かんぽの宿などの問題で、鳩山総務相が辞任しました。
またもや、「盟友斬る」「政権にダメージ」など、マスメディアがくだらない報道をしています。
実は私は、アクセンチュアにて、この件を少々調査検討したことがありました。
結論から言うと、バカバカしいに尽きます。
詳しくは、猪瀬直樹氏が2ヶ月前に書いている通りです。
http://www.inose.gr.jp/mailmaga/mailshousai/2009/090416.html
オリックスや日本郵政や鳩山さんの責任以前に、郵政省・郵政公社の責任の方が、明らかに大きい。
かんぽの宿は、減価償却まで入れれば、すべて赤字なのです。はっきり言って、オリックスはよく買う決断をしてくれたと思います。それだけ、ものすごい不良資産だらけなのが実態でした。今も変っていないはずです。
それを、まだ他事業で体力があるうちに膿み出ししようとしている西川さんは、情報公開に稚拙さはあったかもしれませんが、まったくもって正統で、クビになる理由が無い。これにつっかかる鳩山さんは、愚の骨頂です。
たとえばバルク（まとめて）で全施設を売るのではなく、自治体に別用途施設転用用として払い下げるなど、別の販売方法を提案するのなら、生産的な議論です。
また確かに、東京中央郵便局の歴史的建造物を何の躊躇も無く立て替えてしまういまの日本郵政には、少々問題があったと思います。私は最も伝統を大切にする人間ですので。
しかしそれは個別の話。大きな視点で言えば、かんぽの宿の売却も必要だったし、郵政民営化による事業変革と業務革新は不可欠だったし、それを国民も支持したはずです。
そういった、郵政民営化、かんぽの宿売却の必要性とその是非について、なぜメディアは報道しないのか。あるいは議論をしないのか。かつてはその報道一色だったのに。
いまは鳩山VS西川とか、麻生政権の求心力低下とか、話の本丸をねじまげて面白おかしくしているだけに見えます。政治は血で血を争うドラマや、野次馬で済むワイドショーではありません。本当にいまは救国政策が必要な危機なのです。本当に腹が立ちます。
千葉市民の皆さんならご存知と思います。千葉駅前のぱるるプラザは２２０億円で建設されましたが、２０億円で千葉市に売却されました。差額の２００億円は、日本郵政が負担しています。
すべては、作ったのが悪いのです。だから、その原罪を犯した、郵政省、官僚こそ問うべし、なのです。
私は「無責任」が、一番腹が立ちます。
これでも私は、日本を愛し、日本の行く末を私なりに案じているからです。
時折民主党などを攻撃してしまうのは、その政策が「無責任」に聞こえるからです。
しかしまず、民主よりも自民よりも何よりも、今この国は、一部のマスメディアと官僚が、最も無責任で、罪が深い。私はそう思っています。
そして私は思います。小泉フィーバーが数年たって熱が冷めたら、やっぱり小泉改革は間違いだったなどと言い出すのは、見苦しい。あのとき応援した人はなんだったのか。
国民もメディアも、まずそのことをきっちり反省した上で、批判すべきを批判することが、正統な姿勢ではないでしょうか。
私は、小泉改革は、基本的には賛成です。当時から、全面的賛成ではないですが、一度賛成と決断した以上、今でもそれは変わりません。「官から民へ」のもと、郵政公社や道路公団を民営化し、小さな政府を目指して、肥大化した官を改革する方向性は、正しかった（今でも正しい）と思っています。
潔さを政治に求めるなら、まず自らが潔くなければならないと、自戒したく思います。
●
と、ここまで書いて、鳩山・民主党代表が、驚くべき発言。
○民主・鳩山氏、日本郵政社長「政権取ったら解任」 党首討論で
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090618AT3S1701C17062009.html
そしてこんな発言も。
○社民党首「本音が出た」 民主代表の「連立解消」発言が波紋
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090618AT3S1701N17062009.html
驚きです。
もちろん解任する理由次第ですが、結局鳩山氏も、政局第一なのでしょうか…
国民受けさえする反・自民策なら、何でもいい…？
小沢さんと同じですね。
だから、連立解消もできてしまう。政治信条ではなく、権力闘争だけでつながっているので、自力で第一党になれるなら、ある意味当然、連立は解消するでしょう。
半分は同情もあります。これは民主党の宿命なのでしょう。
しかしながら、やはり政党は、理念、作りたい国家像から、賛否を判断すべき。
与党を引き摺り下ろすためだけに、無原則に何でも反対では、
日本の未来に無責任です。
民主党がそうでないこと、信じられるビジョンを提出されることを、祈っています。