議会質問が終わりました。

今回もフルパワー、入魂で、質問をしました。



(↓動画です)

http://gikaimovie.city.chiba.jp/10_4/1215_05.html



誇りある日本を、千葉から ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦-gikai101215

誇りある日本を、千葉から ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦-gikai101215


今回からは、一問一答形式になりましたので、自席から質問をすることが多かったです。


傍聴人アンケートでも、ほとんどの方が、「わかりやすくなった」と好評でした。

私もぜひ今後も、一問一答で行きたいと思います。


誇りある日本を、千葉から ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦-gikai101215

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また、今回はプロジェクターも使えるようになりましたので、私もいくつか資料を用意しました。これも好評でした。


徐々に議会改革が進み、議会が活性化しているので、大変うれしいです。




さて、今回の議会質問原稿を以下添付します。

答弁の文章はないので、上の動画でご確認ください。

下線を引いている質問文のあとに、当局の方がお答え頂いています。

なお毎回のことですが、実際に話しているのとは少々違うのを、ご理解下さい。


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0. 挨拶

(ア) 無所属・千葉維新会の、田沼隆志です。


(イ) 記念すべき一問一答議会ですので、私のライフワークである「民間視点に立った市役所の経営改革」と「教科書採択」の2本柱で質問します。


(ウ) 短い時間ですが、一言一言、自分の言葉で魂込めて書きましたので、執行部の皆様にはぜひとも受け止めていただけますようお願い致します。


1. 民間視点に立った市役所の経営改革


(ア) まずはじめに「民間視点に立った市役所の経営改革」における、簡素効率化についてです。


私は本年3月議会で「市役所改革には職員数減だ、退職不補充を原則とすべきだ」と訴えました。しかし職員数を減らすだけでは、職員はつぶれてしまう。ゆえに業務の簡素・効率化が必要です。特に定型的な業務を識別し、標準化や集約化、機械化によって、効率をあげることが不可欠です。


財政再建のためには、事業を減らす。そのためには職員数を減らす。そのためには業務を効率化する。千葉市役所という組織は、あくなき効率化を求めていかねばならないのです。



(イ) IT化


① その最も有望な策が、IT化です。IT化によってたとえば沖縄県の裏添市は、20の業務ステップを、わずか2つにまで減らしたりしています。


またこれは元佐賀市長の木下氏のレポートですが、ある市役所では、生活保護担当者が同じ市役所の戸籍担当者に文書を出して戸籍の書類を請求していたのを、それぞれの担当部局がオンラインで基幹システムに直接アクセスし、戸籍情報を確認できるようにしたら、時間も手間も大きく省けたそうです。


② これらの積み重ねで仕事は大きく効率化でき、職員数を減らせます。たとえばIT先進国のお隣韓国では、人口54万人のソウル市の江南区役所は、ICT改革によって10年間で2200人いた職員を1200人まで削減したそうです。IT化とは効率化の宝であり、現代の改革、業務効率化にITは必要不可欠なものなのです。


③ しかし本市におけるIT化は正直非常に遅れていると言わざるを得ない。先日ある区役所職員の方と話していたら、「自分の仕事をするためには8つのPWが必要だ」と聞いて驚愕しました。パソコン起動のPW、CHAINSのPW、文書管理システムのPWで、この3つは必須。更に所管課の業務システムが別個にあり、8つのPWが必要とのことでした。システムとは使いにくいものというイメージだそうです。


④ これは効率化の真逆の状態です。原因は、20年前のレガシーシステムをいまだに使っており、かつつぎ足しで拡張してきたためでしょう。抜本的に改めなくてはなりません。第2次IT化アクションプランでは遅れていたレガシーシステムの見直しも、平成23年度アクションプランで、ようやく取組むことになったようです。そこでまず最低限の確認をしたく、お尋ねします。


1. レガシーシステム見直しを契機に、IT活用を前提とした業務プロセスの見直し(BPR)を全面的に行い、徹底的な業務および工数(人間)の効率化をするべきと考えるが、本市の取組みを伺います。



⑤ BPRに取り組むということで、期待しています。

その時はぜひとも、ゼロベースで業務を根本的に見直すこと、つまり新たな業務プロセスを書き直すことをお願いします。一部の見直しだけでBPRなどと名乗らないで頂きたく思います。


そしてレガシーシステム関連業務以外にも改革の視野を広げて、ありとあらゆる定型業務を改革するくらいの意気込みで取組んで頂きたいと思います。またその結果として、人員数の削減にも、必ずこだわって頂けるよう、要望します。




(ウ) 総合窓口


① 同じく簡素効率化で有効と思われるのが、総合窓口化です。
これは今の保健福祉センターにある「適切な部署に紹介する」窓口機能ではなく、複数の窓口サービスを「たらいまわしにしない」、つまりワンストップサービスです。


②稲毛区役所の市民課窓口に何度か行きまして、色々関心を持ち、調べました。
総合窓口の先進自治体として知られる愛媛県松山市はこの改革で有名ですし、それを模範として導入した佐賀市では、繁忙期に住民を2時間以上待たせることがあったのが、20分以下にまで短縮でき、大幅なサービス向上となったそうです。人員も効率化できたとのこと。そこでお尋ねします。


1. 他市で進めている総合窓口化を、本市では導入できないか?お答え下さい。



④ 非常に前向きな答弁、ありがとうございます。以下関連要望です。


多くの自治体では「総合窓口」をうたいながらも、実際にはワンストップで手続きが完結していないという調査結果があります。特に国民年金や教育委員会関係の手続きは対応できていないことが多い。その点松山市では、窓口で182業務を取り扱っています。同じ「総合窓口」でも、自治体間でかなり格差があるようです。他市を参考にする際は、総合窓口の定義をちゃんとして、簡素効率化と市民サービス向上を両立させる改革となるよう、お願いします。


⑤ また窓口業務は、各自治体で共通のものが多いですし、自前主義はやめて頂きたいです。実際佐賀市は松山市の業務マニュアルをまるまるコピーさせてもらい、8か月とより短期間で導入ができたとのことです。本市における検討でも、ぜひとも他市の使えるものは使う姿勢で、お願いします。



(エ) 現場の声


① 次に、改革における現場の声の重要性について、お尋ねします。

改革すべきポイントを探すにあたって、現場で働く職員の声は、宝の山です。私も前職の経営コンサルタントのときは、「答えは現場にある」のもと、現場の声を足で集め、改革案を練り上げるということをよくやりました。


しかし本市の市役所では、現場の声が幹部に届いていないという話を聞きます。そこで、区役所と本庁との関係についてお尋ねします。


1. 区役所などの現場で起こっている問題を本庁本課へフィードバックする仕組みは、どのようになっていますか?


② 正規のルートだけでは不十分です。現場の真の声、課題の本質を引き出すには、無記名で本音を聞くツールが必要だと考えます。


1. そのことについてはどうですか?


③ 重要性については理解頂いていると受け止めました。今後も業務改善への活用を、よろしくお願いします。


なお改革プロジェクトを多数やった経験から、いくつか注意点があります。まず、このツールは行政改革推進課がもつのでしょうが、行革課は現場の味方でなければなりません。アンケートまではよいですが、改革案を検証するにはインタビュー等も必要です。そのときでも、絶対に名前は出さないという約束が必要です。


また、データを吸い上げたら、その結果を活かして本当に改革を前進させることが必要です。「本当に改革をしてくれるんだ」という信頼を得ることが、更なる情報提供と、職員の改革に対する協力を引き出しますし、閉そく感の打破、モチベーションUPにもなります。


④ 本来なら、以前私や白鳥議員も求めたように、改革チームにしっかりと権限を与えて、それこそ局長級のリーダーを据えて、他の所管部署にもモノを申すことが不可欠です。改革推進の責任を明確にし、庁内での衝突が必要なのです。各所管でやりますでは、絶対に大きな改革はできないのは、事務事業の内部評価結果を見れば明らかです。


まあ、市長マニフェストも行革プランも、よく見るとあまり大きな改革はないと感じますので、それでいいのかもしれませんが、千葉の未来を考えると私には物足りなく見えて仕方ないのです。


真に有効な改革は、管理しているだけではできない、何らかの代償を払わなければ達成できないことにご留意頂けますよう、改めて要望致します。



(オ)会計制度改革について


⑤ 次に会計制度改革についてです。今回の土地開発公社の解散は、私としては現行の会計制度では経営状況を把握できないことを端的に表す、象徴的な出来事でした。まずお尋ねします。


1. 市保有資産の時価評価額など、ストック情報を整備していれば、これほどの債権放棄をしなくても済んだのではないか?責任を問うているのではないので、お答え下さい。


⑥ 答弁はわかるのですが、そうは言っても結果的には今回のように市が債権放棄をするわけだから、国の要綱とは別にでも、最新のストック情報が把握できるようにしなければ、また同じことが起こると思います。今の答弁だと「仕方なかった」と応えているように聞こえます。

⑦ やはり複式簿記・発生主義会計の導入による、真に見える経営、効率よい経営が必要です。一言で言えば「資産価値の目減りが、すぐわかるようにしよう」ということです。民間なら当然の減価償却費も、見えるようにしなければならない。そこでお尋ねします。


1. 現在の財務4表で、個々の資産の時価評価額などのストック情報を補足できないか? 今後、財務4表はどう活用していくのか?


⑧ 確かに固定資産台帳の整備は進んでいない自治体が少なくないそうです。また財団法人日本生産性本部が昨年12月に実施したアンケートでは、「基準モデル」採用の自治体は8.3% とのことで、比較も難しい。今後の会計基準の統一が待たれます。しかしただ待っていても仕方ありませんので、本市としてもストック情報の整備、つまり固定資産台帳の整備を、要望します。


⑨ あと私が議員一年生として衝撃だったのは、予算審議も決算審議も、個別事業の話にほぼ終始し、本来議論されるべき投資対効果や、効率性の議論が想定以上に少なかったことです。公会計は、予算や決算との連動など、行政の内部マネジメントにこそ活用されるべきと考えます。が、


1. それへの見解をお尋ねします。


⑩ 施策の結果検証に伴う、事業の効率化議論にぜひともつなげてもらいたい。予算だけでなく、PDCAですね、予算を使って何をしたのか、どんな効果があったのかについても、目を向けねばなりません。財政危機から脱しなければならないこれからの千葉市には、必須の視点です。


⑪ まずは国に対して、会計基準の統一を求めること、それと関連してシステム調達も自前開発にこだわり過ぎないことを求めます。そして最終的には職員のコスト意識改革につなげなくてはいけません。単に乾いた雑巾をしぼるのではなく、常に投資対効果を職員全員が持つことが、必要だと思います。特に時間の感覚ですね。のんびりしていたら民間では負けてしまいます。


⑫ なにしろ、財務諸表は作成するのが目的ではなく、どのように活用するのかが肝ですので、東京都のリアルタイム仕訳けまではいかずとも、システム投資が必要だからと、見える経営から逃避しないことを求めます。


⑬ なお通告にあった「組織改革について」は、内容的に既に触れましたので割愛します。














2. 教科書採択


(ア) 次に教科書採択に移ります。中学校の歴史・公民教科書として、どんなものが必要か、採択の仕組みは今のままでよいか、という観点でお尋ねします。


(イ) 既にご存知の通り、私は教育問題をほぼ毎回の議会で取り上げさせて頂いております。そしてこの教科書採択こそ、私の政治活動中最もやりたいテーマです。ある意味私は、この教科書採択を正常化するために、議員になりました。


(ウ) これまでの歴史教科書は、日本を嫌いになる教科書が採択されてきました。しかし詳細を知ればわかりますが、これは偏った歴史観です。真実は、立派な先人偉人がたくさんいるのです。そのことをちゃんと記し、日本を自然と好きになれる、そういう教育、そういう教科書を子供たちに届けたい。それが私の悲願です。このことに人生を賭けようと思っています。


(エ) 子供たちが、自分たちにつながる先人が立派な人たちだと知り、日本を好きになれば、必ずその子は自己肯定と誇りを持てるようになり、世のため人のために働こうと思える。そういう若者が増えれば、日本は必ず、建て直せる。そう、私は確信しています。

(オ) 家族が大切だからこそ、その家族を守ることに真剣になれる。同様に、日本を好きになれば、日本を放っておけなくなるのです。ゆえに日本を好きになる教育、これこそが、これからの教育において最も大切だと私は思っています。そのためならどんな苦難も引き受ける覚悟で、これからもやらせていただきます。

(カ) ではまず、


① 平成23年に行われる中学校使用教科用図書の採択に際して、最も大切にすべきことは何か?お答え下さい。


② では、その新学習指導要領に即した教科用図書を採択するためには、どのようなことが配慮されるべきか?お答え下さい。


③ 関連して、12月3日の産経新聞一面に、中国漁船衝突事件を受け、文部科学省は教科書や教材に尖閣諸島が日本固有の領土であることを明記するよう検討に入っているとの報道がありました。ただしこれは平成25年の高校教科書採択から反映されることになりそうとのことです。


誇りある日本を、千葉から ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦-sankei



しかし先の採択の観点で「時代への適合」があるならば、本市での来年の教科書採択に、この文科省の方針は反映されるべきと考えますが、どうですか?

教育委員の皆さんの公正なる判断を期待します。


④ また平成21年度の採択に関する教育委員会会議で、ある委員が「日本に誇りを持つ子どもたちを育てられる内容なのか、ということもひとつの大きな観点であり、そうした観点からの検討結果について、選定委員会の報告書に記載してほしい」との意見がありました。


私も全く同感で、これまでの採択の経緯では、教えやすさが重視され、こういった日本に誇りを持てるか、歴史に愛情を持てるか、という観点が、あまりに薄い。選定委員の報告でも、委員会会議の議論でも、明らかです。しかしながらこの「誇りを持てるか」の観点こそが、基本法、要領改正の核心だと思います。そこで、

1. まず上記委員の要望にどう対処するのか、お尋ねします。


「重要な意見」ですね。忘れないようお願いします。


⑤ また委員会会議録をみると、多くの委員が、選定委員会提出資料に対し、「各社の違いがわからない」「工夫してほしい」と言っており、かつこれは「毎回出ている要望」とのことです。いい加減、変えなければならないと考えますが、


1. 調査研究報告書の内容についてどのように工夫するのか?


先ほどの委員さんの言葉にも対応した、各社の違いのわかる報告書となりますよう、強く強く要望いたします。

教育基本法第2条の目標、すわなちに伝統尊重、道徳心や愛国心の養成に、どこまで沿った教科書であるかが、わかる報告書の作成を要望します。


⑥ さて前回の教科書採択のときに、いくつか気になる発言がありました。これが来年の採択でも踏襲されるのは見過ごせません。


まず、平成17年第8回教育委員会会議にて歴史教科書の採択をする際、指導課長は、「歴史に対する愛情を深めて」という請願に対し、それも歴史分野の目標と認めつつも「特定の一部のみを特に重視する考え方はいかがなものか」と反対している。


この考えは、新要領となる来年でも、変わらないのか?お答え下さい。


歴史教育を通じて「歴史に対する愛情を深める」ことは、全く特定の考え、一部のみの考えではないことは、基本法や新要領に記載の通りです。どうか今回こそ総合的にお願いします。


⑧ また教科書の内容についても、疑問があるものが多いです。この質問はぜひ、いま議場にいない、教育委員の皆さんにお伝えしたい。


まず本市で採択している東京書籍の公民教科書は、尖閣諸島や竹島を「日本固有の領土」と記しているが、肝心の主権侵害の事実を書いていない。中韓との外交的衝突も書いていない。


1. これはおかしくないか?


そういった、領土教育をしっかりやることは、「時代への適合」という観点でも、そして本市の教育理念「生きる力」でみても、不可欠のものと考えます。ご理解を願います。


⑨ 同じく東京書籍は45ページで「(在日朝鮮人は)選挙権や公務員になることなども制限されています。不当な差別や偏見がなくなるよう、運動が続けられています」と、外国人参政権を推進する、極めて偏った政治的主張を掲げている。


誇りある日本を、千葉から ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦-q22-4

しかし外国人参政権に対しては、全国35県議会、360を超える市区町村議会が、反対の意見書を出しており、極めて議論の分かれるテーマです。これを堂々と一方的に教えるのはおかしくないでしょうか?



⑩ 更に歴史の教科書では、蒋介石のことを「チャンチェシー」と読ませたり、孫文を「スンウェン」としたりしており、人名索引でも蒋介石は「タ行」にある。中学生にこれを求めるのはおかしくないでしょうか?



誇りある日本を、千葉から ~千葉市議会議員・田沼隆志の挑戦-q22-4



(キ) まだまだ挙げれば他にもキリがないのですが、前回採択時は普通だったとしても、今から見ればかなりおかしい内容で教育がされていると言わざるを得ない。あまりに中国寄りすぎる。


で、内容についておかしくないかと問うと、答弁は「検定に通っているから」の一点張りですが、それではこの議場では内容について議論できないことになる。でも教育委員の方は、選別をしている。じゃあなぜここに、教育委員の方がいないのか?


結局、あたりまえですが、検定通過教科書の中にも内容的に幅があるし、教育委員会会議では、まさにその中から、内容について議論し、採択をしている。採択正常化のためには、教育委員さんの正しい判断が不可欠です。


今回は委員さんの出席は求めませんが、ぜひとも私がお伝えした「おかしな実態」についても、各教育委員さんにお伝え頂きたいと、要望します。


(ク) 何しろおかしな実態もあることを、ぜひ教育委員の皆さんにはお知りいただき、正しい教科書採択、そして日本に誇りの持てる子供を千葉から育てていただけますよう、心の底からお願いいたしまして、私の質問を終わります。