●ご存じのように、稲毛区でも被害がでてしまった、毒入りギョーザ問題です。


私も、極めて高い関心を持って、見ています。




●私は基本的に、反・中国派とは思います。

もちろん日中友好を願っていますが、いまの中国では危険が多過ぎる。



以下は主に外交や歴史問題から中国を語った、2年前の投稿ですが、企業統治や国家体制への不安も全く変わらないです。


・再続:靖国と、外交戦略

http://blog.livedoor.jp/ttanuma/archives/50171576.html

・続:靖国と、外交戦略

http://blog.livedoor.jp/ttanuma/archives/50148904.html

・靖国と、外交戦略

http://blog.livedoor.jp/ttanuma/archives/25093420.html

・歴史観の怖さ

http://blog.livedoor.jp/ttanuma/archives/50152717.html




●また私は、コンサルタントだったとき、ある食品会社の中国進出戦略プロジェクトをやりました。

実際に現地でも生産していたり、私の上司が中国に調査にいったりし、当時は社内一の中国通でした。


その実体験から言って、中国人の生産体制、というよりも衛生観念・労働観念は、日本のものとは全く異なるということです。




●ただ、まだ真相が究明されていませんので、安易な判断や批判はできません。

まずは被害拡大がされないよう、応急処置を講じつつ、原因究明につとめてほしいとおもいます。



と、そう思っていたら、残念な事件が。

応急処置レベルでのミスです。



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◆生協、6000袋以上を宅配販売=千葉の被害クレーム後-中国製ギョーザ
2月4日13時32分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080204-00000057-jij-soci


 中国製冷凍ギョーザの薬物中毒事件で、コープネット事業連合(さいたま市)が、中毒を起こした千葉市稲毛区の女性(36)から回収した「手作り餃子」を検査に出した際、通常とは異なる成分が含まれていると報告を受けながら、千葉県警が薬物を検出するまでの約1週間で、同一製品を6000袋以上宅配販売したことが4日、分かった。


 同連合によると、生協側は1月23日、外部の専門機関「食品環境検査協会」から、ガスクロマトグラフ質量分析の結果として、通常の同一製品には認められない成分が含まれているが、物質の特定には至らなかったとの報告を受けた。


 生協側はその後も製品回収せず、県警から1月29日に有機リン系の薬物と特定したと報告を受けるまで、同一製品計6681袋を宅配販売していた。同期間に店頭に並んだ数は不明という。 

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生協の、危機管理体制に、残念ながら不信がうまれてしまいました。

リスクマネジメントは、現在の経済界全体が、より強化しなければならないことです。




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◆中国製ギョーザ事件 千葉市、虚偽説明疑い 被害女性、会見内容を否定
2月4日8時1分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080204-00000045-san-soci


 中国製ギョーザ中毒事件で、被害者の千葉市稲毛区の女性(36)が持参したギョーザの検査を拒否したとして、千葉市が2日に行った釈明会見で、虚偽の説明をした疑いがあることが分かった。女性は3日、産経新聞の取材に市側が「けろっとして帰った」と説明した退院時の様子や、問題のギョーザを1月4日に市保健所に持参した際の担当者の対応について「事実と異なる」と訴えている。


 市側は2日の会見で、女性の退院時の様子について、市立青葉病院の高橋長裕副院長が「けろっとして帰った。腹痛や吐き気も止まり随分楽になっていた」と説明したが、女性は「下痢や吐き気が治まらず、自力で歩けなかった。帰宅しようと院内を歩いているとき、診察した医師から『何でこんなにだるそうなんだ。不思議だ』と声を掛けられ、それならほかの検査もしてほしいと思った」と振り返る。


 女性によると、夫(37)に抱えられるようにして車に乗り、帰宅したという。


 さらに市側は、1月4日に保健所を訪れた女性に、担当者が「(ギョーザに何かが混入しているなら)人為的な可能性もあると思う。状況によっては警察に行ってほしい」と話したと説明したが、女性はこれも否定。


 女性は「保健所が対応してくれないなら、どこに行けばいいか」と尋ねると、「消費者センターに行っても警察に行っても(こうした問題の)対応の窓口は保健所だ」と説明を受けたという。


 女性は「市の姿勢は許せない。事実と異なる説明は悔しい」と話した。これに対し、市生活衛生課は「会見での説明に誤りはない」としている。


 会見では、薬物中毒と判明後に保健所の三井良雄食品衛生課長が女性宅に謝罪の電話をした際、「ねぎらいや感謝などの温かい言葉をもらった」と説明。これについても女性は「何の言葉をもって『感謝』と判断したのか理解できない」と話した。

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そして行政の、危機管理体制にも、怪しげな兆候が。

真相次第だが、市の対応が市民を守っていない状況があるならば、極めて、残念です。
困ったときに頼りにならない役所では、銀行同様、信用不安が起こりかねない。



企業が「顧客第一主義」を、理念として掲げつつも、その実行が難しいのは誰でもお分かりと思いますが、

行政も「住民第一主義」を本当に実行するのは、難しい。細部に、精神が宿っているかどうかが、見えてきてしまう。



難しいことですが、改革をしていかねばなりません。特に「精神の改革」が大切です。お役所精神を変えること。

これは私の企業改革からの経験です。

私もできる範囲で、ご支援したいです。




●さて、本当の原因究明は、いろいろ情報がわかってきました。

引き続き、丁寧に、見ていきたくおもいます。



経験的には、中国の工場内での問題の可能性が高いのではないかと思っています。

これは全くの推測ですので、批判はご容赦ください。



前述の食品会社プロジェクトでも、最も苦労したのは、工場の衛生度。
つまり中国人の衛生観念が、あまりに日本の水準よりも低いのです。

たぶん多くの皆さんも、そういう驚きの経験があるのではないでしょうか。段ボール入り肉まんとまではいかずとも・・・



その会社のケースですが、あちこちに危険物、特に食品工場にはあってはならないものなどが、無造作に捨てられてしまったりします。これを直すのに大変苦労しました。


現地人だけで工場を運営していると、どうしてもこういうミスが直らないため、結局日本人が張り付きで長年指導し、やっと少しずつ改善されました。



日本人の人件費は現地人の50倍。日本人が少しでも増えれば、現地ではもう赤字になってしまうのです。
ばかばかしいことですが、中国で安く生産するために事業を開始したはずなのに、結局高くついてしまった、と前述の会社の担当者は苦笑いしていました。



「天洋」は完全に現地人だけで運営しているようですので、気になるところです。


続報を待ちます。