定感を高めるためなら、社会参画は必要ありません。子供を肯定するのは社会ではありません。家庭です。何よりもまず、家族の絆を高めるべきです。行政が家族の代わりなどできないのです。
ゆえに「こども参画の推進」を施策にするなら、先に「家族教育の建て直し」を施策とすべきです。行政が率先して、順番を間違えると、大変なことになります。後世に禍根を残すでしょう。私はどうしても認められない。
せめて条例制定については、撤回し書き直すべきと考えるが、見解を問います。

(答弁)
 「こども参画条例の制定」については、新基本計画審議会からの計画書に示すべきとの答申を尊重し記載したところであります。

以上でございます。



11
審議会の答申は尊重するが、議員の意見は尊重しない、ということに聞こえます。私もこれだけ譲っているのに検討頂けないということなので、それなりの対応を考えなくてはならないと思います。

関連してお尋ねします。
私は千葉市を「家族のような温かい町」にしたいと思っている。その意味で、今年始まった3世代同居事業は、私はとても期待している。しかし分野別計画では、「2-2-1子育て支援充実」「4-2-4住環境充実」という施策に含まれるとのことで、施策名に入っておらず、わかりにくい。「家族」「絆」「世代」などの言葉を入れた施策を、提示すべきではないか?


(答弁)
本基本計画におきましては、「実現すべきまちの個性」の一つとして、「みんなの力で支えあうまち」を掲げ、こどもや高齢者、障害のある人などの多様な交流により相互理解が深まり、ともに協力しあい、支えあうまちを目指しており、「家族」「絆」「世代」などの言葉は、直接入っておりませんが、その考え方は、施策全体の中で活かされているものと考えております。

 以上でございます。



12
「考え方は入っている」といっても、やはり施策内に「言葉が入っている」方が、明らかに決意を感じます。それが計画の意義です。
もっと家族政策を重視して欲しい、というのが私の思いです。
現状では、子供に関する細かい施策ばかりを記載し、家族政策については言葉にも入っていないという理解となるが、よろしいか?

(答弁)
家族政策に関する言葉は、直接入っておりませんが、その考え方は、施策全体の中で活かされているものと考えております。

 以上でございます。




【結語】
言葉が入っているのと、入っていないが施策全体にある、というのでは、全く重視度合いが違うのです。
それをわかっていてのご答弁と思いますので、私も今の千葉市は「家族政策よりも子供政策ばかりを重視している」と理解します。
そういう計画には賛成できません。家族の絆再生こそ、いま最も重要な、時代のニーズだと、私は確信しますし、
そういう概念のない現状の基本計画には、田沼隆志は賛成できないことをお伝えし、私の質疑を終わります。