ジィさん、ありがとうございます。


私も前職では、ある程度の財務戦略もやっていました。このブログとは趣旨が異なりますが、一回だけお返事します(あとはメールにしましょう)。

1000字を超えたので投稿欄にて。



DCF法による価値算出の場合、利回りももちろん重要ですが、根源はやはりキャッシュフローだと思います。が、そのCFが既にほとんどが赤字。これをリノベするには、やはり相応の事業好転ノウハウがあるのだと思います。本質は、やっぱりこの部分。オリックスもその見込みが立ったから、買収に応じたのでしょう。「いい経営ができるかどうか」に勝るものはない、と私は考えています。


ただ他にも価値算定手法はいくつもありますし、私もオリックスへの売却額が妥当であるのかどうかは、もうわかりません。それには内部情報が必要です。



確かに「よく決断してくれた」はちょっとほめすぎですね。オリックスをはじめ民間企業は、滅多なことでは、不採算とわかっている案件はやりません。一般的な商取引でしょう。


それで言えば、オリックスが買収後に転売する先を見つけていたりすることにも、何の問題もないと思います。これも一般的な商取引ですから。もう日本郵政、そして政府から、手が離れていることです。



ただ、これらがデキレースであったと断定する根拠を、私は持ちません。である以上、売りたがっていた日本郵政にオリックスが応じたことを、非難する理由はないと思います。

しかしながら、大幅な損失を確定してしまうにしても「さっさと売っちまえ」という姿勢を、日本郵政が持っていたかといえば、私の個人的所感ですが、かなりそういう姿勢を持っていたと思います。官僚は(当時もう公社ですが)思った以上に、政治の動向を気にするものです。当時の郵政民営化の流れのすごさを、公社の方々も勝手に大きく敏感に汲み取って、「とにかくコア事業以外は大損失でもいいから縮小」という姿勢になっていた可能性も高いと思います。


とはいえやはり、繰り返しですが、デキレースだったかといえば、そうではないと思われます。オリックスがそんなデキレースでせこい儲けをしても、リスクばかり大きくて、何もうれしくない。

それよりも日本郵政が、不採算でもなんでも、郵政民営化の錦の御旗のもと、非コア事業は売ってしまえという姿勢でゴリ押しした、というのが実態ではないかと思います。それを総務省が叱責する程度の話ではないでしょうか。


付け加えるならば、西川社長にとって、この案件は、極めてわずかな守備範囲の1つ。元三井住友銀行頭取の西川さんの主な仕事は、ゆうちょ銀行とかんぽ保険の再建です。西川さんの活動の90%以上が、それらおよび物流事業・ネットワーク事業に向けられていると思います。西川さんが今回の件で策謀する、暇も関心もないと思われます。




日本郵政側に、杜撰な運営があるなら、それは改善されるべきでしょう。それを総務省が指導することもありでしょう。


ただ、このことは、あくまで内部での業務改善が必要、というレベルの話。

総務相が辞任をしなければならないような、

あるいは麻生vs鳩山と騒ぎ立てるような、

あるいは政権の求心力が左右されるような、

そんな大袈裟なレベルの話ではないと私は思います。


やはりマスコミがおかしい、あるいはそれを見越した?鳩山さんの言動に、私は違和感を禁じ得ない、のが正直な所感です。